インターネットで鑑賞する「オンライン展」の歩き方 未来の展覧会とは?

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Room Eight

一方で、実際にリアルに存在する展覧会なのでは? と錯覚してしまうような作品も。それが第8号室「Room Eight」にあるKim Laughtonさんの作品だ。ここまで紹介してきた一連の「Panther Modern」の作品群の中では、どの作品も「インターネットだからこそできる(リアルな空間ではできない)」という点で共通している。そういった意味では、本展の中でこの作品は問題作だといえるだろう。

Kim Laughton 2015

「Panther Modern」は、実際に展示会場があることを想定しているオンライン展であるが、オンライン展は必ずしもそういったものばかりではない。

ネット上に溢れるありとあらゆる画像や動画、文章を共有できるブログ作成サービスTumblrで簡易的に開催した事例もあり、やろうと思えば今日からでも、気軽にはじめることができるのも魅力の1つだ。

一方で、実際にリアルな会場で展覧会を開きつつ、Web上にも公開することでオンライン展を開く事例もある。

未来の展覧会はどんなかたち?

Art Project - How to use the site

オンライン展は、サイト上の文章や画像、動画などのスクリーンに映し出された表面的な情報のみでしか形成されていないがゆえに、作品の存在や捉え方、展覧会の意義は、完全に閲覧者の想像力に委ねられている。

閲覧者が「会場に"作品"が存在する」というイメージを持てば、それはそこにあることになり、逆も考えられるのだ。

また、あたかもその場にいるような感覚に陥りやすい作品もあれば、空間が破綻して、現実世界では考えられないものもある。そういった点では初見にとっては非常にとっかかりにくい。

特にこういったインターネット・アートの文化の中では「多くを説明しない」という暗黙の了解のような風潮もあり、理解するにはなかなか時間がかかりそうだ。

しかし、インターネットが人々の生活に溶け込んでいる今、オンライン展のような形態の展覧会が普及する未来も考えられる。

すでにGoogleでは、Google Art Projectという世界各国の美術館をストリートビューで閲覧できるサービスを開始しており、美術館や展覧会のインターネットへの移植は、もうすでにはじまっているのかもしれない。

現在公開されている注目のオンライン展

new scenario http://newscenario.net/
cermâ http://www.cerma.de/
SUPER ART MODERN MUSEUM http://safari.spamm.fr/
fluxo http://www.ofluxo.net/
Digital3mpire http://digital3mpire.com/
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