見込みはあるが発展途上 成功の鍵はVTuberの訪問にアリ?
総じて、ポテンシャルは強く感じるが、まだ全てが発展途上だと感じました。
アバターファッションの文脈で見ると、衣服やアクセサリーは期待できる一方、容姿のカスタマイズを無制限に変えることができません。衣服についても、カテゴリーはまだ少ないため、おしゃれの幅はそこまで広くありません。
サバイバルクラフトゲームとして見ると、見栄えはよいものの、荒削りな要素も多く、コンテンツ量が少ないのが欠点です。サンドボックスゲームとしても、現状では手放しにオススメはできません。
一方で、ホロライブプロダクションのタレントの存在は、「ホロアース」最大の特徴でしょう。VTuber事務所とある意味”直結”したプラットフォームは、おそらく「ホロアース」くらいなものです。
ホロアースを自身の姿で探訪したときのそらさん/画像は配信より
直近では「VRChat」活用も進んでいるホロライブですが、安全管理の面では、直営の場である「ホロアース」に大きく軍配が挙がるはず。
また、メタバースには、VTuberが“本人の姿”でファンと同じ時間・空間を共有することができるという、他にはない唯一無二の強みがあります。そういった観点から、ユニークな企画を仕掛けてくる可能性はありそうです。
運営側からユーザーへ“動機”をプッシュできる「ホロアース」
利用者目線では、タレントの訪問イベントや、シミュレーションルームやマイスペースの進捗など、「そこへ行く目的・動機」が明確なのが大きなポイントです。
「VRChat」は高い自由度を誇りますが、アクセスする目的はプラットフォーム側が提示しないため、ユーザー自身が決める必要があります。目的が見つけられず、訪問に二の足を踏んでいる方は多いはずです。
一方で、「ホロアース」は「今日はシミュレーションルームを少し進めよう」、「今日は推しのVTuberが来るから遊びに行こう」など、小さな目標がわかりやすく提示されます。その意味では、メタバースに不慣れな人も足を運びやすいと言えます。
よって、まずは催事によって「一時的にログインするアカウント」を集め、その中から「恒常的にログインするアカウント」の獲得を狙う、といった戦略が打ち出しやすい点は、他のメタバースにはない強みです。
ただし、そのためには公式でイベント企画やコンテンツ拡充を続ける必要があります。人的コストは相当なものになりそうです。
今後の発展は十分に期待が持てる/筆者撮影
「ホロアース」の初期構想は2021年に明かされ、当初はサンドボックスゲームとして打ち出されていました。そこからメタバースへと舵を切り、しかし結果的にはサンドボックスゲームも合流した……という流れの痕跡を、筆者はプレイ中に感じ取りました。
そして、現状から順当に発展していけば、メタバースの一つの正解が提示できそうな予感があります。
さて、この予感の通りに進んでいけるかどうか。VRChatの住人としては、まだ積極的に足を運ぶ場所ではないものの、発展の行く末には大いに期待したいところです。

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