「だめでもだめだめでも 許すよ」
1曲目に彼女達の代名詞であったガールズロックの面影はなく始まるテクノサウンドに驚き、2曲目ではボーカルえっちゃんの「北朝鮮とアメリカの狭間」という普段歌わなさそうなキーワードに驚き、初期の代表曲である『恋の煙』は3人のガールズバンドロックナンバーからBase Ball Bear 小出祐介氏によってエレクトロのダンスナンバーに生まれ変わりメロディーも新しくなった。この曲の作詞は旧友であり旧メンバーの高橋久美子が作詞しており、私にはこれは、高橋久美子在籍時に出したアルバム『告白』のラストを飾ったボーカル・橋本絵莉子作詞の『やさしさ』への答えだと思えて、鳥肌が立った。
あの時、橋本絵莉子は泣きそうに歌いながら「明日ダメでも 明後日ダメダメでも 私を許して それがやさしさでしょう?」と言った。
それをメンバーから離れた7年越しに抱きしめるように答えをくれたクミコンのやさしさに、3人で始まったチャットモンチーの帰還とやっぱり本当の完結を見た。
正直これを最後のラストアルバムとするにはあまりにも”続き”があるように思えて受け止めきれない諦めきれないようなアルバムだけど…
元ドラマーだった高橋久美子は作詞・文筆活動の道へ、
ベースの福岡晃子はDJやコラボレーションなど様々な場で活動し、
そしてボーカル・ギターの橋本絵莉子は母として子を育て、
出来るならずっとギターをかき鳴らして、
無理でも時々は歌ってほしいなんて願いながら、
力強くてそれでいて不器用で頑固だった彼女達の事、
チャットモンチーというバンドが存在し、
今ここに終わって行くことを私たちは
「だめだめでも許すよ」って今泣きながらここに書き記します。
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