2021.07.27 15:00
ありた
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ギャラリールモンド立ち上げの経緯

ギャラリールモンド（L'illustre Galerie LE MONDE）は、田嶋さんが企画・運営を行うイラストレーターのためのギャラリー。

ギャラリー名の世界を意味するルモンドは、「ギャラリールモンドはイラストレーターがたどり着く場所でありたい。そして、イラストレーションを愛する者のユートピアとなりたい」という思いからつけられている。

今回は、「チャリティ展 CAT POWER 2021」開催にあたってSUZURIが行ったインタビューが到着した。

──ギャラリールモンドを立ち上げられた経緯を教えていただけますか？

田嶋　もともとはグラフィックデザイナー／イラストレーターとしてイラストレーションのエージェントに所属して活動していました。そこで知り合ったイラストレーター仲間と話をしていく中で、オリジナルの絵を発表する場があったらいいなとずっと思っていました。

また、グラフィックデザイナーとしてイラストレーターにお仕事を依頼していた経験と、自らイラストレーターとして受注していた経験、そしてコーディネーターとしてクライアントとイラストレーターを繋げることもしていた自分がギャラリーを立ち上げたらユニークだと思いました。

もともと表参道や原宿界隈のイラストレーションギャラリーに通っていたこともあり、イラストレーターのためのギャラリーを理想の形にしたいという思いが大きくなり、2015年1月からはじめました。

──イラストレーターを目指したきっかけはなんだったのでしょうか？

田嶋　大学を卒業してからグラフィックデザイナーとして主に音楽関連のデザインをしていました。ある時、海外のポータルサイトにグラフィックアートを送ったところ、様々なメディアに紹介されました。

それがきっかけとなり、3〜4年海外のメディアを中心に活動していく中で、日本でもイラストレーターとしてお声掛けいただくようになりました。

──海外で3〜4年活動する糸口はどうやって切り開いたのですか？

田嶋　ポルトガルのオンラインマガジンで、ホームページのトップ画面のグラフィックアートを募集していました。

毎月テーマが設定されていて、「ベルリン」がテーマのときにグラフィックアートを制作して応募したところ反響があり、オンラインマガジンのトップ画面に1ヶ月間掲載されました。それをきっかけに海外での仕事がつながっていきました。

──ギャラリー・ルモンドの特徴は？

田嶋　いま活躍しているイラストレーターや、今後一緒にお仕事をしたいと思う若手のイラストレーターを紹介しています。

展示をしていただきたいイラストレーターには私からオファーをしていることもあり、いまの商業デザインで活躍されているイラストレーターを紹介できていると思います。

オフライン／オンラインのつながり

──発表する場に関して、いま、田嶋さんが「来ている」と感じる潮流は？

田嶋　オンライン展示されているギャラリーもありますが、私はリアルの場所こそが大事だと思っています。

原画を実際に観たり会場の雰囲気を楽しんだり、お客様とイラストレーターとの交流が生まれることや、体感することで得られるものがあると思うので、ルモンドではそこに重きを置いております。

──イラストレーター界隈での「オフライン」「オンライン」の流行はありますか？

田嶋　イラストレーターがSNSを活用して事前に制作過程や絵をアップすることによって、リアルな場所に観に来て原画を購入するお客様は増えています。

──イラストレーターのセルフマーケティングの中で、面白いなと思ったものはありますか？

田嶋　会場にインスタグラム用のフォトスポットやフォトプロップスをつくって置いているイラストレーターもいます。

中には、ある場所に立つと花柄模様と一緒に写真を撮影できるARのようなサービスを提供している方もいました。似顔絵イベントも増えております。

──田嶋さんが注目しているイラストレーターはいらっしゃいますか？

田嶋　アーティストとして活動されている杉野ギーノスさんです。去年春までグラフィックデザイナーだったのですが、現在はアーティストとして絵を描いています。

オイルパステルを使って指で描いている絵を展示までに半年ほどSNSでアップしていて、これまで一度も作品展示をしていなかったにもかかわらず、2020年12月の初個展では展示作品が完売しました。

電気グルーヴのオフィシャルのグッズをつくったり、最近ではテレビでも紹介されています。デジタルで描いたように見える絵はそのユニークなモチーフも相まってインパクトがあります。原画を観にギャラリーに足を運びたくなるアーティストです。

8月11日（水）から伊勢丹新宿で開催するルモンドのポップアップショップで原画を出していただきますのでお楽しみに。