アシュレイ・ウッドのデザインや世界観を完全に再現
今回の個展のために来日されたアシュレイ・ウッドさんにもお話をうかがいました。日本のファンを多数抱え、自身も20回以上来日されているというアシュレイ・ウッドさん。「世界で自分が安心して楽しめる場所があるとしたら、故郷・オーストラリアのパース、3Aの本拠地がある香港、そしてもう一つは東京だ」とのこと。
その日本で初めて行われる今回、会場には、所狭しとアシュレイさんの原画や複製画、3Aのこれまでのトイ、そして会場限定グッズなどが並び、ファン垂涎の展示となっています。 アシュレイさんの作品は、油絵とデジタルを融合させたミクストメディアと呼ばれる手法を用いている事で知られていますが、近年はアナログの手法に注力。今回の展示作品も全てアナログな油絵で、原画と複製画両方の展示がありました。 そのアシュレイさんの世界観やキャラクターデザインを元に、キム・ファン・ウォンさん率いるスタッフがトイやアパレルといったプロダクトの制作に着手。作品を描く段階で、おおまかに頭の中に立体をイメージし、信頼のおける3Aの原型師さんと何度も綿密なやりとりを経て、ようやく完成となります。
3Aは、アシュレイさんの世界観を再現した独特な塗装や造形から、トイを中心に多くのファンを魅了し続けています。
普段オーストラリアで生活するアシュレイさん自身、香港の3Aからプロダクトの完成品が届くまでの間を、「届くまでは待ち遠しく、自分が望んでいた通りに理想の形になって立体化された完成品を前にするととても興奮する、まるで子どもの時のクリスマスに匹敵する気持ち」だと表現していました。 3Aがこだわるのは、プロダクトそのものだけではありません。ラインナップのパッケージデザインからロゴに至るまで、すべてアシュレイさんの監修によるもの。
2年前に元同僚のデザイナーが3Aに合流して、パッケージデザインなどを手伝ってもらっているけれど、それ以前は、なんとすべてのデザインをアシュレイさん本人が手がけていたそうです。
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