WILYWNKAが語る “チル”の真髄 「好きにやる」ことの困難を越えて

張り詰めてるとパンクしてしまう。だからこそCHILLが大事

──今回リリースされた楽曲のタイトルは「Chill Out」ですが、WILYWNKAさんは「CHILL(チル)」というワードをどう捉えていますか。

WILYWNKA 「CHILL」ですか……(ちょっと考えて)「落ち着いてゆっくりリラックスして」って感じですね。 ──漠然とした質問を重ねますが、ではWILYWNKAさんにとって「CHILL」とは?

WILYWNKA あ、それは「絶対に必要なもの」です(即答)! 自分に関して言えば、結構CHILLってる方だと思いますよ。こうやってインタビューを受けてる時だって、実はそう。

さっきまで(MV撮影で)外にいて寒かったんで、屋根と壁があるところでソファーに座って、ちょっと暖房なんかがついてたりして、超〜CHILL。僕はできるだけCHILLな状態でいたいタイプなんです。

──常にCHILL状態を目指してる?

WILYWNKA もちろん何か考えている時や制作する時はめっちゃ集中してるんですけど、 ずっとそうだとパンクするじゃないですか? 僕は脳味噌の代わりに発泡スチロール状の何かが詰まっているタイプなんで(笑)、日々ちょっと頑張って、CHILLして、またちょっと頑張って。その繰り返しですね。

──CHILLする時に大切にしてることはありますか?

WILYWNKA 余計なことを考えへんこと。他人のこと、嫌な奴のこと、色んな心配事。あんまり考えすぎない方がいいですね。もし失敗してしまったら、ちゃんと反省すればいい。反省してるのに、1ヶ月も落ち込まなきゃいけないとは思わない。「ボクはあの日失敗したからダメな奴なんだ〜」みたいに考え続けたら病んでしまいますよね。

そうじゃなくて「しっかり反省はするけど、肩の荷は降ろしていこう」って思うんです。僕は気楽に生きていきたいし、皆にも気楽に生きていってほしい。で、頑張る時は頑張る。年がら年中適当な感じではマズいですからね(笑)。

──「肩の荷を下ろす」って、まさにCHILLの本質を言い表してますよね。

WILYWNKA 色んなものを背負っていると大変ですからね。 ましてや年齢を重ねて大人になっていくと、どんどん責任も大きくなっていきます。裏を返せば、子供の時よりも周りが見えてるってことなんでしょうけど。

「あの人はこういう状態やから、こうしたらなあかん」とか「皆が応援してくれてるから頑張って仕事しなきゃあかん」とか──周りが見えてると、そうやって気を遣ったり、考えちゃったりするじゃないですか。それ自体は悪いことじゃないでしょうけど、あまりに気負ってガチガチになってしまうのは、全然CHILLじゃないです!

──マインドフルネスとか禅みたいな考え方ですね。CHILLすることによって、気持ちも軽くなる。

WILYWNKA 責任感を持つのは大事なことなんですけど、時にはパーンと肩の荷を下ろしてみてほしい。例えば一緒に何かする時に、相手にあんまり気張られると、こっちも気張ってしまいますしね。「うわ! 緊張してるな! 俺も緊張してきた!」みたいな(笑)。

──CHILLは自分だけでなく周りの人にも良い効果を与える、と。

WILYWNKA ずっとCHILLっててもよくないとも思うんですよね。たとえば音楽制作で言えば、感情的にならないとリリックが書けなかったり、曲がつくれなかったりもする。

そもそも、僕だってみんなと同じく感情的になったりもする。雨の中で空車のタクシーに乗車拒否されたりすると(笑)。そういう時に「この〜!」って思うのは、まあしょうがないことですよね。

──頑張ったり、感情的になること自体が悪いというわけではない。

WILYWNKA 何度でも言うけど、ずっと張り詰めてたり、我慢してたりするとパンクしてしまうんですよ。だからこそ合間のCHILLが大事になってくる。しっかりCHILLした後はやる気もみなぎってきますよね。

CHILLするなら“ずっと”じゃなくて

──自分をCHILLな状態に持っていくために、具体的にやっていることを教えてください。

WILYWNKA 大阪にいてる時は……やっぱり友達と会うことですね。むっちゃ騒がしい奴らと一緒にCHILLしてますよ。僕の友達はメチャメチャ“陽”なパリピ系B-BOYが多くて、家で酒飲みながらゲームしたり。本当にずっと友達と一緒。

というのも自分の身内はほぼ周りに住んでるんですよ。僕が住んでるビルの一階上にGeGが住んでいて、VIGORMANも50メートル離れてない場所に住んでます。

──良い環境ですね。ちなみにどんなゲームをやることが多いですか?

WILYWNKA 『大乱闘スマッシュブラザーズ』は小学校の頃からずっとやってます。あと最近『UFC』をやってますね。僕は立ち技のセンスがないんで、困ったらすぐタックル。だから基本レスラーしか使わないです。

──対戦ゲームが多いんですね。そこでもギラギラしてますね。

WILYWNKA あと、これはもう皆がCHILLなアイテムとしてあげると思うんですけど、Netflixですよね。よく「ネトフリは沼」とか言いますけど、こちとらNetflix沼にもAmazon沼にもHulu沼にもハマって、ほぼほぼ観たいやつは観終わって、最近じゃ沼で泳げるようになってきてる(笑)。

──(笑)。ゲームは大阪の仲間と? 最近は東京にいることも多いですよね。

WILYWNKA 東京だと一人だから寂しいんですよね(笑)。だから東京では息抜きは、サウナに入って、水風呂に入って、出たら水を飲んで「はぁ〜〜〜〜〜〜!」みたいな。「これが"ととのった"っちゅうヤツけ(ニヤリ)」と(笑)。それで自分が好きな曲を流したり、TVでお笑いを見て笑ったり。ここ3日はMV撮影もあったので、お酒を飲むこともなかったです。

──すごく健康的ですね。

WILYWNKA レコーディングしてますからね。ちゃんと睡眠もとって、朝起きて、昼間はスタジオに行って制作して……きびきび動いてました。それができるのも、こまめにCHILLってるからなんだと思うんです。

疲れ切って家に帰ってきてバタッとベッドに倒れ込んで、でもちゃんとは寝れてないみたいな生活は、全〜然CHILLじゃないですね。そんな状態じゃ今回の「Chill Out」もつくれてなかったはず。

──今回、リリックを書いている時や音源制作をしてる時に、パフォーマンスを上げるためにしていたことはありますか?

WILYWNKA ベッドの横に置いてるデスクに、パソコンとスピーカーとマイクを置いて、プリプロ(仮録音)するんです。作業をする少し前にアロマキャンドルをつけて、部屋のドアを閉めておいて外に出る。で、10〜20分して部屋に入るとめっちゃ良い匂いになっている。「おお〜超CHILLLLL〜」って思いながら作業を始めてます。

──やっぱり日頃からCHILLを大事にしてるんですね。

WILYWNKA 「ずっと」ではなくて「小まめ」に。やっぱりメリハリが重要なので。

「それにしてもキャンドル、CHILLいよな〜」とWILYWNKA。炎を見てしばらく固まってることもあるという。ただし、ひとつ言っておきたいのは「俺、決して病んでないよ(笑)」とのこと

──他に何かCHILLいアイテムってありますか?

WILYWNKA 甘いものですね。元々お菓子は食わないし、スイーツにも興味なかった。でも、この1、2年で制作中に食べるようになったんです。チョコを舐めたり、この間も事務所に缶入りのクッキーがあったんでホールで食っちゃいましたね(笑)。

──そういえば「Chill Out」のリリックにもチョコレートが出てきますよね。お気に入りは?

WILYWNKA 赤の「GABA(ギャバ)」。そういえばアレもパッケージに「ストレス軽減」って書いてあるんですけど……

──「決して病んではない」ですね(笑)。

WILYWNKA ただ、1年半ぐらい前から去年の10月までは頭がイガイガした状態ではあったんです。だから知らず知らずのうちに糖分をとったり「ストレス軽減」って言葉に反応しちゃってたのかも(笑)。コロナで暇なくせに。まあ暇は暇でストレスを感じたりするものなんでしょうね。

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