インターネットの右も左もわからぬまま、編集者の仕事をはじめて2年。今年の夏こそは仕事を忘れて、どこか花や海が綺麗な場所へ出かけようと考えていたけど、結局仕事の忙しさにかまけて、賑やかな夏は終わっていった。
彼女もいないし、出会いもない。家に帰れば、撮りためていたTVドラマやバラエティ番組の消化、溜まっている原稿のチェックなど、インドアな暮らしを送っている。まったくもって、つまらない社会人2年目の24歳だ。
そういう1人寂しく家にこもっている時、ふとしたタイミングにSNSでちらつくのが、男女の出会いを促進する、いわゆるマッチングサービスと呼ばれる存在だ。まるで理想の彼女を体現したかのような女の子が出てくる広告を目にすると、こんな僕でも、「出会いがほしい」という思いに駆られてくる……。
マッチングサービスで出会えるなんて、所詮は空想
少なくとも、僕はそう思っていた。
しかし、今日はこんな僕のつまらない人生に、ちょっとした彩りとときめきを与えくれたマッチングアプリの話をしていこう。
これは、「CROSS ME(クロスミー)」というマッチングアプリで実際に女性と出会い、デートしたお話。
すれちがいが恋のきっかけに?
「CROSS ME」は、「すれちがい」を出会いのきっかけにするマッチングアプリ。「CROSS ME」をダウンロードしている男女が「いつ、どこで」すれちがったのか、さらにすれちがった回数までも教えてくれる。
すれちがった好みの異性には、「いいね」のサインを送り、相手が「ありがとう」のサインを返してくれたら、そこでマッチング成立。まさに「すれちがいを恋のきっかけ」にしてくれる。
たとえば僕の会社がある渋谷では、ランチやスーパーへ向かうだけでも数人とすれちがえた。バックグラウンドで起動しなくてもいいので、アプリをダウンロードしているだけで、通勤のほか、打ち合わせで外出する機会の多い僕は、1日で100人近くの女性とすれちがえている日もあった。
すれちがうけど、マッチングはしない現実
使い始めて1週間後。正直に言えば、一向に「ありがとう」が返ってこないし、女性から「いいね」もこない。つまりマッチングしなかった……。
毎日、多くの女性とすれちがうが、恋ははじまらない………。
自分の顔がよくない、スペックがよくないなどなど、根本的な問題はあるとして、何か改善できないかと女友達に相談したところ、やはり「写真がかっこよくない」ということ、そして、「プロフィールを埋めすぎていて引いてしまう」という点を指摘された。 上が初期の僕のプロフィール写真。
全然マッチングしないので、「正面を向いている写真」や「おもしろ写真」の方がマッチングするかと思っていたけど、女友達からは「こっちみんな」と言われたりと、今思えば、明らかに迷走していた……。
プロフィール写真は、「友達に撮ってもらった風の写真」「背景がおしゃれな写真」がいいなど諸説あるが、何よりも「自分が一番イケメンに見える角度から撮る」ことが重要らしい。 上は「CROSS ME」をはじめた当初の僕のプロフィール。「お前、どんだけホルモン食べたいんだよ!」と突っ込まれてしまった。とりわけ、最初のデートでホルモンはよくないらしい……。
マッチングアプリはカジュアルに使っている女性が多いらしく、適度に埋めるくらいがちょうどいいそう。あまり、まえのめり感が伝わると、ちょっと気が引けてしまうそうだ。
三茶で出会ったエステティシャン
こうしてプロフィールを改善してからも、相変わらず女性から「いいね」がくることはなかったが、こちらが「いいね」した場合には少しずつ、マッチングするようになった。マッチングアプリにおいてプロフィールは重要だと聞いていたけど、あながち嘘ではなさそうだ。ちなみに僕は使用してから大体30日程で21人とマッチングできている。
自分からいいねした数は79人なので、単純に考えると4人に1人とマッチングしていることにはなる。
マッチングしてからは、いよいよ女性とメッセージを交わすことに。マッチングして実際にメッセージを交わしたのは17人。マッチングしても、返事が返ってこない女性も中にはいた。
このうち、気が合い、実際に会ったのがCちゃんだ。彼女がたまたま買い物に来ていた三軒茶屋近くで2度、すれちがっていた。 Cちゃんは、細身で下田美咲似の22歳。エステティシャンとして働きながらアルバイトも掛け持ちしていて、3か月前に彼氏と別れたばかりだと言っていた。
Cちゃんとは、お互いラーメン好きということもあって、最初から会話が弾んだ。好きなラーメン屋を教えあい、実際に行って報告したり、好きなお酒や仕事の話をしたりと、他愛もない話を1日1〜2通くらいの頻度でやりとりしていた。 「CROSS ME」でやりとりしていた女性とは、大体が1日1通、多くて2通くらいの頻度だったので、豆な性格ではない自分にとって気が楽だった。
ただ、頻度は多くなくても、毎日やりとりを続けることが、お互いの仲を深めていく上で最も重要だということを痛感した。連絡が2、3日空いてしまうと、それだけで距離が開いてしまうので、その分、相手から返事が返ってくる確率も減ってしまうし、そのうち、やりとりが止まってしまうからだ。
こうしてCちゃんとは1週間ほど、毎日メッセージを続けた。メッセージが続いてくると、柄にもなく、好きな子からのメッセージを心待ちにしているような気持ちになってくる。
気づけば、頭の中にはタンポポの「恋をしちゃいました!(亀井絵里ver)」が流れていて、心なしか、このころの自分は普段よりも充実した気持ちで過ごしていたように思う。
そして、メッセージを交わしてから10日間ほど経ち、ドキドキしながらも、ついに意を決して食事に誘ってみた。
約束の10月1日
いつぶりだろうか? こうも真剣に女性を食事に誘うのは。メッセージでしかやりとりしていない、自分のことを直接的に知らない相手を食事に誘うことが、こんなにも緊張するものだったのだろうか。知り合いを飲みに誘うのとは、まったく違う。
まるで心臓がつかまれるような気持ちで、スマホを両手で握りしめ、ソファにうずくまりながら返信を待つ。
断られる可能性だって十分あるとは理解しながらも、毎日連絡を取り合い、少しずつ打ち解けている仲だ。ここで断られてしまったら、これから先、健気に振る舞える自信なんてない。
実はCちゃんと知り合う前の話で、マッチングしていた映画好きの19歳女子大生に、彼女が3回も見に行くほどハマっているという映画を一緒に観に行こうと軽い気持ちで誘ってみたところ、「さすがに4回目はないでしょ」と撃沈し、心が折れかけていたこともあって、なおさら清水の舞台から飛び降りる気持ちで誘っていた。 結果は、OKだった。
「Cちゃんと会える」という、うれしさに包まれる一方で、「実際に会って嫌われたらどうしよう」など、期待と不安が入り混じる晩夏を過ごし、約束の10月1日(土)を待った。 毎日メッセージを交わしていたとはいえ、実際に会うとなるとかなりの緊張感がある。
最寄りの駅で待ち合わせしている間、緊張感と高揚感で心臓が高鳴っていた。まるで、すっかり忘れていた学生時代に戻ったかのように。
「恋」とまでは言えないかもしれないが、この苦しくも切ないドキドキ感は、社会人になってからは久しく味わっていなかったので、新鮮味があった。
メッセージでどこにいるのか確認しあい、ドキドキしながら、恐る恐る駅で待っているCちゃんに声をかける。
写真で見た通りのCちゃんが僕の方を振り向くと、「あっ……」と、とてもまともに目を合わせられないくらい赤面してしまい、その恥ずかしさを隠すように、自己紹介もせぬまま、すぐさまあらかじめ決めていたカフェへと足早に向かった。
このデートで最も緊張したのはいつかと聞かれたら、間違いなく待ち合わせの瞬間だろう。 カフェでは、初めは緊張していたけれど、「なんでCROSS MEをはじめたのか?」「実際に会ってみてどうだったか?」「どんな仕事をしているのか?」などなど、徐々にメッセージと同じ程度まで打ち解けていった。
メッセージでは表情が見えないので、相手が本当はどう思っているのかわからないし、相手がどういう人なのかもわからない。
カフェへ向う途中、一体何を話せばいいのか……と頭の中がいっぱいいっぱいだったけど、こうして実際に会うと、いろんな話題が自然と口から出てくる。面と向かって話すことで、どんな女性なのか、何を思っているのか、なんとなくわかってくるような気がした。
Cちゃんは職場のお客さんに勧められて「CROSS ME」をはじめたらしい。
1日に30通ものメッセージが毎日届くようで、すぐに会おうと言ってこない人や最終的には気の合う人としかメッセージは続かないと言っていた。僕と会ってくれたのは、「なんとなくいい人そう」と思ったからだと、笑いながら教えてくれた。 「CROSS ME」を通じて男性と出会うのは僕で2回目だそうで、1人目はプロフィール写真とのギャップがあって驚いたと言っていた。
そのあとは、ブラブラと街を歩き、アパレルショップで買い物を楽しみ、最後は居酒屋でゆっくり話をした。 居酒屋では、ほどよい緊張感からか、普段のペースを忘れて日本酒を飲みすぎて吐きそうになるというまさかの事態に見舞われたが、なんとか平静を装い、駅で別れた。今回のデートで唯一の失態……。
本当に出会えるかなんて、やってみないとわからない
半信半疑ではじめた「CROSS ME」。「どうせタイアップだし、サクラでしょ?」という声は、僕が読者だったら、同じ疑問を抱いていたと思う。ただ、本当に真剣に使い、本当に出会えたと言っておきたい。
まだ食事に行ったくらいで、少しずつしか距離は近づいていないけど、社会人になってから忙しさにかまけて異性との出会いを積極的に行ってこなかった僕にとって、この「ドキドキ」する経験はとてもキラキラしていて、刺激的で、まるで青春時代の自分に戻れたようだった。
「すれちがい」からはじまり、プロフィール越しにしか見えない人とのメッセージを経て、実際に出会う。飲み会や合コンとはまた違い、メッセージでコミュニケーションを取りながら時間をかけて出会うと、その分、思い入れも大きい。 この記事を読んだ全員がいい人と出会えるのか? と聞かれたら決してそうだと断言はできないが、少なくとも真剣に使えばマッチングはするし、継続すれば、こうして出会える可能性もある。
「本当に出会えるの?」「好きか嫌いか」なんて話は、やってみないとわからないし、出会ってみないとわからない。
こうして原稿を書いているうちにも、僕は、Cちゃんと2度目のデートを約束した。
「CROSS ME」をApp Storeでダウンロードする 「CROSS ME」をGoogle Playでダウンロードする
文/吉田雄弥(@Yuyan_n) 企画/吉田雄弥・菱谷佳代子 撮影/Diora
取材協力/突撃洋服店
http://www.totsugekiyofukuten.com/
住所 渋谷区神南1丁目14番地8号南部ビル#203
TEL 03-3496-1910
宇田川カフェ スペイン坂
http://www.udagawacafe.com/spain/
住所:東京都渋谷区宇田川町13番4号 コクサイビルC館 1F/2F
TEL:03-6416-9087
※デート写真はイメージです
※スクリーンショット・デートの内容は本人に掲載許諾を得ております
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CROSS
マッチングアプリ
「CROSS ME」は「すれ違い」という、同じとき、同じ場所にいた偶然を恋のきっかけにするアプリです。「どんな人と、いつ、どのあたりで、何回すれ違ったのか」をお知らせする機能を搭載しているのが特徴で、「何回すれ違ったか」が表示される仕組みは国内初の機能です。
利用条件:18歳以上
App Store:https://itunes.apple.com/jp/app/cross-me/id1119874095
Google Play:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.playmotion.crossme&hl=ja
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