YOUNG HASTLE×大川竜弥 対談 超肉体派ラッパー × ネットで一番顔が知られている男

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筋トレは「健康・仕事につながる・モテる」

──肉体美もヤングハッスルさんの特徴ですが、今作『Forever Living Young』は、これまで以上に体づくりに関するバースが目立つ印象です。

ヤングハッスル 今回のアルバムは2016年の9月末から曲づくりをはじめたんですけど、2016年の前半は完全に体づくりしかしてなかったから、それが影響したのかもしれないっすね。やっぱ筋トレも強弱が大事なんで、1年間ずっとは無理ですよ。

大川 筋トレもスポーツ選手みたいにオンシーズン/オフシーズンってありますからね。ヤングハッスルさんは、俳優の金子賢さんが主催している「サマー・スタイル・アワード(※2)に出ていましたよね?

オフシーズンとは思えないキレッキレの腹筋

ヤングハッスル 2015年の第1回から続けて出ると決めて。3月ぐらいから毎日ジムに行って体づくりをはじめたんです。すると生活が常に筋肉優先になるんですよ。

まず起きて、メシ食って、ジム行ってばっちりシバいて、帰ってきたらメシつくって……。そうするとやっぱり疲れちゃって、なかなか曲づくりはできないっす

大川 ジムと食事の準備で半日なくなりますからね。3時間おきに食事しないといけないから。

ヤングハッスル そうなんすよ。本気で体づくりをすると、食事もトレーニング。時間を全部とられちゃうから、ヒップホップのほうにいけなくて。

大川 筋トレ中にリリックが生まれることは?

ヤングハッスル あんまりないかな。

大川 やっぱり。頭の中空っぽになりますからね。 ヤングハッスル あと、とにかく筋トレがキツい。本当は毎日筋トレするの嫌なんですよ。俺ジムの中でずっとため息ついてます。

大川 その気持ちわかります。ジムに行ったらやるんですけど、行くまでがキツい。

ヤングハッスル だから無理やり行くんですよね。ジムに行ったらやるしかないから。

俺は全身を5分割してメニューを組んで、脚の日、胸の日、背中、肩、上腕で やるんですよ。毎日違う場所を鍛えるから、毎日ジムに行けるじゃないですか。

大川 僕は6分割ですね

ヤングハッスル 細かいっすね! 大川 肩の後ろ、胸、肩の前、背中、腕、脚っていうサイクルで。大会だと肩と背中が大事じゃないですか。

ヤングハッスル 大事っすね。横が広く見えますから。

大川 筋トレをはじめて半年ぐらいで初の大会に出たんですけど、もちろん結果は全然ダメ。細いし、なで肩だし。まずは弱点を鍛えたいと思って──だから肩を2日にわけて細かくやってるんです。

──大会に出るためのモチベーションはなんでしょう?

ヤングハッスル 「サマー・スタイル・アワード」に出るからには、体を仕上げないと恥かくじゃないですか。

だから真剣にやったら、超仕上がったんですよ。それで目標を決めて、しっかり努力すれば結果が出ることがわかって。夏はいい思いができたし、筋トレ系雑誌の取材がきたりと仕事が増えました。 大川 僕はボディビルダーの撮影を手伝ったことがきっかけでした。みなさん姿勢が良くて、かっこよくするには、鍛えなきゃいけないんだなと思ったんです。

そこで「来年の春大会があるから出ませんか?」と言われて、最初はノリで「出ます!」と。

ヤングハッスル 大会に出るって決めてから筋トレはじめたんですね。

大川 そうです。それでジムに通って、減量のアドバイスをもらって。あとはヤングハッスルさんと同じく、仕事に繋がったらいいなと。ちなみに、筋トレ中はヤングハッスルさんの「Workout (remix)」を聴いてます(笑)。

※2 サマー・スタイル・アワード……夏が一番似合う男性・女性を決める大会。身長別でスタイルを競いあう。

筋肉が結んだモンスター・般若との出会い

Young Hastle「Workout (remix) Feat. 般若 & Shingo☆西成」
大川 「Workout (remix)」で般若さんと共演してましたけど、普段から一緒にトレーニングするんですか?

ヤングハッスル 般若さんとは、2010年ぐらいにジムではじめて会って──ちょうど俺が1stアルバムを出した直後ぐらいですね

勇気を出して「俺もラップしてるんです」ってアルバムを渡したら、般若さんから「君のこと気になってたんだよ」って言われて。

大川 すごい! 筋肉が生んだ出会いですね!

ヤングハッスル 「体が仕上がってるBボーイがいる」って、仲間内で話してたみたいで(笑)。 大川 ジムって、基本話しかけられないですけど、意外と人のこと見てますよね。あの人の体ヤバいとか、フォームがきれいとか。

ヤングハッスル 俺は初心者のころは、結構話しかけてましたね。仙人みたいなおじさんがいて、一緒にベンチプレスやって。

「おすすめのプロテインありますか?」みたいな感じで聞くと、「ステーキかな、なるべく生に近い状態で食うのがいい」ってアドバイスをくれたんですよ。

「なるべく生に近い状態で食うのがいい」

大川 栄養摂取はサプリより、食事から取ったほうがいいですからね。

ヤングハッスル 2本足の動物の肉よりも、4本足の動物の肉を食ったほうが闘争心も体の中に取り込める。

チキンだけじゃなくて牛のステーキもレアで食ったほうがいいっす。2本足より4本足!

大川 僕もメインは鶏のムネ肉ですけど、毎日食べるから満足感がだんだん落ちますし、なんか強くなった気がしないんですよ……。

それで、たまに自分へのご褒美でステーキを食べると、筋肉が肥大する気持ちになります。

ヤングハッスル 体質にもよりますけど、牛を食った後のパンプが違うっすね。もう、パンパンですよ!

──過去の般若さんのインタビューで「ヤングハッスルは鉛をつけて懸垂をする」と話していたのですが……?

ヤングハッスル 「Workout (remix)」のMVでもやってますけど、トレーニングベルトに鎖をつけて、丸いウェイトをぶら下げるんですよ。それでチンニング(懸垂)をしたり、上腕三頭筋のメニューでディップス(※3)をやったり。 大川 ジムで一番見かける頻度が低いトレーニングですね(笑)。

ヤングハッスル 鎖は見た目からしてインパクトあるっすよね。でも、筋トレってマジでいいことしかないんですよ。まず健康になるし、体を動かすとマインドがポジティブになる。

正しいやり方で継続すれば、絶対結果がでる。かつ、モテる(笑)。

大川 やっぱりモテますか?

ヤングハッスル モテますよ。もうクラブでの見られ方が全然違うっすね。

大川 僕もよく男性に触られるようになりましたね。女性からは一切ないですけど……。

※3 ディップス……体重を負荷して行うトレーニング
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Young

ラッパー

中学3年時にキングギドラに出会い、衝撃を受ける。ZEEBRAのスタイルに憧れると同時にUSヒップホップを吸収。2002年にラップを始め、渋谷のクラブなどでライブ活動を展開。一切のブレを感じさせない彼の性格が、アンダーグラウンドの現場で日々泥臭く戦うラッパーを沸かせ、厚い支持を受ける。2017年3月、”見た目二枚目 やること三枚目 これがハスバム四枚目” とヤンハス節全開の、4thアルバム「Forever Living Young」をリリース。日本語ラップシーンを代表する超個性派ハードライマー。

大川竜弥

フリー素材モデル

自称・日本一インターネットで顔写真が使われているフリー素材モデルです。お仕事ください

1件のコメント

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ryotan

ふじきりょうすけ

インタビュー/編集を担当しました。
筋肉自慢のMC・ヤンハスさんの対談相手を考えた時に、大川さんがTENGAの広告でキレッキレのボディを披露してたことをふと思い出し、トントン拍子で進んだ対談。
原稿でも触れていただきましたが、大川さんが「workout」をヘビロテしていたり、ほぼ同世代だったり、大会出場経験者だったりと、共通点がどんどん出てきていい対談になったと思う。
原稿には盛り込めなかったけれど、マニアックなサプリの話やトレーニング方法など存分に語っていただき、ガリガリで体育会系とは程遠い僕ですら筋トレしたくなるほどのナイストークでした。