『グラドルランキング』綾小路秀麿の考察
主要グラビア20誌の表紙登場回数をカウントする『グラドルランキング』(グラビアアイドル研究所)の運営など、グラビアと雑誌を長年にわたってリサーチし続ける専門家の綾小路秀麿さんへのインタビューも届いている。──えなこさんが2021年度の雑誌表紙掲載数、過去最多を記録しました。グラビアアイドル研究所が独自でカウントした、表紙登場回数を教えてください。
綾小路秀麿 グラドルランキングでは、週刊・隔週発売の20誌を調査しています。昨年度までの年間記録は26回でしたが、えなこさんの表紙登場回数は41回と、過去にランクインした方と比較しても、ぶっちぎりの大記録ということになります。
また、雑誌別では20誌中8誌でトップ。特に隔週刊誌は5誌全てでトップを獲るという空前絶後の記録を達成しています。えなこさんの2020年の登場回数は14回で3位でしたから、2021年は回数を一挙に3倍に増やしたことになります。
ランキングは大きく分けて、主要週刊誌15誌と、隔週刊誌5誌と、月刊誌14誌の3つに分かれます。えなこさんは3つのカテゴリー全てでトップでした。特に月刊誌は2020年まではグループタレントの金城湯池だったのですが、2021年は終わってみれば、えなこさんが1位、篠崎こころさんが2位、伊織もえさんが6位と、PPエンタープライズ三人娘が上位を寡占しました。
隔週刊誌もグループが強いのですが、えなこさんはこちらでも過去の記録の2倍の回数で5誌完全制覇を記録しました。ちなみに隔週刊誌では、2位が伊織もえさん、3位が篠崎 こころさんでPPエンタープライズがベストスリーを独占していました。 ──えなこさんが表紙となった主要20誌の発行部数はどのぐらいでしょうか?
綾小路秀麿 グラドルランキングでは、雑誌の発行部数で重み付けした「部数ランキング」も公表しています。えなこさんが登場した雑誌の年間発行部数は581.5万部と、2位に200万部近い大差をつけてのトップでした。
また、年々雑誌の発行部数が1割程度落ちている中ですが、昨年の1位グラドルよりも上回る数字になっています。
また、発行部数の最高記録は2018年の664万部でしたが、その頃と比べて雑誌の発行部数は残念ながら3割強減っているので、それから逆算すると2018年だったらえなこさん は、788万部相当という大記録になります。
──綾小路さんが考える、えなこさんが表紙に起用されている理由はありますか? 一言でいえば、「時代が求める美少女アイコン」だからでしょうか。
綾小路秀麿 えなこさん、実は活動歴は10年以上あるのですが、メジャーになったのはここ数年。2020年4月、内閣府に「クールジャパン」のアンバサダーに任命された頃からではないでしょうか。
グラドル20誌ランキング的には、初登場は2017年の3回。2018年は2回。2019年は6回・20位で初のベスト20入り。そしてに2020年初めて3位にランクインし、ベストテン入りと一躍大ブレイクし、2021年は41回とぶっちぎりの新記録でトップに立ちました。
この間、世間では何が起こったかというと、何といってもコロナ禍による生活環境の激変でしょう。また、出版業界的には書籍電子化の加速が最大の出来事だったと思います。また、ジャパンアニメの世界的成長も続いています。
さらにコスプレは動画より静止画(写真)と親和性が高い。ということはSNSにマッチしているということです。えなこさんはコロナ禍以前よりSNSに力を入れており、コロナ禍が本格化する直前の2020年1月にフォロワー数が100万人を突破したところでした。こういった運というか引きの強さも、大ブレイクの重要な要素と思います。
また、大ブレイクするアイドルは、同性にも人気があります。えなこさんはコスプレのお手本のみならず、ファッションリーダーやネットでの成功者の先達として若い女性の憧れになっている点も強いです(人気YouTuberと共通する点も多いかと思います)。
『情熱大陸』を見て彼女のプロフェッショナルさと人知れぬ苦労を知って、ファンになった人も多いと思います。彼氏持ちを隠さないところも同性人気要因のひとつと思います。
※グラビアアイドル研究所は、青少年週刊誌は1994年から、一般週刊誌は2004年から、隔週刊誌は2013年から、実話週刊誌は2014年から、そして月刊誌は2019年から調査。リアルタイムでランキングを作り始めたのは2004年で、それ以前は遡及調査となる。
※グラビアアイドル研究所では、表紙登場回数などを前年12月から当年11月まで集計 (※2021年度は2020年11月30日発売誌から2021年11月28日発売誌まで)。月刊誌を含めた約千冊を調査対象。
コスプレイヤー・えなこを知る
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