再デビュー果たしたORESAMAインタビュー「『アリスと蔵六』が自分たちとシンクロして見えた」

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「ねぇ、神様?」があるから今がある

──冒頭で触れた、カップリング曲である「ねぇ、神様?」についてもうかがいたいのですが、この曲は音楽SNSアプリ「nana」で活動をしていたぽんさんが、正体を明かしたことがきっかけで生まれた曲ですが、それを今回収録された理由を教えてください。

ぽん 当時があるからこそ、今があるんですよね。『ワンダードライブ』には、『ねぇ、神様?』を経たからこそ生まれた決意表明を込めているので、2曲は必ず一緒のCDに入れたいと。

もっというと、『ねぇ、神様?』がなければ、今がなかったと思います。それくらい大切な曲です。
ORESAMA / 「ねぇ、神様?」 【MV】(スマホ推奨)
小島 この曲を境に、ぽんちゃんは少し変わって、これまで以上に、歌詞に自分の感情をストレートに表現するようになったんです。

自分の思っていることを素直に書くのって、僕にとってはすごい難しいこと。それまでは、僕がメロディを先につくって、それにぽんさんが歌詞をつけていくんですけど、『ねぇ、神様?』では、詞が先だったんです。

でも、詞を読んだときに、ぽんちゃんの思っていることが全部つまっているのを感じて、むしろつくりやすかったんですよね。それ以降は、歌詞にグッと強く心を掴まれることが増えてきて、歌詞先行でつくる曲も増えています。CDの3曲目『SWEET ROOM』もそうなんです。

ぽん 『ねぇ、神様?』が、一番自分の内面をそのまま書いた曲なので、それをきっかけにして、気持ちをのせる割合は多くなったと思います。

小島くんの曲はとてもポップなので、普段から難しい言葉は使わないようにしてるんです。その中で、より素直に、自分の気持ちをのせられる分量が増えた気がします。

曲のテーマとしても、以前は恋愛が多かったんですけど、最近はもっと内面を描くようになっているかもしれません。

小島 個人的には、ぽんさんは最近、メロディが付くことをわかったうえで書くようになったと思います。

詞からメロディをつくるって、すごく新鮮です。音と合わせたときにバチっとハマる、歌詞から音が引き出される、それも本来の自分にないものが引き出される。

メロディをつくる上で、インスピレーションを受ける機会が多いんですよ。

──歌詞を書いてるときに、なんとなくでもメロディが流れたりするんですか?

ぽん そういうのは全然流れないです。小島くんよりいい曲をつくれるとは思わないので。

小島 (ありがとうございます)。

ぽん 歌詞先行だと、すごいプレッシャーもあるんです。同時に、「この曲にどんなメロディが付くんだろう」と、ワクワクしながら渡して、できた曲を聞くという過程は、すごく楽しいんだと思いました。

ジャンルはあり垣根なし ORESAMA的ハイブリッド

──『アリスと蔵六』に続いて、7月からスタートする『魔法陣グルグル』のオープニングにも決定していますよね。ORESAMAとしてアニソンをやりたいというような意識はあるんでしょうか?

ぽん 正直、そこの垣根が感覚としてないんですよね。

小島 僕もアニソンと呼ばれる曲を聞いてきましたけど、「アニメのオープニングだから」という理由で聞いてるわけじゃないんですよ。やっぱり、曲自体が好きだから。

だからこそ、僕もそういう曲をつくらなきゃいけない。アニソンでも、J-POPと呼ばれる曲であっても、そこに垣根や大きな差はないと思います。

むしろ、僕らの曲をアニメで使っていただくことで、渋谷のカルチャーの中でも今のところ成分としては薄いアニソンを持って突っ込んでいけたら、それは新しくて面白そうだなと。

僕にとってJ-POPって曲のジャンルではないんですよ。

──大きな枠として、さまざまなジャンルを包括すると?

小島 その中にいろいろなジャンルがある。その上で、かっこいい・かっこ悪いは人の感性の問題ですけど、あえて垣根を設けて本格的に嫌い始めるのは違うのではないかと思うんです。

みんながお互いのジャンルを尊重していけるようになればいい。そうならないのが人間だとは思うんですけどね(笑)。
 

必要のないこだわりをぶち壊してきた3年間

──3年前のインタビューでは、「J-POPを極めたい」と語られていましたが、今でもその意識に変わりはありませんか?

小島 より強くなっていますね。最近では、海外でライブをしたいと思っていて、そのときは日本の音楽──ジャパニーズ・ポップス──で勝負したいんです。

まずは日本で僕らの音楽をたくさんの人に知ってもらう。それを追求した上で、J-POPを海外に持っていきたい。そういう意味では、日本のポップスをつくりたいという思いは、3年前より明確に感じるようになりました。

──3年前と同じ質問で恐縮ですが、成功事例がほとんどない、最も難しい挑戦ですよね。

小島 そうですね。それでも僕らは日本の音楽をつくることに誇りを感じているので、だから
こそ極めたいですね。

──最初のメジャーデビューから、取り巻く環境が大きく変わる中で、今、ORESAMAとして非常に充実しているという印象を受けました。

小島 この3年間のおかげで、必要のない僕自身のこだわりのようなものを、どんどんぶち壊している感覚はあります。それはたぶん、新しい環境に身を置いてきたからだと思うんです。そういう状況の中で、「ORESAMAとは何か?」に対する答えを明確にしていきたいですね。

ぽん 一生かかりそう(笑)。

小島 そうなんだよね。でも、ちょっとでもそれに近づけていきたい。そのために、たくさん曲をつくりたいです。

ぽん 今まで出会ってきた人たちはもちろん、まだ出会ってない人たちにも届けようとするのが、メジャーで活動するということだと思うんです。

だから、曲もつくりたいし、やっぱりライブがやりたい。

どんな人でも踊れる、楽しめる、その空間、その瞬間は音楽を共有できるのってライブしかないじゃないですか。こちらが与えて、お客さんが受け取るじゃなくて、参加すると思ってもらえるようなライブがしたいです。
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