VTuberグループ・ホロライブ所属の儒烏風亭らでんと静岡県立美術館のコラボ企画について、周辺地域内で推計約3600万円の直接消費を生んだことが明らかとなった。
これは、2026年1月から3月に同館で開催された「中村宏展」を対象とする研究で示されたもの。来館者の約34%が、儒烏風亭らでんさんの発信をきっかけに訪れたと推計されている。
研究結果は、10月25日(日)に法政大学 市ケ谷キャンパスで開催される日本マーケティング学会「マーケティングカンファレンス2026」で発表される(外部リンク)。
儒烏風亭らでん経由の来館者、約8割が初来館 宿泊率は2.4倍
今回の研究「公共組織によるバーチャルYouTuber活用戦略 ― 静岡県立美術館『中村宏展』×儒烏風亭らでん事例の分析 ―」を手がけたのは、一橋大学経営管理研究科の青木哲也准教授と、静岡県立美術館企画総務課の柳田篤志主任。
日本マーケティング学会の公式サイトに掲載されている研究概要によると、儒烏風亭らでんさんの発信をきっかけに訪れた来館者は、県外在住者が72.8%、20〜30代が58.8%、同館への初回来館者が79.4%を占めた。

「公共組織によるバーチャルYouTuber活用戦略 ― 静岡県立美術館「中村宏展」×儒烏風亭らでん事例の分析 ―」研究概要/ 青木哲也さんのXより
また、他の経路で訪れた来館者と比較して宿泊率は2.4倍に上り、飲食や観光など、美術館周辺の地域での消費行動も活発だったという。
研究によると、会期中の来館者全体による地域内での直接消費額は約7000万円。このうち、儒烏風亭らでんさんとのコラボによって増加した来館者の消費額は、全体の約半分に相当する約3600万円と推計されている。
一方で、来館者の中心となる年代層と、地域での消費額が多かった年代層は異なっていたことも判明。
研究では、「公共組織のように,異なるステークホルダーの多様な目的が混在する組織においては,協働するVTuberの選定基準がステークホルダーごとに異なりうる」と指摘している。
儒烏風亭らでん「要約の時点ですごく嬉しい発表が」
儒烏風亭らでんさんは、ホロライブのVTuberユニット・ReGLOSSに所属するVTuber。
2023年9月10日に配信デビュー。現在のYouTubeのチャンネル登録者数は127万人。
学芸員資格を持ち、美術や伝統芸能に関する豊富な知識を活かした活動で知られる。これまでにも、箱根ガラスの森美術館やサントリー美術館など、さまざまな文化施設とコラボしてきた。
今回の研究対象となった「中村宏展 アナクロニズム(時代錯誤)のその先へ」は、静岡県浜松市出身の画家・中村宏さんの約70年にわたる制作活動を振り返る企画展。2026年1月20日から3月15日まで開催された。
儒烏風亭らでんさんは、同展をはじめとした静岡県立美術館の4つの展示・イベントで音声ガイドを担当。来館者は自身のスマートフォンを使い、無料で解説を聞くことができた。
今回の研究発表について、儒烏風亭らでんさんは「要約の時点ですごく嬉しい発表が」とXで喜びを露わにしている(外部リンク)
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