MtGで異例の禁止カード発表→阿鼻叫喚 返金対応を行うカードショップも

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MtGで異例の禁止カード発表→阿鼻叫喚 返金対応を行うカードショップも

《守護フェリダー》 画像はChannel Fireballより

4月26日、トレーディングカードゲーム「Magic: The Gathering(マジック:ザ・ギャザリング)」において、スタンダード環境*1における禁止カードとして《守護フェリダー》が追加された。

これにより、新セット「アモンケット」発売日の4月28日(土)より全世界共通で、公式の大会で使用することができなくなる。

この出来事について、一時は「守護フェリダー」がTwitterでトレンド入りするほど大きな波紋を呼んだ。それはなぜか? 今回、大会での禁止カードを発表する通常の禁止改訂は、まず4月24日に発表された。《守護フェリダー》禁止を望む声は多かったものの、その際にはスタンダード環境で禁止措置は行われなかった。

通常、禁止改訂が行われる日は事前に告知されるため、改訂の2日後に、新たに追加で禁止カードが発表されることとなった今回の措置は、極めて異例の出来事となる。

*1 近年発売されたカードのみが使える対戦のレギュレーション。最もプレイヤーや大会も多く、初心者も参入しやすい。

理不尽すぎた「Copycat」デッキ デベロップチームへの疑問

守護フェリダーが戦場に出たとき、あなたがコントロールする他のパーマネント1つを対象とする。あなたはそれを追放してもよい。そうしたなら、その後そのカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。《守護フェリダー》より

一見なんの変哲もなさそうに見える《守護フェリダー》だが、《サヒーリ・ライ》というカードとの組み合わせによって、トークンを無限にコピーすることで4ターン目にはゲームを終わらせられる即死コンボが発見されていた。

《守護フェリダー》と《サヒーリ・ライ》 画像はお宝創庫大府店 Twitterより

「Magic: The Gathering」プレイヤーでなければ正直意味がわからないだろうが、とにかく、3ターン目に《サヒーリ・ライ》をプレイされてしまうと、返しのターンで《サヒーリ・ライ》を除去しない限り4ターン目に負けてしまうので、実質3ターン目には勝負がついてしまっている、という強力すぎるコンボだった。

海外ではこのコンボを軸にしたデッキは「Copycat」と呼ばれ、《守護フェリダー》登場以来、数々のトーナメントを蹂躙。その禁止を望む声は多かった。

実は、2017年2月時点で、公式が「我々は確かに《サヒーリ・ライ》との相互作用を見逃してしまいした(原文ママ)」(外部リンク)と、この致死性の高いコンボはゲーム設計の上で想定外だったことを認めていた。

そのため、《守護フェリダー》禁止自体は多くのプレイヤーに歓迎されているものの、禁止改定直後の予告なしの追加禁止措置や、近年の禁止カード頻発から、プレイヤーは「Magic: The Gathering」デベロップチームに懐疑的となっていることも否めない。

実際、国内のプロプレイヤーの中には、疑問の声を挙げている人も。

返金対応を行うカードショップも

散々危険視されていながらも、4月24日の禁止改訂日で禁止カードにならなかった《守護フェリダー》。当然、多くのプレイヤーは安心して《サヒーリ・ライ》と共に《守護フェリダー》を買い込んだに違いない。

しかし、その2日後、まさかの特例による追加の《守護フェリダー》禁止措置ということもあって、購入に走ったプレイヤーは失意の底へ叩き落された

追加の禁止措置についての批判の大きな一因は、そういった背景もある。

そんなプレイヤーを救済するためか、例えばカードショップ「Duelist'sGuild」では、《サヒーリ・ライ》及び《守護フェリダー》を購入した人に返金対応を告知している。 20年以上の歴史を持つトレーディングカードゲーム「Magic: The Gathering」だが、その賞金額や運営の厳格さから、近年はこれまで以上に競技性を重視するプレイヤーが多い。

そんな中で、禁止カードが頻発してしまうのはプレイヤーにとってストレスとなるだけでなく、小売店であるカードショップにも影響を及ぼしてしまう。改めて、ゲームデザイン/デベロップチームの能力や今後の対応が問われている。

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