サンリオが10月29日、TBS系で放送中のドラマ『VIVANT』とサンリオキャラクターズのコラボレーションを中止すると発表した。
同社は、コラボレーションに関連するコンテンツに「サンリオの企業理念にそぐわない表現が含まれている」と判断。すべての取り組みと今後の展開、プロモーション活動を中止するとしている。
『VIVANT』を巡っては、劇中に登場する中国系組織の描写に対して中国メディアなどから批判が寄せられていた。
10月28日には、日本のサンリオの発表に先駆けて、サンリオの中国法人が同様のコラボ中止を発表していた。
サンリオが『VIVANT』コラボを全面中止 企業理念との不一致を説明
『VIVANT』は、堺雅人さんが主演するTBS系「日曜劇場」枠のドラマ。2023年に第1シーズンが放送され、2026年7月から第2シーズンが放送されている。
海外ロケを敢行した壮大なスケール感の中で、劇中で国内の秘密情報部隊として登場する「別班」と海外組織との戦いを描くサスペンスドラマだ。
製作著作はTBS。監督/原作/演出/プロデュース(第2シーズンのみクレジット)は福澤克雄さんが担当。
阿部寛さんや二宮和也さん、松坂桃李さんといったキャスト陣や吹き替えキャストとして出演する豪華な声優陣、緊迫感のある物語などが大きな反響を呼んでいる。
そんな『VIVANT』とサンリオキャラクターズとのコラボレーションは2026年6月に発表。7月3日から、ハローキティやマイメロディ、シナモロールなどがドラマの登場人物に扮したグッズを展開していた。
今回、サンリオは公式サイトで「VIVANT×サンリオキャラクターズ コラボレーション終了に関するお知らせ」を発表。コラボ商品について様々な意見が寄せられていたと説明し、「ご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。
その上で、コラボに関連するコンテンツに「サンリオの企業理念にそぐわない表現が含まれていると判断」し、今後の関連企画やプロモーションを含むすべての取り組みを中止すると発表した。

サンリオの発表/画像は公式サイトより
サンリオは「みんななかよく」という企業理念のもと、キャラクターを通じて「思いやり」や「つながり」を大切にしてきたと説明。今後のコラボレーション企画について、確認体制を強化する方針を示している。
なお、具体的にどの表現が企業理念にそぐわないと判断されたのかについては、今回の声明では明らかにされていない。
中国法人が前日に中止を発表 『VIVANT』の暴力描写に批判
今回の発表に先立ち、10月28日夜には、サンリオの中国法人「三麗鴎(上海)国際貿易」が中国のSNS「微博(Weibo)」などで『VIVANT』とのコラボレーション中止を発表していた(外部リンク)。
中国法人も、サンリオグループの企業理念にそぐわない表現が含まれていることを理由に、関連企画や宣伝活動の中止を表明している。
背景には、現在放送中の『VIVANT』シーズン2を巡る中国国内での批判がある。
劇中には中国系の秘密情報組織「シンシー」が登場。10月4日の放送回では、同組織が日本の諜報員を拘束し、指を切断するなどの拷問を加える場面が描かれた。
こうした描写について、中国共産党機関紙「人民日報」傘下の「環球時報」などが、中国への脅威論をあおるものだと批判。サンリオとのコラボレーションについても問題視する論評を掲載していた。
一方、TBSテレビの龍宝正峰社長は10月28日の定例記者会見で、一連の批判に言及。『VIVANT』はフィクション作品であり、国家間の対立をあおったり、特定の国家をおとしめたりする意図はないと説明した(外部リンク)。
また、暴力的な描写については、視聴者に不快感や過度の恐怖心を与える演出になっていないか、今後も検討する必要があるとの認識を示している。
ドラマの表現を巡る議論が、人気キャラクターとのコラボレーションにも波及する事態となった。
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