外では洋楽、内ではアニソン・J-POPという2つの顔
吉田 50セントから『ハチミツとクローバー』へはどう繋がるんですか?DJ和 洋楽と一緒にアニソンも買っていました。当時は音楽だったら何でも聞いていた感じはあって、自分の”人に見せたいスタイル”はHIPHOPとかDJとして、家に帰ればテレビでMステを見て、いろんな音楽を聞いて、みたいな状況でした。
吉田 DJは人前でずっとやってたんですか?
DJ和 高校生の時は、ターンテーブルを買ってずっと家で黙々と練習していて、恥ずかしいので家族にもできる限り見せないようにしていました。
ただ、家にドーンと置いてあったので親から「買ってどうすんのよ」「早く外でやらないの?」ってずっと言われていたんです。その後大学に入り、当時は大学生になったらクラブに入れたんですよ。今は20歳からですが、当時は学生証があれば19歳から入れたんですね。そうして大学1年生の時に初めてクラブでDJをやったんです。
吉田 どこでやったんですか?
DJ和 渋谷のeggmanというライブハウスなんですが、そこでガチガチに手が震えながらやって、それから2、3年くらいはアナログのレコードを持っていってHIP-HOPとかR&BのDJをやっていたんですよね。
当時は日本語の曲すらかからない状況だった
吉田 その頃のeggmanでアニソンをかけるのは相当ハードルが高いでしょ?DJ和 無理でしたね。週末とかは日本語の曲すらかからない。1曲でもかかったら「ワッ!」っとみんなが良くも悪くも反応してしまう感じで、時には「サー」っと人がいなくなる時もあって、洋楽がかかっているのが当たり前という雰囲気がありました。
アニソンのアの字もなかったんじゃないですか。ただ、そういったところでアニソンをかけられたら良いなという思いはずっとありました。
吉田 そういう状況で現場でアニソンをかけるとなった時ってかなり緊張しません?
DJ和 なので初期の方は、かけ逃げできる最後の1曲だけ「次のDJに任せまーす!」って言いながらアニソンをかけることが多かったです。
吉田 初めてかけたのは何の曲か覚えてますか?
DJ和 最初は流れで行ったので、R&BとかJ-POPとかで、宇多田ヒカルさんやMISIAさんをかけて、ちょっとずつ「日本語をかけるDJ」として認知されていこうとしました。
そうしているうちに日本の楽曲をかける楽しさを知ってしまったので、それからはJ-POPとアニソンしかかけないと決めて今に至ります。時々洋楽を流してほしいと言われることがあるんですが、一切断ってます。
吉田 そういうポリシーをお持ちなんですね。
和さんの楽曲の構成はグッときた
吉田 今回の『ノイタミナ10TH ANNIVERSARY BEST MIXED BY DJ和』については、半ば自分から企画を出したんですか?DJ和 MIX CDをつくるというお話をいただいたというのはあるのですが、以前から出してみたいなとも思っていました。
だからノイタミナ10周年という記念すべき年に、是非しゃしゃり出たい気持ちがありつつ、良いタイミングでお話をいただいたので、「是非!」という感じでつくりました。
吉田 実際にCDを聞いてみた感想として、僕はもの凄くアートな部分を感じました。どういうことかというと、同じ曲でも、イベントでかける時やラジオでかける時に、前後をどう聞かせるかで全然印象が違ってくると思うんです。
状況やテーマを考えながら、どのタイミングでどの曲をどの秒数でつなぐのか、DJにとってはそれも表現の1つですよね。
和さんの『ノイタミナ10TH ANNIVERSARY BEST MIXED BY DJ和』は“ノイタミナの歴史”というテーマがきちんと考えられていて、構成も素晴らしかった。グッと来る瞬間が何度もありました。
次は対談編!
ここまでは、7月3日に放送された「ノイタミナラジオ」の総集編という形で、主に和さん自身に迫った内容をお届けした。ここからは、アニソンやJ-POPだけでなく洋楽を用いたDJとしてのバックボーンを持ったDJ和さんと、アニオタでありゲームオタであり、音楽オタである吉田尚記さんに、ノイタミナの魅力や『ノイタミナ10TH ANNIVERSARY BEST MIXED BY DJ和』への思いについて語ってもらった。
【次のページ】次は対談編! スタイリッシュであり、唯一無二であるノイタミナとその音楽
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DJ和
DJ
そこにいる全ての人の心と体を揺らす、抜群のスキルと斬新な選曲。
「J-アニソン神曲祭り」「J-ポッパー伝説」シリーズ等々、今までにリリースしたMIX CD13枚の累計が80万枚を突破。
ANIMAX MUSIX、@JAMなど国内をはじめ、イタリア、インドネシア、台湾でのアニメフェスなど国内外の様々なフェス・イベントでDJを担当している。
DJ和 Twitter(@djkazu1025)
吉田尚記
ニッポン放送アナウンサー
1975年12月12日東京・銀座生まれ。
AM1242ニッポン放送『ミュ〜コミ+プラス』((月)~(木)24:00-24:53)で第49回ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞受賞。「マンガ大賞」発起人。
「練馬産業大学落語研究会」というヲタク落語サークルで、コミックマーケットに17回連続で出展中。
マンガ、アニメ、アイドル、落語など多彩なジャンルに精通しており、年間数十本のアニメイベントの司会を担当中。
ラジオ、イベントを通して、年間数百人の声優・アニメクリエイターにインタビューしたり、
アニメソングのDJイベントを自ら企画・主催も務める。
また、デジタル関係にも強く、デジタル系の連載を持っているほか、IT企業、株式会社トーンコネクト代表取締役CMO。
よっぴー Twitter(@yoshidahisanori)
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