花幽カノン「『ツイステ』は自分と監督生の温度差が面白い」
──ストーリーで、カノンさんが特に印象深かった章はどれですか?花幽カノン 6章まででいうと、一番衝撃的だったのは4章ですね。スカラビア寮がテーマだったんですが、インスパイア元の『アラジン』の内容を考えると(※)、『ツイステ』におけるカリム・アルアジームと ジャミル・バイパーが不穏なのは最初から容易に想像できるんです。「この2人絶対やばいだろ!」って(笑)。
ジャミルが副寮長であるのが、ジャファーというキャラクターの立ち位置をうまく表しているとも思いました。ジャファーって、世界で一番になりたいという野心家でありつつも、2位以下の地位から虎視眈々と下克上を狙う策謀家なんです。その立場を考えると、そのジャファーをモチーフにしたジャミルが副寮長という立場なのは、すごく納得感がありました。
※『アラジン』には心優しいアグラバー国王・サルタンと、大臣でありながら国の乗っ取りをたくらむジャファーが登場する。
花幽カノン やっぱり直近の「グロリアス・マスカレード」は、大好きなイベントでした。『ノートルダムの鐘』に登場するクロード・フロローというヴィランをオマージュした、「ロロ・フランム」というキャラクターが登場したのがうれしかったですね。
ディズニー作品の中でも『ノートルダムの鐘』は大好きだったので、「なぜフロローを出さないんだ!」ってずっと思っていたんです。
そうしたら、「グロリアス・マスカレード」で『ツイステ』らしいアレンジを加えたこれ以上ないストーリーで登場してくれたので、私の中ではもう100点。本当に素晴らしいイベントでした。
ちなみにフック船長をはじめ、大ヴィランなのにまだ『ツイステ』にオマージュされていないキャラもいます。もしかすると、今後のために取っておいてるのかもしれないですね。
花幽カノン 監督生で好きなのは、意外と冷めた物言いをするところですね。我々がゲーム内でNRCの学生の言動に「えーーー!!」とか「マジでーーー!?」って盛り上がっているときでも、監督生の選択肢は「そうなんだ」「なるほど」ぐらいのときがあるじゃないですか。我々と監督生の間に温度差があって、なんだかちょっと面白いときがあります。
それに、私たちの視点と監督生の視点が違うときもありますよね。たまに監督生が不在のストーリーを読んでいて、そこへ監督生が「おーーい!」とか言いながらグリムと一緒に現れるシーンがあるんですけど、そういう瞬間に「あ、そうか私は今ここに存在していたわけじゃなかったんだ」ってはっとさせられたりしています。
──カノンさんはご自身を監督生に投影するというよりは、NRCのキャラクターたちと監督生の物語を、第三者視点で離れて見ているタイプですか?
花幽カノン 私は完全に離れて見てますね。それこそ後ろに生えているただの木として、彼らの学園生活を温かく見守っている感覚です。
ツイステ配信は「みんなで一緒に映画を見ている感覚」
──配信で、視聴者のみなさんのコメントを見ながらプレイするからこその楽しさはありますか?花幽カノン 配信でやると、リアルタイムで「今のやばくない?」「このセリフってこういうことかな?」って共有しながらプレイできるところが楽しいです。家で一緒に映画を見ているかのような感じですね。
自分で気づいたポイントを「これどう思う?」って投げかけたり、逆にみんなから「これってディズニーのあの作品のオマージュじゃない?」って教えてもらったりして、自分の知識にない情報をすぐさま知ることができる。これは配信ならではかなと思います。
あとは視聴者さん側の話になりますが、物語の展開によっては「1人でストーリーを進めるのがつらい」という人も少なからずいるんですよね。そういう人たちにとっては、だれかと一緒に物語の展開を追えるという良さもあるのかなと思います。
花幽カノン ゲームって、極論自分でプレイしてくれたらそれでいいものだとは思うんです。わざわざ配信で見る必要はないというか。それでも私が配信でゲームを扱う理由は、プラスアルファを楽しんでほしいという思いがあるからです。
考察じゃないですけど、私が知っていることや、「こうだったら面白いよね」というプラスアルファの要素を語ることによって、1人でプレイするだけでは味わえなかった楽しみ方が提供できたらいいなと。
ただし、特定のキャラクターの印象が悪くなるようなことは、絶対に言わないよう気をつけています。そして、ゲーム開発者や運営さんに対してヘイトが向くようなことも言わない。
配信ってリアルタイムだから発言を取り消せないですし、自分に悪意がなくても、受け取り方によっては相手が傷ついてしまうこともあります。そうならないように頭を使いながら話していて、大変ではあるんですけど、徹底して然るべきことだと思っています。
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