ZETA DIVISIONが切り込むeスポーツ産業の人材不足 バンタンと提携した学校設立の背景とは

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小林優介

eスポーツ産業が拡大する中で求められる“即戦力”

発表会終了後には、西原大輔さんへのインタビューを実施。アカデミー設立の背景にある考えや学生への想いを語ってもらった。

──発表会では、eスポーツ産業の拡大について言及されていました。GAYMEDEでは昨今、積極的に求人募集を行っている印象がありますが、応募者の数は増えているのでしょうか?

西原大輔 ありがたいことに増えてはいます。ただ、即戦力になる人材の数は足りていないというのが正直なところですね。応募自体はすごくいただけるのですが、GANYMEDEの業務に対応したスキルを持っているかなどを検討した結果、採用に至らないケースも少なくないです。

GAYMEDE株式会社の代表をつとめる西原大輔さん

──同じ業界の方や、他業種で似たスキルを得ている、即戦力になる方の需要が高いんですね。

西原大輔 芸能事務所などでマネージャーをしていて、eスポーツが好きで、といった方はすぐにフィットはしていますね。

ただ、eスポーツの魅力自体が広がっていかないと、eスポーツ業界に興味を持ってくれる他業種の方は増えないと思うんですよね。

一方で、eスポーツの魅力をより広めるには、他業界からも様々な方が入ってくる必要がある。「ニワトリが先か卵が先か」じゃないですけど、そこに結構なジレンマがあるんです。

──採用を行ってから、研修を経て教育を行っていくということは考えられていないのでしょうか?

西原大輔 我々の体力不足と言ってしまえばそれまでなんですが、うちも含めてeスポーツに関連する事業者で、500人や1000人規模のところってまだまだないですよね。

そうなってくるとやっぱり、新卒採用をして会社が育てるというコストはかけられなくて、中途採用がメインになっています。

今回のアカデミーを直接我々の採用プロセスの軸にするというわけではないですが、業界全体で教育コストをかけられないし、ジレンマを抱えている中で、間口を広げるきっかけになったらと思っています。

GANYMEDEが何よりも重視する「コミュニティへの誠実さ」

──GANYMEDEでは5月に『オーバーウォッチ』のプロ大会を主催すると発表しています。アカデミーなどを通して人材を強化した先には、こういった大会運営事業の強化なども考えられているのでしょうか?

西原大輔 大会運営に注力していきたいとは現時点では考えていません。

今回の「Overwatch Champions Clash hosted by GANYMEDE」は、我々がシーンに対して理解度が高く、様々なイベント運営の実績もあった事から、ゲームを開発するBlizzard Entertainmentさんとの関係値もあったおかげで、お声がけいたと理解しています。

GANYMEDEはコミュニティに誠実であることで成長できたという自負がありますし、それは自分たちへの教訓にもなっています。

なので、コミュニティのためになると思えば我々で取り組もうとなることもあるし、逆に我々がやらない方がいいという判断に至ることもあります。根底にあるのは、やっぱりコミュニティのためにという考えです。

──VTuberブランド「UltraLMTM」発足時のインタビューでも、コミュニティとの信頼関係を重視されていましたね。

西原大輔 少し余談ですが、例えば『VALORANT』の案件があると、先々の情報が入ってくるケースもあります。その際は、契約書の内容や情報を取り扱う社内のドライブなどでも、制作を行う部門とチーム運営を行う部門を完全に切り分けて、競技周りの関係者には一切情報が入らないようにしています。

僕が見ない方がいいものは一切見ないですし、そういった点でもコミュニティへの誠実さというのは、スタッフ全員が徹底しています。

GANYMEDEを支えるスタッフたち/画像はGANYMEDE株式会社公式Xから

西原大輔 GANYMEDE、ZETA DIVISION、UltraLMTMというそれぞれのブランドや事業もは、内部的にも切り離して考えています。

なので、他のチームさんのマーチャンダイズやユニフォームをうちのスタッフが手がけていることもありますね。

学生には「eスポーツが好きだと信じて飛び込んできてほしい」

──技術の進化や世界的な情勢の変化によって、アカデミーに入ってくる生徒たちが卒業するまでには、eスポーツを取り巻く状況が一変している可能性もあるかと思います。そういった中でも、学生たちにはどんなことを学び、どんな人材になってほしいですか?

西原大輔 発表会で言った社会性もそうですし、もう一つ、eスポーツを好きだという志を強く持ってもらいたいですね。

この業界は拡大を続けてはきましたが、ビジネス分野ではまだまだ手探りな部分も多い

例えば、広告という面においてeスポーツの領域は、若い層へのリーチを考えた場合、良い条件が揃っていると思うんですが、広告を出稿する企業さんにまだまだそういった情報は届けられていないですし、シーンを活用してもらえるような仕組みづくりは、業界全体の課題だと思っています。

コミュニティとつくる熱量が、ビジネス領域を切り拓く

西原大輔 そういった未開拓の領域を開拓していくには苦労も伴いますし、そこで原動力になるのはやっぱりeスポーツの文化が好きだという想いなんじゃないかと思っています。好きだからこそコミュニティに誠実になれるし、誠実に向き合うからこそ、ビジネスとして向き合わなければならない成果への責任感も生まれるはず。

だからこそ、入ってくださる生徒さんにも、自分のeスポーツが好きだという想いを信じて飛び込んできてほしいなと思っていますね。

もちろん、我々も学生をサポートするために、随時カリキュラムをアップデートし、求められるスキルを学生たちが得られるような環境を整えていきます。

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