ポップアートの旗手・KAWS（カウズ）がKaikaikiki Galleryにて「Ohhh…」展を開催

ニューヨーク州ブルックリンに拠点を置くアーティストKAWSさんの日本で初の本格的な個展「Ohhh…」が5月2日から5月29日にかけて麻布Kaikaikiki Galaeryにて開催されている。

アートに造形の深くない人でも一度は目にしたことがあるであろう、その特徴的なキャラクター造形と眼球部分のバッテンマーク、ポップな作風は多くのグラフィックアーティストに影響を与え、彼のペインティングやドローイング、またスカルプチャーは様々な美術館やアートギャラリーで展示されている。

地元ジャージーシティで1990年代初めにグラフィティアーティストとして頭角を現した彼は、その後 1993年から1996年にかけてSchool of Visual Artsで学ぶが、その過程で関心の焦点はビルボード広告やバスの待合所、公衆電話ボックスに設置された広告の絵柄に落書きすることによって「公共関与」を実行する活動へとシフトしていった。そういった活動がコマーシャル・フォトグラファーやコマーシャル・デザイナーとのコラボレーションにつながり、結果として生み出されたオリジナルアート作品が多くの人々の目に触れることになる。

KAWSさんの作品はコマーシャルアートとファインアートという２つの領域を難なく股にかけ、グラフィック、プロダクトおよび産業デザインからペインティング、ドローイング、スカルプチャー、壁画、シルクスクリーンプリントまで、多彩な形態をとる。美術史的にはポップアートの流れを汲むKAWSが最近手掛けるのは抽象的にアレンジされた漫画のペインティングで、それらはポップカルチャーとモダンペインティングのヒストリー、その両方へのレファレンスを含むことで世界中から注目を集めている。 今回の展示では「Ohhh…」と名付けられた展覧会タイトルと同名の、日本のアニメ・漫画の祖ともいうべき手塚治虫の「鉄腕アトム」とおぼしきシルエットが形どられたペインティング作品に大きな注目が集まっている。ストリートからはじまった彼のグラフィティは、日本という国の誇るポップカルチャーの象徴をいかに捉えるのか。近年のアートシーン、あるいは日本文化を語る上でのエポックメイキングな作品と評価されることは容易に想像できる。

最近では、Modern Art Museum of Fort Worth（テキサス州フォートワース）にてスカルプチャー「COMPANION(PASSINGTHROUGH)」が公開され、同じく「COMPANION」キャラクターをかたどった40フィートのバルーンによるMacy’sサンクスギビングデーパレード(11月)への参加を果たした。 また、ジョルジア州のHighMuseumofArtでは、大規模の回顧展「DownTime」も開催された。この先も、Pennsylvania Academy of Fine Arts Museum（ペンシルバニア州フィラデルフィア）での 「Sculpture Plinth Exhibition Program」展（2013）、CACMalaga（スペイン、マラガ）における個展 （2014）などのプロジェクトが予定されていることもあり、アートファンならずともKAWSさんの活動は要注目！

KAWS個展「Ohhh…」

作家 : KAWS
場所 : Kaikai Kiki Gallery　東京都港区元麻布2-3-30 B1F
開催期間 : 2013年5月2日(木)～5月29日(水)
時間 : 11:00 – 19:00
閉廊日: 日、月、祝日

KAWS「Ohhh…」| Kaikaikiki Gallery
http://gallery-kaikaikiki.com/

関連記事：ポップアートの旗手・KAWS（カウズ）がKaikaikiki Galleryにて「Ohhh…」展を開催
関連記事：livetune feat.初音ミクによる名曲、新作PV公開！ 6,800万円の村上隆作品「Miss Ko2」も映像化
関連記事：livetune feat. 初音ミク「Redial」のフルサイズMVが公開、監督は村上隆（Kaikai Kiki）