1988年に哲学博士アンドレアス・ハイネッケさんの発案によって生まれたこのイベント。日本国内でもすでに10万人以上が体験しているのだが、その人気のポイントは、視覚が封じられた空間だからこそ得られる新たな感覚だ。文字通り真っ暗闇の会場の中でグループとなり、コースを進み、橋を渡るなど日常ではなんということなく行える行動が、うまくとれなくなってしまう。そんな時に頼りになるのは、自分の聴覚や嗅覚、そして他の参加者との対話だ。実際に参加した方からは、暗闇だからこそ参加者との何気ない交流や信頼関係が心に残る、といった感想が聞かれる。そんな不思議な魅力については、脳科学者の茂木健一郎さんが著書『まっくらな中での対話』でつぶさに語っている。
毎回季節に応じた企画が好評で、この季節には「新春バージョン」として、暗闇の中で書き初めを行うとのこと。また「Party in the Dark」と称した団体での貸し切りパーティプランも用意されている。1人で果敢にチャレンジし見知らぬ人との対話を楽しむもよし、気心の知れた仲間と暗闇を楽しむもよし。今年のイベント初めに、真っ暗な中で書き初めをしてみるのも、粋な体験かもしれない。
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