遂に開催されたときのそらワンマンライブ
「Dream!」開場後の18時過ぎには、電脳少女シロさんやミライアカリさん、富士葵さんなど過去のライブイベントで共演したVTuber達からのお祝いメッセージ動画が公開された。
「Dream!」のレポートに入る前に、今改めてときのそらさんについて簡単に振り返っておこう。彼女は2017年にデビューしたホロライブ所属のVTuber。横浜アリーナでのライブを夢見ており、持ち前の高音ボイスを活かしたボカロ曲からロック調の激しめの曲まで様々な楽曲を歌いこなす。
更に、TOKYO FMのラジオ番組『そらあおと!』でラジオパーソナリティに就任したり、テレビ東京で放送された『四月一日さん家の』でドラマ女優デビューを成し遂げるなど、常に挑戦を続けてきたVTuberだ。そんな健気で頑張り屋な彼女が、満を待しての1stワンマンライブ開催ということで、大勢のそらとも(≒ときのそらファン名称)やVTuberファン達が渋谷に集結した。
開幕披露した「ヒロイック・ヒロイン」では、アイドルとしてこの日を迎えたことを再認識させるかのような振る舞いで、オーディエンスの心をいきなり鷲掴みにした。続けて「ブレンドキャラバン」では、そらともと共にこれからライブを体現していこうという気持ちが全面に押し出されたパフォーマンスを披露。2曲続けて最高のスタートを切った。
この日は、ライブで初公開となった新衣装を身に纏い、怒涛の「可愛い」コールが響き渡っていた。それに対し彼女は、会場を埋め尽くす青いペンライトに感動しながら、うちわやタオル、Tシャツなど、グッズを身に纏ったそらともにリアクションするなど、この日のライブは、「ちゃんと見えてるよ!」そう何度も確認する場面が多かった。これはライブ後半で「みんなの顔が見たくて左右に動いちゃう!」と語っていた場面に通ずるのだが、この日のライブをしっかりと目に焼き付けながらライブを行おうとしているのがひしひしと伝わった。
元々40mPさんやシグナルPさんが好きだったという彼女は、「こんなすごい方達にアルバム楽曲を作ってもらえるんだ!」とアルバム制作の段階で喜んだそうだ。今発表された楽曲の中でも特に思い出深く当時の色んなことを思い出してしまうと語っていた。
この言葉通り、ライブは今後も続いていったとしても、今日この日のライブは1回きりであって、今この瞬間の感動や目に見える光景を大事にして欲しいという思いが彼女の言葉1つ1つから感じ取れた。
VTuberとしてファンがたくさんついても、楽曲が増えても、1つ1つのライブはどれも全て大事なものであって、まだVTuberも少なかった2017年から活動開始してきた彼女だからこそ「この瞬間を大事にしたい」という気持ちが強いんだと感じた。
「TUBEOUT!」に出演した2018年の12月はアルバム制作やドラマ出演に加え、年末のライブなど多忙な時期で、周りから心配の声が上がっていたが、ときのそら自身も「いっぱいいっぱいだった。」と当時を振り返った。「でも、そんな時期があったからこそ今がある!」と前向きな言葉と共に、「そんな時期の私をそっと支えてくれた曲。」と、「メトロナイト」「そんな雨の日には」を続けて披露。会場を常に盛り上げた序盤とは打って変わって、落ち着いた雰囲気漂うスタートとなった。
アルバム楽曲で新たな世界観を1番印象付けたロックナンバー、そしてロックな2曲目の「アスノヨゾラ哨戒班」は誰も予想できなかっただろう。2018年11月に投稿された「アスノヨゾラ哨戒班」のカバーでは、高音を得意とする彼女の魅力が詰まったカバー曲だ。2部では「海より深い空の下」からの少し落ち着いた雰囲気からロックナンバーへの切り替えで、アーティストとしてのときのそらさんの様々な表情を見ることができた。
そして「私の大好きなみんなに私からエールを送りたいと思ってて」とこの日初出しの新曲「フレーフレーLOVE」を初披露。初出しの曲にも関わらずサビの「フレーフレーフレーフレー」の部分を2番ですでに全員が合唱している姿はさすがだった。
「フレーフレーLOVE」の作詞作曲を手がけた多田慎也さんつながりで「コトバカゼ」を披露。哀愁漂うポップチューンのこの曲は、体を大きく揺らしながら愛くるしいステップが印象的。「コトバカゼ」が終わると新曲「フレーフレーLOVE」の配信開始の発表が行われた。
前日寝れなかったと昼公演で語っており、しかも初のワンマンライブ、精神的にも肉体的にもきついはずだ。それでも彼女が最高のポテンシャルでライブを続けられるのは、「感謝の気持ち」を再確認することで奮い立たせているからだろう。
「辛い時も悲しい時もここまで頑張って来れました。その気持ちを全部ぶつけてみんなに向けて最後は、好きっていうね、好きっていう気持ちをね、全力でぶつけたいと思います!」泣きながらも必死に思いを伝えようとする彼女の姿に激励の言葉が会場から飛び交っていた。
そしてアンコール前最後の曲「好き、泣いちゃいそうだ」が披露された。純粋でストレートな「好き」という気持ちが会場を包む。特に最後のサビ部分は圧巻だった。気持ちが満タンだからこそ伝えられる最大限の「好き」が最後のフレーズ「好き、泣いちゃいそうだ」に込められていた。
その流れでアンコール1曲目はホロライブの成長を象徴した箱曲「Shiny Smily Story」をソロで披露。ここで裏話として「音を覚えるのは得意だけど、歌詞を覚えるのが苦手なんです!」と、ここまで17曲をしっかり歌い上げた様子を見ると、この日のために彼女がどれだけ努力してきたのかが明白にわかった。そして、そらとものために書いてきたという手紙を読み上げる。
一言一句本当に素晴らしい言葉が用意されていたのだが、特に印象深かったのが「とっても幸せな2年間でした。みんなはどうでした?私はみんなのことを楽しませられていましたか?」という部分。自分自身が楽しむことが大事だとよく言うが、ときのそらさん自身エンターテイナーとして楽しませられているのか?という点はどんな環境であっても永遠のテーマなんだろう。
その不安をぶつける場面は感慨深いものがあった。ここまでたくさんのファンがいて、自身のライブを埋め尽くすぐらいのファンが目の前にいてもその不安が消えることはないんだな、と。「そらちゃんに会えてよかった!」という声援に、泣き崩れる彼女の姿も印象深かった。
約2時間のライブ、最後の最後でその日を大幅に更新する熱量を感じ取ることができた。ワンマンライブを後押しする昼公演「ホロライブ オン ステージ-でいどり〜む-」の始まりとそのワンマンライブの終わりが「Dream☆Story」という締めくくりにとにかく心を打たれてしまった。
それでも最初で最後のワンマンライブ、この熱量を超えれるかどうかはときのそら本人のこれからの頑張り次第でもあるが、今は常に最高を更新していく未来しか見えない。それはそらともの、彼女を応援する気持ちの強さも同時に伝わったライブだからこそはっきり言えることである。筆者自身そんな最高の1stワンマンライブ「Dream!」の目撃者となれたことが今は幸せだ。
<セットリスト>
1.ヒロイック・ヒロイン
2.ブレンドキャラバン
3.未練レコード
4.Wandering Days
5.太陽系デスコ(cover)
6.ほしのふるにわ(VTR)
7.海より深い空の下
8.メトロナイト
9.そんな雨の日には
10.IMAGE Source
11.アスノヨゾラ哨戒班(cover)
12.おかえり
13.オツキミリサイタル(cover)
14.冴えない自分にラブソングを
15.ファンサ(cover)
16.フレーフレーLOVE
17.コトバカゼ
18.好き、泣いちゃいそうだ
EN1.Shiny Smile Story
EN2.夢色アスタリスク(Dreaming! ver.)
EN3.Dream☆Story ときのそら 1stワンマンライブ「Dream!!」
ときのそら『フレーフレーLOVE』(c)2019 cover corp.
また、2020年の春の発売がアナウンスされた1stミニアルバムの詳細は後日発表されるという。続報を待とう。
Vシンガーたちのライブを目撃しよう
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