講談社主催のオーディションプロジェクトである「ミスiD」。これまでにも玉城ティナ、水野しず、武田杏香といった多彩な顔ぶれを輩出してきたが、その2018年度の選考が進んでいる(外部リンク)。
去る7月21日には、約4000人を超えるエントリーを突破した134名のセミファイナリストが発表された。Webサイトに一挙掲載された顔ぶれを見ていく中で、なぜか、僕の心にひっかかる女の子がいた。
名前を、月野雪という。
時刻はすでに24時を過ぎている。参加を決めた彼女は「たまたま顔の調子が良い日だった」から自撮りしていた写真を添付し、全身写真はプリクラを用意した。
回答に悩む設問は飛ばし、自己PRのポイントであろう「特技」さえ空白のままエントリーシートを提出。それでも、彼女はセミファイナリストに選ばれた。 セミファイナリストをあらかた眺めた僕は、どの候補者よりも彼女の写真をもっと見たくなり、いちばんに撮ってもらいたいと願った写真家に連絡をとった。「少女写真家」として、女性モデルの撮影を中心に活躍する飯田エリカさんだ。
ミスiDの選考会場で彼女を目にしていた飯田さんは快諾してくれた。「今撮りたいという輝きが確かにある」とは飯田さんの言葉だ。
「人生で初めての撮影」という彼女の、まだ切ないほどに原石のままの、それでもこんなに目が離せない写真たちをお届けできることを、僕はいち編集者として嬉しく思う。
月野雪さんの写真をぜんぶ見る(全40枚) モデル:月野雪(@iyashi_hoshii) 撮影:飯田エリカ(@d3star) 文・編集:長谷川賢人
月野雪さん 普通に17歳の高校3年生してます。バイト行って、学校行って。部活は1年生だけダンスをやっていました。
──バイトしてるんですね。
月野雪さん はい、飲食店で。着物を着るんです。
──ミスiDのPR動画で、月野さんは「自分をよく見せよう」っていうより、素直に話してる印象でした。
月野雪さん 自分をよく見せようとしても、いまの自分では限度があると思ったから、言いたいことを言ってみようって気持ちがありました。
取って付けたアクセサリーみたいな「個性」も好きじゃないし、とりあえず何か印象に……っていう行動はやりたくなかったんです。それをするなら、もっと自分を可愛くして、それに釣り合う自分になってからのほうがいいんじゃないかなって。
──自己PRに書いてあった「可愛い女の子が大好きで大嫌い」って、どんな気持ちなんでしょう。
月野雪さん 「めっちゃ可愛い!」と思うのと、「こんな顔に生まれたかった」って嫉妬で、ぐちゃぐちゃになるんです。やっぱり嫉妬を含めての「大好き」だし、そういう気持ちを持たせてくれる子に近づきたい自分もいて……。
──可愛くて大好きな友達がいて、それで「現実を知った」とも言ってました。
月野雪さん 身近に尊敬できる子がいたから余計にそう思ったのかもしれません。可愛い子を見て、もっと私も可愛くなれないのかなって。
それで、ネットやYouTubeのメイク動画でお化粧も勉強するようになりました。頑張って、その子に届いたかな?って期待して会うと、「やっぱり敵わない」ってふとした時に感じてしまうんですけど……。
可愛くなろうと努力しても、自分ひとりでは限界があるから、オーディションとかを受けて刺激をもらおうと思ったんです。
──月野さんなりの「可愛い」への挑戦ですね。これからどうなりたいですか?
月野雪さん 「有名になりたい」というのも違うんですよね。ふと、すごい絶望した夜があったんですよ。このまま専門学校とか行って、就職して、結婚するかはわからないけど家庭をつくって、年老いていくのを「めっちゃつまらないな」って。
人間観察が好きでよく考えてしまうんですけど、なんとなく「こんな人生を送ったんだろうな」と、すぐに想像できてしまうような人にはなりたくないです。
──ミスiDが、ひとつの機会になるかもしれません。
月野雪さん なんでセミファイナリストに選ばれたか、自分では本当にわからないですよ。嬉しかった気持ちもあるけど、「余りもの枠?浮かれるな!」って思ってます(笑)。
でも、ミスiDだから合格したのかなって。ふつうのオーディションは歌やダンスが必須だったりするし、自分にはまだ何もないですから。
月野雪さんの写真をぜんぶ見る(全40枚)
去る7月21日には、約4000人を超えるエントリーを突破した134名のセミファイナリストが発表された。Webサイトに一挙掲載された顔ぶれを見ていく中で、なぜか、僕の心にひっかかる女の子がいた。
名前を、月野雪という。
彼女をたとえるなら、“すべりこみのシンデレラ”だ。
選考委員の菅野結以さんが、エントリー〆切間際に「ちょっとくらいすぎても見るので駆け込みカモン」とツイート(外部リンク)したのを彼女は目にした。時刻はすでに24時を過ぎている。参加を決めた彼女は「たまたま顔の調子が良い日だった」から自撮りしていた写真を添付し、全身写真はプリクラを用意した。
回答に悩む設問は飛ばし、自己PRのポイントであろう「特技」さえ空白のままエントリーシートを提出。それでも、彼女はセミファイナリストに選ばれた。 セミファイナリストをあらかた眺めた僕は、どの候補者よりも彼女の写真をもっと見たくなり、いちばんに撮ってもらいたいと願った写真家に連絡をとった。「少女写真家」として、女性モデルの撮影を中心に活躍する飯田エリカさんだ。
ミスiDの選考会場で彼女を目にしていた飯田さんは快諾してくれた。「今撮りたいという輝きが確かにある」とは飯田さんの言葉だ。
「人生で初めての撮影」という彼女の、まだ切ないほどに原石のままの、それでもこんなに目が離せない写真たちをお届けできることを、僕はいち編集者として嬉しく思う。
月野雪さんの写真をぜんぶ見る(全40枚) モデル:月野雪(@iyashi_hoshii) 撮影:飯田エリカ(@d3star) 文・編集:長谷川賢人
月野雪さん、17歳。ある夏の、雨の一日。
──ふだんは何をしてる?月野雪さん 普通に17歳の高校3年生してます。バイト行って、学校行って。部活は1年生だけダンスをやっていました。
──バイトしてるんですね。
月野雪さん はい、飲食店で。着物を着るんです。
──ミスiDのPR動画で、月野さんは「自分をよく見せよう」っていうより、素直に話してる印象でした。
月野雪さん 自分をよく見せようとしても、いまの自分では限度があると思ったから、言いたいことを言ってみようって気持ちがありました。
取って付けたアクセサリーみたいな「個性」も好きじゃないし、とりあえず何か印象に……っていう行動はやりたくなかったんです。それをするなら、もっと自分を可愛くして、それに釣り合う自分になってからのほうがいいんじゃないかなって。
──自己PRに書いてあった「可愛い女の子が大好きで大嫌い」って、どんな気持ちなんでしょう。
月野雪さん 「めっちゃ可愛い!」と思うのと、「こんな顔に生まれたかった」って嫉妬で、ぐちゃぐちゃになるんです。やっぱり嫉妬を含めての「大好き」だし、そういう気持ちを持たせてくれる子に近づきたい自分もいて……。
──可愛くて大好きな友達がいて、それで「現実を知った」とも言ってました。
月野雪さん 身近に尊敬できる子がいたから余計にそう思ったのかもしれません。可愛い子を見て、もっと私も可愛くなれないのかなって。
それで、ネットやYouTubeのメイク動画でお化粧も勉強するようになりました。頑張って、その子に届いたかな?って期待して会うと、「やっぱり敵わない」ってふとした時に感じてしまうんですけど……。
可愛くなろうと努力しても、自分ひとりでは限界があるから、オーディションとかを受けて刺激をもらおうと思ったんです。
──月野さんなりの「可愛い」への挑戦ですね。これからどうなりたいですか?
月野雪さん 「有名になりたい」というのも違うんですよね。ふと、すごい絶望した夜があったんですよ。このまま専門学校とか行って、就職して、結婚するかはわからないけど家庭をつくって、年老いていくのを「めっちゃつまらないな」って。
人間観察が好きでよく考えてしまうんですけど、なんとなく「こんな人生を送ったんだろうな」と、すぐに想像できてしまうような人にはなりたくないです。
──ミスiDが、ひとつの機会になるかもしれません。
月野雪さん なんでセミファイナリストに選ばれたか、自分では本当にわからないですよ。嬉しかった気持ちもあるけど、「余りもの枠?浮かれるな!」って思ってます(笑)。
でも、ミスiDだから合格したのかなって。ふつうのオーディションは歌やダンスが必須だったりするし、自分にはまだ何もないですから。
月野雪さんの写真をぜんぶ見る(全40枚)
KAI-YOUがお届けする、新世代の女の子たち
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