これにより、新セット「アモンケット」発売日の4月28日(土)より全世界共通で、公式の大会で使用することができなくなる。
この出来事について、一時は「守護フェリダー」がTwitterでトレンド入りするほど大きな波紋を呼んだ。それはなぜか?
今回、大会での禁止カードを発表する通常の禁止改訂は、まず4月24日に発表された。《守護フェリダー》禁止を望む声は多かったものの、その際にはスタンダード環境で禁止措置は行われなかった。【お知らせ】 前回の発表の追加として、2017年4月26日発表・同4月28日発効の、認定イベントにおける禁止・制限カードの告知をお伝えいたします。スタンダードに変更があります。決定についての説明をお知らせいたします。 https://t.co/f1gozZOzWr #mtgjp
— マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) 2017年4月27日
通常、禁止改訂が行われる日は事前に告知されるため、改訂の2日後に、新たに追加で禁止カードが発表されることとなった今回の措置は、極めて異例の出来事となる。
*1 近年発売されたカードのみが使える対戦のレギュレーション。最もプレイヤーや大会も多く、初心者も参入しやすい。
理不尽すぎた「Copycat」デッキ デベロップチームへの疑問
一見なんの変哲もなさそうに見える《守護フェリダー》だが、《サヒーリ・ライ》というカードとの組み合わせによって、トークンを無限にコピーすることで4ターン目にはゲームを終わらせられる即死コンボが発見されていた。 「Magic: The Gathering」プレイヤーでなければ正直意味がわからないだろうが、とにかく、3ターン目に《サヒーリ・ライ》をプレイされてしまうと、返しのターンで《サヒーリ・ライ》を除去しない限り4ターン目に負けてしまうので、実質3ターン目には勝負がついてしまっている、という強力すぎるコンボだった。守護フェリダーが戦場に出たとき、あなたがコントロールする他のパーマネント1つを対象とする。あなたはそれを追放してもよい。そうしたなら、その後そのカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。《守護フェリダー》より
海外ではこのコンボを軸にしたデッキは「Copycat」と呼ばれ、《守護フェリダー》登場以来、数々のトーナメントを蹂躙。その禁止を望む声は多かった。
実は、2017年2月時点で、公式が「我々は確かに《サヒーリ・ライ》との相互作用を見逃してしまいした(原文ママ)」(外部リンク)と、この致死性の高いコンボはゲーム設計の上で想定外だったことを認めていた。
そのため、《守護フェリダー》禁止自体は多くのプレイヤーに歓迎されているものの、禁止改定直後の予告なしの追加禁止措置や、近年の禁止カード頻発から、プレイヤーは「Magic: The Gathering」デベロップチームに懐疑的となっていることも否めない。
実際、国内のプロプレイヤーの中には、疑問の声を挙げている人も。
禁止改訂日というルール取っ払って突然禁止出すならカード売れないよ
— Yuuki Ichikawa (@serra2020) 2017年4月27日
フェリダーは禁止でいいよ。人間だもの、失敗はあるさ。ただデベロッパーはそろそろてこ入れして欲しい。最近のセット単純におもんない。後マスターピースはオリンピックみたいに4年に一回にしよう。
— 行弘 賢/YUKUHIRO KEN (@death_snow) 2017年4月27日
ブログでもちょっと言ったけどフェリダー禁止には賛成なんで、追い禁止なこと以外はいいとおもう。正直このままPTやったら酷い事になってた可能性高い。
— ヤソ (@yaya3_) 2017年4月27日
返金対応を行うカードショップも
散々危険視されていながらも、4月24日の禁止改訂日で禁止カードにならなかった《守護フェリダー》。当然、多くのプレイヤーは安心して《サヒーリ・ライ》と共に《守護フェリダー》を買い込んだに違いない。しかし、その2日後、まさかの特例による追加の《守護フェリダー》禁止措置ということもあって、購入に走ったプレイヤーは失意の底へ叩き落された。
追加の禁止措置についての批判の大きな一因は、そういった背景もある。
そんなプレイヤーを救済するためか、例えばカードショップ「Duelist'sGuild」では、《サヒーリ・ライ》及び《守護フェリダー》を購入した人に返金対応を告知している。
20年以上の歴史を持つトレーディングカードゲーム「Magic: The Gathering」だが、その賞金額や運営の厳格さから、近年はこれまで以上に競技性を重視するプレイヤーが多い。本日発表された禁止改定に伴い、この1週間で《サヒーリ・ライ》、《守護フェリダー》を当店でご購入されたお客さまについて、返金対応させていただきます。
— Duelist'sGuild (@DuelistsGuild) 2017年4月27日
お問い合わせフォームより、その旨ご連絡ください。
そんな中で、禁止カードが頻発してしまうのはプレイヤーにとってストレスとなるだけでなく、小売店であるカードショップにも影響を及ぼしてしまう。改めて、ゲームデザイン/デベロップチームの能力や今後の対応が問われている。
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