『テラスハウス』打ち切りへ　木村花さんの訃報を受けて

リアリティ番組『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020（テラスハウス TOKYO 2019-2020）』の制作中止が発表された。

尚「TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020」に関しましては、制作を中止する事を決定致しました。
この度のことを重く受け止め、今後も真摯に対応して参りたいと考えております。

— TERRACE HOUSE (@TH6TV) May 27, 2020

『テラスハウス』を巡っては、5月24日に報じられた出演者・木村花さんの訃報を受け、その原因が番組のつくり上げた演出によって、木村さんへの誹謗中傷がインターネット上で巻き起こった結果なのではないかという意見が噴出していた。

『テラスハウス』とは？

『テラスハウス』は、2012年10月12日からフジテレビ系列の「COOL TV」枠内で放送を開始。その後は、Netflixやフジテレビ・オンデマンドでの配信、地上波放送が行われているリアリティ番組だ。 シリーズを通して初対面の男女複数人が、同じ屋根の下で暮らすという設定となっており、その生活の中で進展する恋愛や青春の模様を描いている。

「台本がない」ことを番組上で明示しており、若者たちのおしゃれで「リアル」な生活を覗き見るという構成によって人気を獲得。出演者の多くが「インフルエンサー」としてインターネット上での知名度を得ることも恒例となっていた。

恋愛リアリティショーを巡る議論

しかしながら、実際のリアリティ番組の多くは物理的な「台本」は存在しないまでも、制作側で設定されたストーリーや配役をなぞることが多く、演技指導を含めた演出も存在する。『テラスハウス』についても、番組関係者がその実態を告白する報道がなされた（外部リンク）。

一方で、視聴者の多くはやらせなしのリアルな人間模様を期待しており、「台本なし」という設定を信じ込んでしまうケースも頻出していた。

また近年、出演者の多くがSNSで直接メッセージを送れる存在となっている。木村花さんの場合も、ドラマの中で設定されたとみられるキャラクターや演出を真に受け、誹謗中傷を受けていた。

公式発表はないものの、彼女のInstagramへの投稿履歴などから死因は自殺と考えられている。

pic.twitter.com/pTDrhyjmLY

— 木村花🥀HanaKimura (@hanadayo0903) May 22, 2020

『テラスハウス』だけでなく、リアリティ番組は近年の映像コンテンツの中でも目覚ましい展開を行っている。出演者の多くが番組終了後もタレントやインフルエンサー、アーティストとして人気を獲得することもあり、若手芸能人の登竜門として機能する側面も期待されていた。

『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』の制作は中止となったが、長寿シリーズというだけあってファンからは今後のさらなる決定が待たれているほか、木村花さんの『テラスハウス』でのキャラクターが虚構かどうかを、木村さんの名誉のために公式発表することを求める声も上がっている。