2016年、TV番組「フリースタイルダンジョン」をきっかけに、空前絶後のブームを巻き起こしたヒップホップ。
20年ぶりに復活した伝説の「さんピンCAMP」や、東京都選挙管理委員会が主催した異例のイベント「TOHYO CYPHER」も記憶に新しいです。 また、『SWITCH』『ユリイカ』『サイゾー』をはじめ、多くのカルチャー誌でもヒップホップ特集が組まれるなど、その熱狂はヒップホップ好きのヘッズのみにとどまらず老若男女を飲み込んでおり、また、一向にその熱が冷める気配もありません。
特に注目を浴びていたのは、「フリースタイルダンジョン」で行なわれているような即興のMCバトルでしたが、その一方ではもちろん、ラッパーのスキルが光る名曲の数々が今年もドロップされていました。
そこで、今回は2016年を彩った日本語ラップの名曲30選を一挙に紹介。
即興では表現しきれない歌詞(=リリック)として磨き上げられた名曲から、知る人ぞ知る隠れたマスターピースまで、聴き逃し厳禁のアンセムを一挙にご紹介します!
文:ふじきりょうすけ
ラッパー・R-指定さんと、ターンテーブリスト・DJ 松永さんによる名実ともに日本随一の実力を兼ね備えたユニットでありながら、2人の根暗/童貞的な鬱屈としたマインドから生み出される楽曲が、ヒップホップヘッズの枠を飛び越えて大きな反響を呼びました。
「合法的トビ方ノススメ」はもちろん、スタイルの七変化が楽しめる「みんなちがって、みんないい。」や、地元・大阪の思い出をラップした「中学12年生」なども強く印象に残っています。
2017年初頭には『たりないふたり』以来となる新作のリリースも控えているとのこと。そちらも注目です。
これは、2004年に死去した伝説的ラッパー・TOKONA-Xさんを擁するILLMARIACHIの楽曲「Young Gunz」のギターループに、「Nagoya Queens」のパンチライン「ビートモクソモネェカラキキナ」をタイトルに据えた楽曲。
客演には、78年生まれでTOKONA-Xさんと同世代のラッパーである般若さん、漢 a.k.a. GAMIさん。さらに、R-指定さんも加えた「フリースタイルダンジョン」のモンスターたちが参加しました。
三者三様の生き様、スキル。そしてTOKONA-Xさんへのリスペクトがぶつかり合ったドープな1曲です。
KEN THE 390さんと晋平太さんのベテラン2人が、MC☆ニガリ a.k.a 赤い稲妻さん、KOPERUさん、CHICO CARLITOさんという若手のMCを挟む形で行われる生粋のマイクリレーチューンです。
DJ WATARAIさんによるギターリフがループするトラックも心地よく響きます。
「Die Young」では、自身の印象を決定づけたトラップというジャンルを、メタルやグランジ、デスコアといった重いバンドサウンドで再構築。ヒップホップの新たなサウンドとしてヘッズたちに大きな衝撃を与えました。
歌手の宇多田ヒカルさんやアメリカのR&Bシンガーであるフランク・オーシャンさんともコラボ楽曲を発表するなど、日本だけでなく世界においても大きく飛躍したラッパーだといえるでしょう。
あまりにもイケメンで華のありすぎる2人のビジュアルに目が行きがちですが、「ノーブランドの無地Tを着てる俺が/全身ハイブランドでキメた/君に勝るのはなんでかな/足りない頭で考えな」という歌い出しが象徴するように、聞けば聞くほど皮肉に満ちたリリックを噛みしめることのできる秀逸なコラボアルバムです。
なお、このPVはACEさん率いる渋谷サイファーに潜入して撮影され、Twitterトレンドに入るなど大きな話題を呼んでいました。
SALUさん、tofubeatsさんが互いにもつ爽やかさな側面を引き立てあうラップ/トラックと、それをそのまま可視化したかのように鮮やかなMVにも注目です。
「はやいはやいはやい」というシンプルながら強烈なフックとリフレインする高速のビート。そして2分強という短さで、ついついリピートしてしまう1曲です。KAI-YOUのLINE@で2016年のアンセムを募集した際にも「はやい」を推す声が上がっていました。
映像の中では、Jinmenusagiさんの個性的すぎるファッションセンスや、なぜかパンツから取り出される初代・PlayStationなど見所も満載。
なお、12月14日(水)には、この楽曲を収録した新作『はやいEP』と、ベストアルバムの位置付けとなる『2K11-2K15 JINMENUSAGI ANTHOLOGY』を同時リリースします。
Taquwamiさんが手がけたディープなトラックに、環ROYさん、OBKRさんの浮遊感のあるメロディが光ります。
また、映像作家・古屋蔵人さんによるドローンを使用した一発どりのMVも話題となりました。
トラックは、ASA-CHANG&巡礼などでも知られるU-zhaanさんによるタブラとカンジーラのみで構成されており、夏のうだるような暑さに染み渡る楽曲として生まれ変わりました。
MVには、スチャダラパーの3人も出演していて、6人でのカラオケシーンが和みます。
そんな新生OZROSAURUSが放った「OG」は、オルタナ/ハードコア的なバンドサウンドに高速のラップを叩き込む圧巻のスキルが堪能できます。
「変化問わず進化遂げるプレイヤー」というリリックをはじめ、大御所ラッパーの自信に満ち溢れたラップがグッときます。
20年ぶりに復活した伝説の「さんピンCAMP」や、東京都選挙管理委員会が主催した異例のイベント「TOHYO CYPHER」も記憶に新しいです。 また、『SWITCH』『ユリイカ』『サイゾー』をはじめ、多くのカルチャー誌でもヒップホップ特集が組まれるなど、その熱狂はヒップホップ好きのヘッズのみにとどまらず老若男女を飲み込んでおり、また、一向にその熱が冷める気配もありません。
特に注目を浴びていたのは、「フリースタイルダンジョン」で行なわれているような即興のMCバトルでしたが、その一方ではもちろん、ラッパーのスキルが光る名曲の数々が今年もドロップされていました。
そこで、今回は2016年を彩った日本語ラップの名曲30選を一挙に紹介。
即興では表現しきれない歌詞(=リリック)として磨き上げられた名曲から、知る人ぞ知る隠れたマスターピースまで、聴き逃し厳禁のアンセムを一挙にご紹介します!
文:ふじきりょうすけ
耳を貸すべきヒップホップアンセム30選!
1:Creepy Nuts(R-指定&DJ松永)「合法的トビ方ノススメ」
2016年の日本語ラップは、Creepy Nutsが1月にリリースした1stミニアルバム『たりないふたり』から語らなければならないでしょう。ラッパー・R-指定さんと、ターンテーブリスト・DJ 松永さんによる名実ともに日本随一の実力を兼ね備えたユニットでありながら、2人の根暗/童貞的な鬱屈としたマインドから生み出される楽曲が、ヒップホップヘッズの枠を飛び越えて大きな反響を呼びました。
「合法的トビ方ノススメ」はもちろん、スタイルの七変化が楽しめる「みんなちがって、みんないい。」や、地元・大阪の思い出をラップした「中学12年生」なども強く印象に残っています。
2017年初頭には『たりないふたり』以来となる新作のリリースも控えているとのこと。そちらも注目です。
2:DJ RYOW「ビートモクソモネェカラキキナ 2016 REMIX feat.般若, 漢 a.k.a. GAMI & R-指定」
DJ RYOWさんの「ビートモクソモネェカラキキナ」は、コアなヒップホップ好き、ヘッズの間で最も強く印象に残っている楽曲といっても過言ではありません。これは、2004年に死去した伝説的ラッパー・TOKONA-Xさんを擁するILLMARIACHIの楽曲「Young Gunz」のギターループに、「Nagoya Queens」のパンチライン「ビートモクソモネェカラキキナ」をタイトルに据えた楽曲。
客演には、78年生まれでTOKONA-Xさんと同世代のラッパーである般若さん、漢 a.k.a. GAMIさん。さらに、R-指定さんも加えた「フリースタイルダンジョン」のモンスターたちが参加しました。
三者三様の生き様、スキル。そしてTOKONA-Xさんへのリスペクトがぶつかり合ったドープな1曲です。
3:KEN THE 390「真っ向勝負 feat. MC☆ニガリ a.k.a 赤い稲妻,KOPERU,CHICO CARLITO,晋平太」
活動10周年を迎えたKEN THE 390さんのアニバーサリーイヤー1発目としてリリースしたのが「真っ向勝負」。KEN THE 390さんと晋平太さんのベテラン2人が、MC☆ニガリ a.k.a 赤い稲妻さん、KOPERUさん、CHICO CARLITOさんという若手のMCを挟む形で行われる生粋のマイクリレーチューンです。
DJ WATARAIさんによるギターリフがループするトラックも心地よく響きます。
4:KOHH「Die Young」
シンプルな言葉ゆえに放つリリックの力強さで、圧倒的な存在感見せつけるKOHHさん。「Die Young」では、自身の印象を決定づけたトラップというジャンルを、メタルやグランジ、デスコアといった重いバンドサウンドで再構築。ヒップホップの新たなサウンドとしてヘッズたちに大きな衝撃を与えました。
歌手の宇多田ヒカルさんやアメリカのR&Bシンガーであるフランク・オーシャンさんともコラボ楽曲を発表するなど、日本だけでなく世界においても大きく飛躍したラッパーだといえるでしょう。
5:SKY-HI × SALU「Sleep Walking」
「Sleep Walking」は、AAAの日高光啓ことSKY-HIさんと、類まれなるフロウで日本語ラップの新鋭と評されたSALUさんが突如発表したコラボアルバム『Say Hello to My Minions』の1曲。あまりにもイケメンで華のありすぎる2人のビジュアルに目が行きがちですが、「ノーブランドの無地Tを着てる俺が/全身ハイブランドでキメた/君に勝るのはなんでかな/足りない頭で考えな」という歌い出しが象徴するように、聞けば聞くほど皮肉に満ちたリリックを噛みしめることのできる秀逸なコラボアルバムです。
なお、このPVはACEさん率いる渋谷サイファーに潜入して撮影され、Twitterトレンドに入るなど大きな話題を呼んでいました。
6:SALU「Tomorrowland」
そんなSALUさんが、かねてから共演を熱望していたというtofubeatsさんとコラボを果たした「Tomorrowland」も聞き逃せません。SALUさん、tofubeatsさんが互いにもつ爽やかさな側面を引き立てあうラップ/トラックと、それをそのまま可視化したかのように鮮やかなMVにも注目です。
7:Jinmenusagi x DubbyMaple「はやい」
自主レーベル・インディペンデント業放つを共宰するJinmenusagiさんとDubbyMapleさんが、9月に突如YouTube上にドロップした「はやい」。「はやいはやいはやい」というシンプルながら強烈なフックとリフレインする高速のビート。そして2分強という短さで、ついついリピートしてしまう1曲です。KAI-YOUのLINE@で2016年のアンセムを募集した際にも「はやい」を推す声が上がっていました。
映像の中では、Jinmenusagiさんの個性的すぎるファッションセンスや、なぜかパンツから取り出される初代・PlayStationなど見所も満載。
なお、12月14日(水)には、この楽曲を収録した新作『はやいEP』と、ベストアルバムの位置付けとなる『2K11-2K15 JINMENUSAGI ANTHOLOGY』を同時リリースします。
8:環ROY×Taquwami×OBKR「ゆめのあと」
ファッションブランド・Gapによる音楽プロジェクト「1969 RECORDS」のために書き下ろされた楽曲「ゆめのあと」。Taquwamiさんが手がけたディープなトラックに、環ROYさん、OBKRさんの浮遊感のあるメロディが光ります。
また、映像作家・古屋蔵人さんによるドローンを使用した一発どりのMVも話題となりました。
9:鎮座DOPENESS×環ROY×U-zhaan「サマージャム'95」
続けて、環ROYさんも参加したスチャダラパーのカバー「サマージャム'95」。Boseさんのパートを環ROYさんが、ANIさんのパートを鎮座DOPENESSさんが担当しています。トラックは、ASA-CHANG&巡礼などでも知られるU-zhaanさんによるタブラとカンジーラのみで構成されており、夏のうだるような暑さに染み渡る楽曲として生まれ変わりました。
MVには、スチャダラパーの3人も出演していて、6人でのカラオケシーンが和みます。
10:OZROSAURUS「OG」
MCのMACCHOさん率いるOZROSAURUS。結成は1996年ですが、2015年以降は6人組のバンド編成となり、サウンド面で大きな変貌を遂げました。そんな新生OZROSAURUSが放った「OG」は、オルタナ/ハードコア的なバンドサウンドに高速のラップを叩き込む圧巻のスキルが堪能できます。
「変化問わず進化遂げるプレイヤー」というリリックをはじめ、大御所ラッパーの自信に満ち溢れたラップがグッときます。
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日夜生み出される現象や事象を“ポップなまとめ記事”として紹介する人気連載。 いま注目を集めるジャンル、気になったときにチェックしたいトレンド──。 KAI-YOUでは「POP」を軸に、さまざまな対象をまとめて紹介していきます。
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