2021年10月にスタートした1クール目の放送が終わり、2クール目の放送開始が1月8日(土)に迫っている。 そんなタイミングで、次元大介の声を、約50年担当してきた小林清志さんから受け継いだ大塚明夫さんのオフィシャルインタビューが公開された。
1クール目を走り抜けた大塚さんの今の心境や役への向かい方が明かされている。
無我夢中で駆け抜けた『ルパン三世 PART6』1クール
インタビューでまず触れられたのは、幕を閉じたばかりの1クール目。感想を問われた大塚さんは、以下のように言及した。「1クール目は無我夢中で、常に「もっとやらないと」という気持ちが溢れて、走り終えた感じは全くない」
「次元大介の背中が少し見えてきているので、輪郭がぼやけてしまわないうちに、早く追いつきたいという焦りでいっぱいです」
「「次元大介は永遠であれ」という、10年20年そこらではない“オールドファン”の気持ちを持っていますので、どこまでも清志さんの作った次元を大事にしていきたいという想いがあります。次元への向き合い方は、やはり変わらないです」
次元に少しでも近づくためのユニークなアプローチ
加えて、次元に近づくために日頃心がけていることがあり、それは心理的にもフィジカル的にもユニークなアプローチ法だった。また「形から入ることも大事なことだと思っています」と、収録の際は次元の気分になるために黒いハットを被ることも明かした。「昔の『ルパン三世』シリーズをYouTubeでランダムに観ています。清志さんの音をコピーするという意味合いよりは、『ルパン三世』の世界、空気感を胸いっぱいに吸ってからアフレコに臨みたいと言う気持ちです」
「次元のセリフではなくても、例えばハードボイルド小説にある決め台詞を次元大介風に言ってみたりしています」
「遊びの延長で始めたことですがなかなか面白くて、次元の良いエクササイズになっているといいなと思います」
ルパン役・栗田貫一さんからは「リアル次元大介!」と言葉を貰ったという。
決め台詞と抜けた台詞のバランスを探る
前任の小林清志さんが50年に渡って次元を演じてきたため「どの時代の次元大介でいるべきなのか」考えるという大塚さん。自分の声も日々変化していく中「“次元大介の原型”のような」「『PART1、2、3』のころの次元に近づこうと思い続けています」と語りつつ、イメージが完成しているキャラクターを演じる難しさを話している。
「清志さんはとにかく決め台詞がかっこよくて、昔のニッポンの大人たちの“やせ我慢のかっこよさ”の部分が、ハードボイルドなものにも通底して流れている」
「次元はすべてが決め台詞なわけではなく、ある意味、抜けたところも出来ないといけません」「これから身につけていかなければいけないところだと思っています」
未来の後任者についても思いを巡らせつつ、これまでの次元からの進化もしていきたいと語った大塚明夫さん。「清志さんをトレースしていこうとする中で、“大塚明夫版 次元大介”になっていく。最初から“大塚明夫版”を意識すると、出来上がったものは次元と違うものになってしまう。だから、あくまでも清志さんの次元をトレースしていこう、というアプローチは忘れずにいたいです」
「そのアプローチをブラさずにいけば、次に次元大介を引き継ぐ人に、成功すれば伝えられるし、もし失敗したら違うんだと伝えられる」
「その上で、進化もしていかないと。雑になってしまったり、前のが良かったなと思われないようにしていきたいですね。難しいです」
大先輩・小林清志さんが確立したキャラクター・次元大介役を受け継いだ、並々ならぬ覚悟を感じるインタビューとなった。 原作:モンキー・パンチ ©TMS・NTV
紡がれていく物語たち
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