戦争・SEX・死…極限で見える人間の姿を描くアシュレイの世界観
アシュレイさんはこれまで、その代表作である「WWR」をはじめ、「ADVENTURE KARTEL」や「POPBOT」、「EVENFALL」と、壮大な世界観を背景に、キャラクターを次々と生み出してきました。 それらの多くに共通する大事なモチーフの一つとして、“戦争”があります。戦時下のソルジャー、錆びるまで動き続けるロボットたち……そこには、それぞれの戦いを繰り広げるキャラクターたちが生きています。では、アシュレイさんにとって、“戦争”とはどのようなものなのでしょうか。その疑問をぶつけてみたところ、「アーティストにとって、戦争とSEXと死──突き付めるとそれが最大のテーマなんじゃないか」という言葉が返ってきました。
「そこに人間の本質が表れるからですか?」と問い直すと、「まさにその通りだよ。例えば戦争にも、良いヤツがいたり悪いヤツがいたり、勇敢だったり臆病だったり、色んな人間の姿が垣間見えるからだ」と答えてくれました。
3Aのすべてがここに
ちなみに、日本のアーティストで影響を受けた方をうかがったところ、「METAL GEAR SOLID」に関わっていた時は、やはり元々のデザインを担当された新川洋司さんには大いにインスパイアされたとのこと。個人的なファンで、同じアーティストとして刺激を受けたという意味では「AKIRA」の大友克洋さんや士郎正宗さんの名前が挙がりました。
また、2008年に設立された3Aについては、これまでを振り返りながらこう語っています。
「6年を振り返って、何が一番刺激的だったか? 3Aでは自分がトップだから、誰にも何も言われず自分の好きなように好きなものをつくり続けられる、アーティストにとってこんなに刺激的な毎日はない。
けど、売れるからつくるではなく、つくりたいから、つくらなきゃいけないからつくっている。その結果生み出したものを見た人が、なんでこうなっているんだろうと自問したり、人との対話のきっかけになるものをこれからもつくっていきたい」(アシュレイさん) 今回の展示は、そんなアシュレイさんのイメージの奔流、新川さんをして「道具や手法に関して研究熱心」と言わしめたアーティストとしての技術の粋が詰まった展示となっています。
最後に、日本のファンに向けて「トイやアート、自分が好きでやっている、これこそが3Aだというものが揃っている。ここに凝縮されているので是非観に来てほしい」と力強いコメントをくださいました。
8月5日まで、東京・渋谷にて開催されています。ここでしか手に入らない限定アイテムはもちろんですが、これから先日本で個展を拝む機会がいつ訪れるかわからないので、興味のある人は絶対に足を運んでみてください。
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