「RANは『THE FIRST』の象徴的な存在」
──RANさんはこのお話はご存知でしたか?RAN ちょっとだけ。Coreくんの強いところって、こうやってちゃんと向き合えることだと思うんです。
僕はチャレンジするのが怖いタイプだったので、改めてすごいなって思いますし、尊敬します。
Novel Core 照れちゃう(笑)。
──そういった経緯でつくられた「THANKS, ALL MY TEARS」ですが、出来上がって初めて聴かせたのがRANさんなんですよね?
Novel Core そうなんです。RANとはオーディションの合宿で会って、BMSGにトレーニーとして所属することが決定して以降も、直接のやり取りはありませんでした。
ただ、InstagramのDMで少しだけ連絡は取っていたので、せっかくだからどこかでゆっくりしゃべりたいねと話していて。
RAN その頃、僕が熊本から東京に戻ってきたタイミングがあったんですよね。
Novel Core 事務所に行くと言っていたので、「じゃあ俺も事務所に行くから、1日しゃべろうよ」って5〜6時間くらいおしゃべりして。
RAN これまでの人生の話とか、本当にいろんなことを話しました。
Novel Core そこでRANの話を聞いていた時に、自分とRANとにフィールした部分があったんです。
さっきのバトルの話や、アーティストとして世の中にどう見られるかというもやもやした感情みたいな話をして。「これは『THANKS, ALL MY TEARS』を聴いてもらいたいな」と。 ──RANさんは初めて聴いてどう感じられましたか?
RAN その時に何曲か聴かせてもらったんですけど、一番心に残ったのが「THANKS, ALL MY TEARS」でした。聴いた瞬間「この曲めっちゃ好きです」って伝えて。聴いた後もずっと頭に残るくらい印象的な曲でした。
その時にどんなMVをつくりたいかという話もしていたんですが、回りに回って僕にオファーをいただいて嬉しかったです。
──その時に話していたMVの内容と出来上がったMVは同じだったんですか?
Novel Core 構成としては近いと思います。この曲ができた時に真っ先に思ったのは、「自分が出るMVじゃない」なと。
──それはなぜ?
Novel Core 「THANKS, ALL MY TEARS」のMVに「Novel Core」というフィルターは必要ないと思ったんです。
曲自体が持っているメッセージや、曲の中の人物像を届けたかったというか。「Novel Coreの曲だから好き」「Novel Coreだから聴いた」というのもめちゃめちゃ嬉しいというのは前提ですが、この曲に関してはアーティストネームのアレコレを取っ払いたかった。
だから最初は僕自身が一切MVに出ない、エド・シーランの「Happier」のような人形劇をやろうと考えていました。
──RANさんはオファーを受けて率直にどう感じられましたか?
RAN 「マジか」って(笑)。驚きと、嬉しさと、それからもう一回驚きと。もともとダンサーだったので、体で心情を表現するというのは得意だとは思っていたんですが、「本当に自分でいいのか」という不安もありましたね。
でも同時に「いや、でも自分にしかできないかな」という気持ちにもなったんです。
──そんな心情の中でオファーを受けたのはなぜだったのでしょうか?
RAN その頃ちょうど、心情を表現するコンテンポラリーダンスを会得していこうとしている最中だったんです。
出演している舞台でも挑戦していて、その舞台を見に来てくれたCoreくんが泣いたと聞いて。今までやってこなかったもの、得意としてなかったもので、人に何かを伝えられたことが嬉しかったんですが、まだアーティストという領域ではありませんでした。
だからこそMVに出させてもらって「もう一歩階段を登ろう」「やるしかない」と思って引き受けることにしました。 ──振り付けも特に決まっていなかったとお聞きしています。
RAN そうですね、当日決めました。
Novel Core 一応事前リハーサルをしているんですが、お互い「振りって感じじゃないよね」って思っていて。
その瞬間ごとに、RANがこの曲に対して抱く感情を、ストレートに表現してもらうことが一番正しい形だと思っていました。それに「RANならこのMVを良いものにしてくれる」と勝手に信頼していました。
RAN 撮影の5日前くらいに2人でタクシーに乗っている時、「ここってこういう動きのほうが良さそうですか?」って確認をしたことがあったんです。
Novel Core そうそう。たぶん、僕が作品に求めているものや、それを自分が表現できるかっていう不安があったんだよね。
RAN その時に「思うがままにやってくれることが一番嬉しい」って言ってもらって。
Novel Core なので、あのダンスは当日出たもの。撮影当日にステージで踊るRANをチェックしながら、こちら側がカメラワークをいじっていった感じです。
──フリースタイルだからこその戸惑いもあったのでは?
RAN ありましたね。でも、Coreくんの「(MVを通して)この歌を誰にでも伝えられるように」という意図を知って、逆にCoreくんの心情じゃなくて「THANKS, ALL MY TEARS」を聴いた僕の心情を表現してもいいんだって気づいたんです。
それこそ、本番まで踊らずにひたすら曲を聴き込んでいました。僕の耳に入ってきた音と歌詞をアウトプットすれば、その時の心情が完成するんじゃないかと思って。リハーサルもなかったですもんね。
Novel Core 急に「カメラ回します!」ってね。6〜7時間踊りっぱなしだったんじゃない?
RAN 3時間×2回でした。 Novel Core だよね。今回のRANのように自分が感じたものだったり、楽曲を聴く人がどう感じるかを想像したりして、自分の中のものを絞り出して表現するっていうのはアーティストの根幹だと思うんですよね。
僕は主演をお願いした段階で、僕はアーティスト・RANを信頼していたので、いいものに昇華してくれるだろうと思って、振りはつくりませんでした。
──CoreさんのRANさんへの信頼はどうやって生まれたんでしょうか?
Novel Core やっぱり「THE FIRST」を見ていたのが大きかったのかな。BMSGに所属した人、していない人関係なく、参加者全員があの期間でめちゃくちゃ成長していたじゃないですか。
僕はダンスに関しては全く知見がないですけど、それでも「成長がすげぇ」ってわかるくらい変化していました。その中でも、1話と最終話で一番大きく変わっていたのはRANなんじゃないかなと僕は感じました。 Novel Core 僕は個人的にRANが「THE FIRST」の象徴的な存在だと感じていたので、それが信頼につながったのかもしれません。
何の偽りもないオーディション番組の中で、SKY-HIさんが才能に対してこういう風に光が当たってほしい、こういう風に成長していってほしいっていうものをまんま具現化していったのがRANだったんじゃないかなと。
“怖くても進め” BMSGの2人に宿る意志
──YouTubeの「TALK ABOUT “THANKS, ALL MY TEARS”」の中で、Coreさんが楽曲とRANさんのスピリッツがぴったりという話をしていましたが、RANさんは自分と楽曲のどういう部分が合っていると感じられますか?挫折や苦しみに人一倍敏感なので辛いと思うことも多いし、逆に頑張らなきゃって思うこともあります。最後の“完璧なラストシーンを 輝かせるのは 絶望と退屈で”という歌詞もまさしくその通り。
これまで経験してきた挫折や苦しみ、辛さは些細なことだったんだな、今のために生きてきたんだなって感じています。Coreくんとこうやって出会えていることも、必然と偶然が積み重なって実現したこと。だからこそ、MVの表現もその時に出た自分の感情の動きなんです。
──そういった思いがあったからこそ、あのエモーショナルな表現につながっているんですね。
RAN そうですね。正直、今あれをやれって言われても絶対できない。「俺、そんなことしたことないよ」っていう動きまでしているんで、要チェックです(笑)。
──お話を聞いているとお二人は共通点も多そうだなと感じます。
Novel Core なんでこんなに共鳴したんだろうって考えると、やっぱりお互い「弱さを知っている」からだと思う。
RAN 僕もそう思う。Coreくんはすごく繊細な人だなって。
Novel Core 日高さんがつくった「To The First」という「THE FIRST」のテーマ曲があるんですけど、その中に“怖くても進め”という歌詞があるんですね。
これ、“恐れずに進め”じゃないことにすごく意味があると思っていて。おそらくほとんどの人は「怖がらずに進んでいけ」って言うと思うんですが、日高さんや僕、RANが持っていたのは“怖くても進め”。
そしてそういう生き方をしている人が集まったのがBMSG。弱さを知っているぶん、本当の強さを心の中にちゃんと宿しているところがRANと共鳴する部分なのかなと思います。
RAN たぶん僕らって、自分よりも相手のことを気にかけてしまうし、自分のことは考えなくてもいいところまで考えてしまうんですよね。例えば、Coreくんって嬉しくても悲しくても毎回泣いているんですよ。でも、泣くってすごく難しいと思っていて。
一つの物事に対して深く考えて、それが表に出ているから泣ける。Coreくんはそこまで物事をしっかり考えているんだなと感じます。だからこそ、僕も抱え込んでいることをCoreくんに話せるんです。 Novel Core そうね。僕とRANってなんか危ういんですよね。ふとした瞬間にいなくなりそうな、そんな空気感を持っている。
僕なんかは普段超ポジティブで「楽しい!」って前に出るタイプなんですが、周りからは「急にいなくなりそうな危うさがある」って言われます。
RANも社交的に見えて内向的な部分がすごく大きいというか、本当の意味で心を開ける人数がすくないというか。僕と似たタイプなんだろうなって。
──人としても感性も近いお二人だからこそ、コラボ第2弾もあるのでは?
Novel Core できたらいいよね。俺、最近絵を描いたりしているので、表現の幅が少しずつ増えていってる気がする。
RAN 僕も写真にハマっています。写真でしか伝えられないものもありますよね。
Novel Core わかる。RANとは表現面での一致が強いから、形にこだわらずまた一緒にやれたらいいね!
KAI-YOUで知るNovel Coreの軌跡
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1件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:5063)
コアくんとランくんの対談ありがとうございました。二人のお話をじっくりと聞くことが今まであまりなかったのでとても興味深く読ませていただきました。より一層THANKS,ALL MY TEARSが大好きになりました。