かなえ先生、クラシック音楽に詳しすぎる! 潤音ノクトも驚愕
──先ほど話題に上がりましたが、ポルタメタはクラシック音楽ファンの裾野を広げることを目指すプロジェクトです。かなえ先生とくりあさんは、好きなクラシック曲や作曲家はいますか?
かなえ先生 オーソドックスですけど、一番好きなのはベートーヴェンの「第九(交響曲第9番)」ですね。
かなえ先生 僕、小学生のとき不登校で、ほとんど学校に行ってなかったんです。その期間は父の仕事の関係でシンガポールにいて、たまたま「第九」の演奏を聴く機会があったんですよ。そのエネルギッシュさにびっくりしたのが、クラシック音楽との出会いでした。
それ以来、年末のテレビや街中で流れるたびに「あ、これシンガポールで聞いたことある曲だ」と感じるようになって。交響曲は、もともと管弦楽のためのソナタ(※)なんですよね。
その中でも「第九」は第2楽章にスケルツォ(=快活でおどけた印象のある3拍子の速い曲。4楽章の場合、一般に第3楽章に配置されている)がポンと入ってくるなど遊び心がいっぱいあって、好きになりました。
※楽曲の形式。基本的には、提示部・展開部・再現部で構成されている。
潤音ノクト え、めっちゃ詳しい……(絶句)。かなり専門的な楽しみ方をされてますね!
かなえ先生 ベートーヴェンが代表する古典派は、時代的に宗教的な精神観から離れるかどうかというタイミングで──彼の死とともに古典派が終わった、という考え方もあるじゃないですか。だから、当時の集大成のような音楽だったんだろうなと思うと感慨深くて。
クラシック音楽の魅力はきっと曲の音楽性だけじゃなくて、時代背景や当時の人の人生観が込められていることだと思うんですよね。
潤音ノクト 素晴らしい! クラシック音楽の楽しみ方として100点ですね。クラシック音楽って音楽を聴くだけでももちろん楽しいんですけど、その歴史や文化的な背景を知ることでより楽しくなるんですよ。
当時の作曲家って、音楽室に飾ってあるむすっとした肖像画の印象が強いじゃないですか。けど、そんなに堅苦しい人間ばかりではなく、お茶目なところもあったり、中には逮捕歴がある人もいたりするんです。
この人とは仲良いけど、あの人とは仲が良くなくて、微妙な三角関係だったとかね。面白いエピソードもたくさん残ってるんですよ。
宇推くりあ りあは、元々家族がクラシック音楽好きで、家にあったアンパンマンがクラシック音楽を教えてくれるシリーズのCDや「題名のない音楽会」とかをよく聴いていました!
好きなクラシック曲はたくさんあるんだけど……作曲家で言えば、ライトクラシックになっちゃうんだけどルロイ・アンダーソン。「タイプライター」や「そりすべり」を書いた人で、演奏にいろんな楽器が使われているの。「タイプライター」の曲には、本当にタイプライターを打つ音が使われるんだよ。
かなえ先生 「サンドペーパーバレエ」とかもいいよね。パレット(スズキの軽自動車)のCMにも使われてたから、聞き馴染みがある人が多いかもしれない。
宇推くりあ 「サンドペーパーバレエ」も好き~! 地球に来る前に漫画『のだめカンタービレ』を読んでたから「ラプソディ・イン・ブルー」も聴いてたよ。
潤音ノクト 実写ドラマ化もされた『のだめカンタービレ』は、音大という存在をすごく気軽に楽しめるものにしてくれましたよね。
宇推くりあ そうそう! 実はりあ、惑星クラリスにいたころ地球で言う吹奏楽をやっていたから、チューバとオカリナが吹けるんだよね。もちろん“ロケットアイドルVTuber”なので、グスターヴ・ホルストの組曲「惑星」も大好きです(笑)!
──まさかお二人ともここまでクラシック音楽に詳しいとは……! ノクトさんはいかがですか?
潤音ノクト 本当に驚いてます(笑)。
僕の好きなクラシック音楽は、気分によって変わっちゃうんですけど、今のブームはセルゲイ・ラフマニノフです。
潤音ノクト 彼は苦悩を抱えていて、戦争が激化して自由に音楽ができなくなっていく時代を生きた人でした。「音楽に没頭したいけどできない、でも自分はこれがやりたい」という苦しさのようなものが楽譜からにじみ出てくる。
僕、絶望や死、悲しみの感情がこもった音楽が大好きで。ラフマニノフのそういった曲が一番刺さるんですよね。
取材中、潤音ノクトさんは生でピアノの演奏も披露してくれた
かなえ先生 クラシック音楽も、時代ごとに流行があるんですよね。だから自分の“推し時代”とか見つけられたら楽しそう。
潤音ノクト そうそう! 200~300年前の音楽も、現代のポップスと同じように時代を映す鏡なんです。なんならクラシック音楽が基盤となって、現代の音楽につながっているわけで、逆に言えばそこからバッハやベートーヴェンに遡っていくこともできる。
僕も普段の活動では、今のポップスと当時のポップスを繋げて、皆さんの共感を得られるよう意識しています。
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