第1話では三上悠亜さん、第2話には八木奈々さんが主人公に、さまざまなメディアで恋愛コラムを執筆するコラムニスト・妹尾ユウカさんを脚本に迎え、「寝取り」や「メンヘラ」といった一筋縄ではいかない女性たちの生き様と心情を描くドラマ『私の好きって変ですか?』。
タイトル・キャストに加え、YouTubeなのに過激になりそうな内容と、気になることが多すぎる。いてもたってもいられなくなったKAI-YOU編集部は、制作現場への潜入取材を敢行。
キャストや脚本家へのインタビューを交えながら、セクシー女優がどのように役と向き合っているのか、そしていったい現場では何が起こっていたのかをレポートしたい。
取材・文:ミクニシオリ 編集:恩田雄多 撮影:宇佐美亮
ドロッ……ドロのドラマ『わたすき』金夜に見たら死んだ
なのだが、正直、一言で表し難い複雑な感情を抱かせるその内容に共感してしまう。 フィルムカメラで撮られたかのような、低コントラストでレトロな映像が目に馴染む。多様な恋愛をテーマにしながら、登場人物の心情描写も繊細で、思わずどこか共感してしまうところがある。
奇しくも金曜の夜に見てしまったため、謎にメンタルが死んだ。しかし、共感性の高いヒューマンドラマでメンタルが死ぬことに、どこか充実感を覚えてしまうのは私だけだろうか。SNSで「これやばい、メンタル死んだ」ってシェアしたくなる感じだ。 第1話の主演は女性人気も強いセクシー女優・三上悠亜さんだ。登場人物は毎回変わり、主演のセクシー女優たちは普段の撮影とは雰囲気をガラリと変え、複雑な恋愛模様に身を投じる1人の女性としての姿を見せる。
色恋の先にある性愛を演じるプロであるセクシー女優たちは通常、いくつものシチュエーションでの性交を演じているわけだが、実は身体ひとつ、表情ひとつでさまざまな想いを表現している。そんな彼女たちが、恋愛をいかに表現するのか?──ファンならずとも確認しておきたいポイントだ。
張り詰めたドラマ撮影現場にそ〜っとイン
取材当日、都内のおしゃれなバーに集合した取材陣。バラエティやドラマでもよく使われている撮影現場で、メンズ地下アイドルとインフルエンサーの恋愛が赤裸々に繰り広げられていた。この日撮影が行われていたのは第2話。事前に台本を確認すると、メンズ地下アイドルの彼氏と付き合っているインフルエンサー女子が主人公の物語と、まさに今らしさの詰め合わせ。演じるのは文学好きとしても知られるセクシー女優・八木奈々さんだ。 知っているようでよく知らない、男性アイドルとインフルエンサーというふわふわした組み合わせは、なんとなく「地雷臭」がする。
「みんなの」アイドルである彼氏と交際していく中で、徐々に心が壊れていく女性の心理描写にスポットが当たっている。台本を読んだだけでも切ない痛みを感じた。 実際に現場にインしてみると、予想以上にスタッフの数が多い。カメラ、照明、音声に監督……もちろん演者につくヘアメイクもゾロゾロ来ていて、スタッフだけでもざっと20人以上はいるだろうか。
YouTubeドラマと聞いて安易な想像をしてしまっていたが、潜入しての感想は「ガチっぽい」(というか第1話を見たときに気づけ)。これはテレビで見たドラマの撮影現場に近しいものではないのか?
それもそのはず。制作会社はこれまでにSKY-HIさんやDuke of HarajukuさんなどのMVを手がけたOKNACK(オクナック)、そして監督は、ロックバンド・ONE OK ROCKのライブ映像演出のほか、多くのアーティストのMVやCMなどを手掛ける新進気鋭の映像作家・須田真志さん(針NEEDLE)だった。 これはもう、普通にドラマの撮影現場だ。知らず知らず抱いていた先入観を壊され、急に身が引き締まる。
主演の八木奈々さんは演技派女優としても定評がある。AV以外の作品で演技をするのは初めてだというが……。 迫真すぎる演技でお相手役のメン地下ボーイを本気でビビらせている。
どの話も心理描写が重要になってくるため、出演者の表情づくりや振る舞い、それに対する監督、脚本家の指示も細かい。
絵コンテを確認しながら、同じシーンをいろいろな画角で何回も撮っていく。たとえば電話を取る手はどっちの手が自然なのか、というくらい細かい部分まで確認しながら撮影が進む。交わされるやり取りの1つひとつに想いのこもった緊張感が漂っているように感じた。 場合によっては、30秒分の1シーンを撮るために、何度もカメラを回しては切って、30分以上撮影することもあるという。演者も監督の指示を真摯に聞きながら、時にはアドリブも混ぜながら演技をしていく。
ストーリー的に重たくシリアスなシーンも多いので、制作現場の空気もどこかピンと張り詰めていた。
0件のコメント