クリエイターにとっても回線速度は大問題
──うなばらさんが感じる「NURO 光」の印象について教えてください。うなばら海里 「すごく速いインターネット」という噂はかねがね(笑)。自宅の回線は「NURO 光」ではないのですが、友人からよく「『NURO 光』にした」という話を聞いていました。
──アニメ制作などクリエイティブな仕事をする上でも、回線速度の速さは重要ですか?
うなばら海里 とても重要です。特にデータのやり取りをする際に感じますね。アニメーションのデータって何ギガもあるんですよ。クラウドにデータを提出する際、納期が残り1時間なのに、回線速度が遅いとアップロードに3時間かかることもあって。冷や汗をかいた経験が何度もあります。
最近ではリモートでミーティングをする機会も増えたので、回線速度が遅いと画面が止まることも……。今の時代、回線速度の遅さは由々しき問題ですよ。今回つくったループアニメくらいの速さで作業ができるのであれば、早急に検討したいです(笑)。
──『作業用 "高速" Lo-fi Hip Hop』には、クリエイターや夏休み最終日の学生など、時間に追われている人を応援するというメッセージも込められています。うなばらさんは締め切り間近で終われている時、どう集中力を高めていますか?
うなばら海里 まずは、寝ます! 寝ずに頑張るクリエイターの方は多いと思いますが、私は寝ないと頭が回らなくなってしまうんです。
寝不足の状態だと5時間かかる作業が、ちゃんと寝れば3時間で終わることもある。それくらい集中力に差が出ると実感しているので、集中力を上げたいときは、寝ることをオススメします。
幾ばくもなく終わるアニメへの“儚さ”と“尊さ”
──うなばらさんは以前からループアニメを制作されていました。今回のような「ループアニメならではの魅力」をどのように感じていますか?うなばら海里 見たいと思えば永遠に見ていられるところです。アニメーションって制作にすごく時間がかかるのに、見始めたら一瞬で時間が過ぎ去って終わってしまうじゃないですか。私自身は「こんなに時間をかけて描いたのに、もう終わっちゃった」という部分にも魅力を感じてしまうたちなんですが。
その点、クオリティの高いループアニメは終わりなく見ていられるのが良いですよね。私もループアニメを制作する上では、できるだけ途切れず、飽きの来ない映像にすることを意識しています。
なので「ずっと見ていられます」と言ってもらえるとかなり嬉しいです。
──最近では自主制作されたインディーアニメの隆盛で日々新しい作品が生み出されている一方、作品が消費されるスピードも速くなっているように感じます。
うなばら海里 頻繁にクオリティの高い作品に出会えるのは嬉しいですし、個人で活動するアニメーション作家が活躍しやすい時代になったなと感じます。スマホやタブレットなどで手軽に作品をつくれるようになったこと、SNSなど発表の場が増えたことは大きいですよね。
ただ、1つの作品が見られて次の作品にいくまでの時間は、確かに速くなっていると思います。インディーアニメではないですが、最近は倍速でアニメを見る人もいるようなので、実は見ているようで見ていない人も多いのかなと感じることもあります。
つくり手としては動きのタイミングまで一生懸命考えて1枚ずつ描いているので……無料で見られる動画コンテンツが溢れている時代なので仕方がない面もありますが、なんというか諸行無常感(笑)。
とはいえ、アニメーションにもいろいろな表現手法がありますし、つくり手としては時代に適したスタイルに合わせていくことが重要なのかもしれません。たとえばインディーアニメや最近のアニメMVは、絵自体にインパクトを持たせて、枚数は描かないことで消費スピードの速さに対抗しているのかなとも思います。 ──時代ごとに適した表現を模索するというのは大変ですね。
うなばら海里 本当に大変な時代だと思います! 私も頑張って追いつこうとしているものの、私自身は手描きで1枚1枚地道に描いていくのがすごく好きなんですよね。
でも先ほど言ったように、時間をかけたものが一瞬で終わるというアニメーションの儚さ・尊さも魅力を感じるし、それは無くなってほしくないとも思います。ちょっと特殊な感性かもしれないですが(笑)。
──共感や公共性を考える一方で、作家として抱える儚さや尊さへの強い思いもある。今後発表されていく作品が楽しみですが、何か具体的な構想はありますか?
うなばら海里 作品の具体的な構想は内緒ですが、80〜90年代に隆盛していたような少年冒険譚やジュブナイルSFのアニメーションを自分の手で作るのが夢です。
今は個人作家としても商業アニメーターとしても駆け出しなので、様々なプロジェクトに参加して勉強を重ねていますが、ゆくゆくは少人数のチームを組んで新しい表現に挑戦してみたいとも考えています。
個人制作だとできることに限界がある、だからと言って規模が多すぎると全体が見えづらくなる。結束力の強い少人数のチームでアニメーションを制作していくのが理想です。それを実現するためにも、まずは自分が人を集められるくらい実力をつけないとなと思っています。
そして、手描きアニメーションが好きではあるのですが、新しい技術や表現も勉強して、頑張って時代に追いついていこうと思います(笑)。その中で私がまだ表に出せていない作家性が表現できたら嬉しいですね。
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