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再デビュー果たしたORESAMAインタビュー「『アリスと蔵六』が自分たちとシンクロして見えた」
2014年にメジャーデビューを果たした2人組の音楽ユニット・ORESAMA

デビュー曲がTVアニメ『オオカミ少女と黒王子』の主題歌に起用され、翌年にはインディーズに戻り1stアルバムを発売。人気イラストレーター・うとまるさんが手掛けるアートワークとともに、次世代J-POPの旗手として、大きな注目を集めていた。

その後もインディーズでのリリースや、他のアーティストへの楽曲提供、ソロ名義でのユニットへの参加など、音楽活動を継続。かつてのシブヤ系に影響を受けたハイブリッド・ネオ・ポップスは、着実に広がり続けていた。

そんなORESAMAが2017年、ふたたびメジャーの舞台に帰ってきた。5月24日にリリースされた3rdシングル『ワンダードライブ』は、TVアニメ『アリスと蔵六』のオープニング主題歌だ。
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『ワンダードライブ』ジャケット

今回は、作曲を担当する小島英也さんと、作詞を手がけるボーカルのぽんさんに、最新曲にまつわるエピソードや今後の展望をうかがった。

この3年で、目まぐるしく変化した周囲の環境。奇しくも、2度目のスタート地点も、前回同様アニメタイアップだが、「アニメと自分たちの境遇とがシンクロして曲が生まれた」というぽんさんの言葉通り、その状況は大きく異なる。度重なる変化は、彼らにどのような影響を与えたのか。90sファンクを更新し続けてきたORESAMAの新たな世界に迫る。

取材:新見直 文:恩田雄太 写真:市村岬

何かをつかめるかもしれない再スタート地点

170517_kor_0077_1 ──TVアニメ『アリスと蔵六』のオープニング曲「ワンダードライブ」で、2014年以来となるメジャーデビューを果たしました。率直に、現在の心境を教えてください。

小島 正直、実感はまだ薄くて、いい曲ができたという満足感でいっぱいです。一度メジャー活動が終了して、それからも音楽活動を続けていた中で、アニメのタイアップのお話をいただいて。

ORESAMAとして、ひとつステージが大きくなったというか、「何かチャンスをつかめるかもしれない」という感覚はすごく強いですね。

ぽん 私もCDが店頭に並ぶのを見るまでは、実感がわかないですね(取材はリリース直前のもの)。インディーズで活動中、悩んだ時期もあったんですけど、だからこそオファーをいただいたときは、素直にうれしかったです。「絶対やりたい!」って、ふたりとも即決でした。

小島 前回のメジャー活動期間が短かったこともあって、“再”メジャーデビューという感覚がないんですよね。

「メジャーでもう一度」という思いがある一方、この1年くらい、自分たちにできることを考えていたんです。その中で、それぞれソロ活動をしたり、ユニットとして何本かタイアップを担当したりしてきました。

今回のデビューは、そこで培ったものを一気に発揮できるような、すごくいいタイミングだと思っています。

──一度、時系列を整理させてください。ぽんさんには前回の座談会(関連記事)でうかがいましたが、メジャー活動が終了して、個人活動として音楽SNSアプリ「nana」での活動を始められたと。当初、ぽんさんはお名前を伏せて活動されていたそうですね。その後、名前を明かして活動を継続(関連記事)していたところ再びメジャーデビューが決まった、という状況でしょうか?

ぽん はい、そうです。出来事を並べると、とてもドラマチックですね。

そんな中で生まれた「ねぇ、神様?」を、今回のシングルのカップリングとして収録できたのも、まるできれいにストーリーがつながっているような……。

小島 出来過ぎかもしれない(笑)。

“できることがあれば、上達するのであれば”

──インディーズ活動やソロ活動は、武者修行というか、自らを磨いていくような位置付けだったんでしょうか?

ぽん 意図せずにですけどね。小島くんは他のアーティストさんへ楽曲を提供したり、私もアニメ「ACCA」のOPテーマで「ONE Ⅲ NOTES」(ワンサードノーツ)にボーカルとして参加させてもらったり、自分たちのあり方を見つめ直せたような気がします。

何かできることがあれば、何か上達するのであればという一心で、いろいろな仕事をやらせていただくことができました。そういうオファーをしてくれる人たちが周囲にいたことが大きいですね。

──その期間、ORESAMAの今後について話し合いもしましたか?

ぽん とりあえず、「もう一度メジャーデビューしたいね」という気持ちはふたりとも一緒でした。でも、どちらかというと曲づくりの話が多かった?

小島 そうかもしれない。メジャーデビューするために、どういう曲をつくれば振り向いてもらえるのかを話し合いながら、制作を続けていたんです。

──メジャーデビュー以降、ソロ活動の位置付けに変化はありそうですか?

小島 むしろ積極的にやっていけたらいいですね。他のクリエイターやアーティストとの仕事では、学べることや考えることも違います。それらを通じてORESAMAの音楽が技術的に向上できたらいいと思います。

ぽん 小島くんの楽曲提供と私のソロ活動、両方が合わさったときに、ORESAMAとしてパワーアップしてたらいいよね。

「何かが始まりそう」──自分とシンクロした『アリスと蔵六』

170517_kor_0045_1 ──2人がそれぞれパワーアップしていたところで、アニメタイアップでのメジャーデビューというのは良いタイミングだったのではないかと思います。『アリスと蔵六』という作品の印象はいかがでしたか?

ぽん 原作コミックの表紙がおじいさんと少女で、てっきり二人のほのぼのストーリーだと思って「どういう曲になるのかな?」と。

読んでみたら、不思議な世界の話というか、超能力も出てきて驚きました。

「この作品のオープニングになるんだ」と思いながら読み進めていたら、最初のドライブするシーンで早々に手が止まって。

今まさに何かが始まろうとする雰囲気が、ORESAMAの境遇にすごくシンクロして見えたんです

その感覚がちょっと運命的だったので、歌詞はかなり作品にリンクしていると思います。

自分たちが進もうとしていた方向が、作品のそれと同じだった──そういうものを奇跡的に感じたので、結果的に内容がシンクロしたようなイメージです。

小島 僕の場合は原作を読んで、疾走感を感じて、それが音として浮かんできて、すぐに。曲づくりに取り掛かりました。

読んだあとに一曲書いて、関係者の人たちに聞いてもらってからまた書いて、何曲かつくる中で、『ワンダードライブ』が一番パシッとハマった感じがしたんです。

──オープニング映像を見ると、作品に本当に合っていますよね。ワクワク感があって、「世界を変えたい」という歌詞も、「少女が『アリスの夢』という能力で世界に介入する」という設定に通じていて、僕は原作のファンとして嬉しかったです。

ぽん小島 あ、ありがとうございます!

ぽん 歌詞を書くにあたって、紗名ちゃんの気持ちをすごく考えたんですよ。

「この子は何かを変えたがっているのかな?私も自分の世界を変えたいな」とか、自分事として捉えながらつくったので、OPラストで紗名ちゃんが歌っているシーンがうれしすぎて、涙腺が崩壊しました(笑)。

小島 キャラクターのクラップ(拍手)もよかったよね。

ぽん そう! OPアニメについては私たちも完成してから見たんですが、スタッフさんが曲を聞いて「ここがクラップの入れどころだ」って思ってくれたのも面白いし、サビに向けてシーンとして視覚的に盛り上げてくれていて、感動しました。「蔵六さんがクラップしてる!!」って。

小島 音楽って目に見えないですけど、絵がつくことでその力がすごくアップしますよね。そういう意味で、作品の映像をつけてもらえてよかったなと。

クラップやリップシンクを音に合わせることで、僕らのやり方とは違うかたちで、音楽がまたひとつ強くなった印象です。

ぽん あと、アレもあったね。イントロ部分の

小島 あー!リードシンセというんですかね。僕が勝手に、紗名ちゃんが飛んでいる姿をイメージして付けた音があったんです。

そしたら、何も言っていないのに、実際の映像でも本当に飛んでいて、驚くと同時になんか不思議ですよね。音楽で意思を伝えられたような気がしてうれしかったです。

TOKYO MXで見た翌々日にBS11でも見る

170517_kor_0003_1 ──アニメはリアルタイムで見ているんですか?

ぽん 見てます! 原作がアニメでどの程度描かれるのか、聞いてるんですけど、最後まで一視聴者として楽しみたいですね。

小島 えっ、そうなの!? 僕は知らない。

ぽん 私も脚本を読んだわけじゃないから、結末までは知らないけど。

小島 僕は2回ずつ見てます。TOKYO MXで放送した翌々日に、BS11でも放送してるんですよ。

紗名ちゃんがかわいくて、「あんな妹ほしいな」と思いながら(笑)。本編終了後は、「ワンダードライブ」のCMで流れるうとまるさんのアートワークを楽しんでます。

ぽん 堪能してるね。

小島 うん。個人的に『メタルギアソリッド』が好きで、スネーク役の大塚明夫さんの声が大好きなんです。

その声を毎週聞けるのがうれしくてしょうがない!
ORESAMA / ワンダードライブ -MUSIC VIDEO-
──「ワンダードライブ」では、MVでも「不思議の国のアリス」のような演出をされていて、アニメにも通じるワクワク感を感じます。

ぽん 1stシングルの「オオカミハート」からMVを担当してくださっているサエキさんと、私が一度「さいはてれび」という企画で役者をやったときの荒船監督。

このふたりにうとまるさんが加わって、振り付けも入ってもう総動員。すごくたくさんの人に支えられてきたことを、改めて実感しました。

私は高所恐怖症なんですけど、途中で2メートルくらいの椅子の上で踊るシーンがあって、めちゃくちゃ大変でした。

小島 MVをご覧になった方はおわかりだと思いますけど、僕の撮影は一瞬でした(笑)。

ぽん でも終わってからもずっと現場にいたよね?

小島 いつ声がかかるかわからないからね。

ぽん さすが(笑)。

──撮影は1日がかりだったんですか?

小島 そうですね。長時間のスタジオ撮影は初めてだったので、楽しかったですね。ぽんちゃんはずっと踊ってて疲れたかもしれないけど。

ぽん うん。

小島 曲づくり以外の現場に長時間いるのが新鮮だったんです。

カメラマンの人が「あと2ミリ、3ミリ」っていう本当に細かな指示を出していて、刺激を受けました。「自分の曲はそこまで調整したかな」とか思って、もっと緻密な曲づくりをしようと思いました。

つくり手の姿を見ると、どうしても影響を受けちゃいますね。

混沌と変化 渋谷とアリスの共通点

170517_kor_0084_1 ──ORESAMAでは音楽性への影響も含め、渋谷がひとつのキーワードになっています。MVのテーマになっている「不思議の国のアリス」と渋谷、場所として何かリンクするものはあると思いますか?

ぽん 私自身、子供の頃から『ふしぎの国のアリス』(ディズニーによる映画作品)が好きなんですけど、多種多様な人がいるという意味では、共通しているのかなと思います。

三月うさぎとマッドハッターがお茶会をしてる一番好きなシーンがあるんです。「なんでもない日おめでとう!」と歌っていて、「生きてるだけの日常がすばらしい」ってことかなと、ちょっと深読みしながら見ていました。

歌自体は結構クレイジーな感じですけど。

──『アリスと蔵六』でも、閉じ込められていた紗名にとっての日常は、毎日が発見の連続ですよね。

ぽん 見たいもの、知りたいものを、自分の意思で見つけてほしいと思いますね。

渋谷という街も、目まぐるしく変わっていて、「変化を目にしたい」とか「自分も変わりたい」とか思う人が集まるという意味では、通じる部分があるかもしれないですね。

小島 カオスだよね、アリスも渋谷も。情報量が半端ない。“多い”ではなく、半端ない。

ぽん クレイジーだよね。

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