全曲聴いてほしいからこその全曲MV
──ミニアルバム『i^x=K』全体を通じて、何か気になったことはありますか?YASUHIRO(康寛) 個人的には「怠ッセイ!怠ッセイ!」のMVが公開されたのも驚いたんですよ。普通はもっとポップで明るい曲をピックアップすると思うんですけど、収録曲のひとつ「恋すな」も含めて、なかなか攻めた曲のMVを制作していますよね。
樋口楓 私の趣味はいわゆる主流なところとはズレていると思うんですけど、『i^x=K』にはその好きなジャンルを詰め込んだので、今回はそもそも変わった曲しかないというか……意外と王道って感じの曲がないんですよね。だから「全部聴いてほしい!」という思いで、MVは全曲つくってるんですよ。
CDを手に取ってもらうのはなかなか難しい時代ですけど、YouTubeでいろんな音楽が聴けるようになっているのは良いことだと思いますし、そこで興味を持ってもらって「VTuberはこういう曲も歌うんだ」って知ってもらいたいと思ったんです。
樋口楓 ありがとうございます。普段と歌うときが違うってのは結構コメントでも言われるんですよね。冗談混じりに「一生歌っとけ」とか(笑)。
YASUHIRO(康寛) (笑)。
本当は全部可愛く歌いたい
──YASUHIRO(康寛)さんは、樋口さんの他の楽曲も聴かれていますが、印象に残っていることはありますか?YASUHIRO(康寛) 初めて聴いた樋口さんの曲が「Baddest」だったんですけど、その後に「ハイカラ浪漫」を聴いたら、もう全然違うじゃないですか。すごい器用だなとも思ったんですけど、狙ってやってることなんですか?
樋口楓 意識的に声を変えてるってことはないんですけど、「ハイカラ浪漫」のときは1年目の17歳で、「Baddest」はもう4年目の17歳なので、メンタルが図太くなってたりして、それが自然と歌声に反映されてたりするのかもしれません。
樋口楓 本当は全部可愛く歌いたいんですけど! 光増さんにちょっと可愛すぎって言われるんですよ(笑)。私の工夫というより光増さんのディレクションのおかげかもしれません。
──ディレクションのお話が出ましたが、「怠ッセイ!怠ッセイ!」レコーディング時のお話もうかがいたいです。
樋口楓 あんまりリテイクはなかったですね。やっぱり今まであんまり歌ってこなかったタイプの楽曲ですし、私だけじゃなくて光増さん的にもしっくりきたのかもしれません。
YASUHIRO(康寛) 僕も今まで何度かレコーディングの現場に参加していますが、曲とアーティストさんの方向性がしっくりハマってるなって感じる瞬間があるんですよね。そういう場合はレコーディングもすんなり終わるので、「怠ッセイ!怠ッセイ!」はそういう曲になれたのかもしれません。
樋口楓 確かにスムーズに終わりましたね。苦労したのはむしろ歌より女子高生の嘆きパートでしたし(笑)。
YASUHIRO(康寛) Bメロのガヤガヤした部分ですよね(笑)。セリフも比較的順調に録ってたと思うんですが、たしか「かれぴ」と「すきぴ」のニュアンスの違いを詰めたんでしたっけ?
樋口楓 そうです。全部一緒かと思ったら「すきぴ」は片思いで「かれぴ」は両想いみたいな違いがあって。
YASUHIRO(康寛) しかもそれをスタッフさんが気づいてくれたんですよね。なかなか珍しい理由でリテイクをお願いする貴重な機会でした。
樋口楓 他にもいろいろ女子高生っぽい台詞が詰め込まれてるんで、そこも耳をすませて聴いてほしいです。
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