これで4度目となるKAI-YOUの北九州探訪。今回は、昨年末のデビューからまたたく間にスターダムへと上り詰めた16歳のラップアーティスト、さなりさんを迎え、北九州市で感じたものを楽曲とMVに落とし込んでもらった。 「北九州市のことを本当に全然知らなくて、北九州“県”があるのかと思ってました」。
屈託なく笑いながらそう話すさなりさんは、北九州市を知らないがゆえに、“修羅の国”などと揶揄されていることも、その理由も知らなかったという。
「まあ俺の地元にも、北九州市が持たれてるような(物騒な)イメージに似たようなやつもいるし。北九州市が仮にそうだったとしても、そこまで気にならないですね。それこそ回ってみて物騒な印象なんて全然受けなかったですし」。
ふと、彼の地元のことが気になった。まだデビューから間もないため、彼のバックグラウンドはあまり明らかになっていない。
「地元ってどんなところ?」少し突っ込んで聞いてみると、彼は伏し目がちに笑った。「なにも面白い話じゃないですよ?」と、これまで公には語ってこなかった過去について話してくれたのだが、そこには彼が若干15歳で地元を飛び出した理由があった。 北九州市を巡る2日間で筆者が抱いたさなりさんへの印象は、「あまりに自然体」。これに尽きる。
若さなのか、もともとの性格か、彼の奔放で飄々とした態度は、見ていて気持ちがいいぐらい真っ直ぐだった。
そしてそんな彼の姿は、北九州市、ひいては日本全国の「地方」が地域の姿をいかに知ってもらうかに尽力するなかで、一つの指針になるのではないかと思わされるものだった。
取材・文:本田悠喜 編集:和田拓也 撮影:黒羽政士 楽曲制作:さなり MV制作:Hyori 協力:北九州市、スターフライヤー
「10年ぶりの旅行」 北九州市のグルメを堪能
取材前日まで降り続いた雨の残り香が漂う中、北九州市の小倉に降り立ったさなりさん。福岡にはライブで一度来たことがあるだけだそうで、北九州市へは初上陸だ。「最後に家族でハワイに行って以来、たぶん10年ぶりぐらいの旅行ですね」
昨年のデビュー以来、ライブで各地を回ることも増えているというさなりさんだが、時間に余裕を持って街を歩くのは今回が初めて。10年ぶりの旅行気分を味わってもらいながら、小倉のグルメを堪能してもらった。 まずは、小倉駅から歩いてすぐのところにある魚町へ。北九州市でも最大の繁華街で、アーケード商店街発祥の地でもあるこの魚町の入り口には、1950年創業の老舗パン屋「シロヤベーカリー」がある。
さなりさんが「北九州市のおすすめ」をSNSで呼びかけた際に、ファンから多く挙げられた北九州市グルメだ。さなりさんは店の定番である、練乳がたっぷり入った「サニーパン」を頬張り、あっという間に食べきってしまう。どうやら甘いものが大好きで、流行りのタピオカ入りミルクティーにも目がないという。 次に訪れたのは「旦過市場」(たんがいちば)。今度福岡の北九州いくんやけど
— さなり (@takoyaki6678) June 16, 2019
なんかおすすめの場所リプちょうだいー!
美味しい食べ物がある場所とか!!
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川面に柱が立った水上マーケットで、市場の中には日本初の24時間営業スーパー「丸和」(現在は「ゆめマート」に改名)のほか、鮮魚、精肉、青果、惣菜などを扱う商店が200軒以上ひしめき合っており、北九州市の台所と称される。 来年で創業100周年を迎える「小倉かまぼこ」の名物「カナッペ」や、老舗フルーツ屋「もりしたフルーツ」のフルーツジュース、鰯と鯖のぬか味噌炊きを堪能する。 また、さなりさんのファンからもっとも多く挙がったおすすめのグルメが、「門司港」の焼きカレー。焼きカレーも、この門司港が発祥とされている。さなりさんはこちらも一瞬で完食。若さって素晴らしい。
歴史刻まれる都市と自然が融合する、北九州市のスポット巡り
28年ぶりに改修された小倉城内部へ
北九州市を象徴するスポットが「小倉城」だ。陸海両方の交通の要として、古くから重要な地であり続けた小倉を治めるために築かれたこの城は、小倉の歴史を語る生き証人でもある。小倉市街にいまも残る魚町、鳥町、紺屋町などの町名にも、城下町であった小倉の歴史が刻まれている。また、今年のはじめに国の重要無形民俗文化財に指定された「小倉祇園太鼓祭」も、この小倉城を起点に生まれている。 そんな歴史のある城はこれまでに2度の再建を経ており、この3月に内部の全面改装を終えてリニューアルしたばかり。城の内部にはその歴史を記した資料が多数置かれているのだが、史実の中にある雰囲気を味わうさなりさん。 小倉城を訪れたさなりをもっと見る
小倉のオアシスで動物と戯れる
活気に溢れた小倉の中心地から少し離れれば、多くの自然に触れることができる。北九州市について、多くの人が「いい意味でごった煮」というように、都市と自然のバランスがとれたていることも北九州市の特徴だ。さなりさんと向かったのは、多くの動植物が飼育されている「到津の森公園」(いとうづのもりこうえん)。4歳から小学生までは100円と格安で入園できることもあり、家族連れが多く子どもたちの姿が目立つ。 そんな子どもたちに混じって、動物園を散策するさなりさん。「あ、ここエサあげられるんや!」とニホンザルやヤギなどと戯れる。 動物と戯れるさなりをもっと見る
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