ベテラン声優も評価する仲村宗悟の「貪欲さ」
──仲村さんは声優としては比較的珍しいキャリアを辿られています。どのように今の道へ繋がっていったのでしょう?仲村 沖縄から上京してきて音楽の専門学校に通い、卒業後は何になるでもなくフリーターをしながら、小さいライブハウスでのライブ活動を何年も続けていました。
でも、ライブに全然人を呼べなくて、もちろん音楽だけでご飯を食べることもできず、気づけば音楽にかける時間よりバイトにかける時間が増えていって、モヤモヤした時期が続いていたんです。
そんなときに芝居をやっている友達の影響で舞台を見に行くようになって、声優という存在に興味を持ち、養成所に通うようになりました。そして事務所所属のためのオーディションに3回目で合格して、デビューしたのが26歳のときです。
──同年代と比べても遅めのデビューだったと思いますが、不安や苦労はありませんでしたか?
仲村 やはり同期は10代が多かったですし、世間的にもデビューは遅いと言われていますが、僕自身は年齢をハンデのように思ったことはありません。
この世界に入るまで時間がかかったぶん、それまでの経験で培ったものを自分だけの武器にできると思っていたから。年齢差があるような同期にも、自分から積極的に話しかけるようにしていました。
──3度もオーディションを受けるというのは、声優への強い思いを感じるエピソードでもありますが、なぜそこまで声優という仕事にこだわっていたんですか?
仲村 僕はとにかく楽しいことが好きで、楽しそうだなと思ったら挑戦しないと気が済まない性格なんです。
声の表現だけで走っている動きや悲しい気持ちを表現する。そんな声優という職業に魅力を感じた瞬間から夢中になり、自分でもやってみたいという気持ちが強くなっていきました。 1度目のオーディションは正直何もわからないままだったので、箸にも棒にもかかりませんでした。半年後に受けた2度目のオーディションでは前回の反省を踏まえて気合を入れて臨んで、最終審査まで残ることができたんです。
結果を待っていたときに知らない番号から電話がかかってきて、「これは!?」と思って出たところ事務所の社長からでした。完全に合格したと思ってましたね(笑)。だから、今回はダメだったと言われ、一瞬でテンションが地の底まで落ちたのを覚えています。
そのとき「半年後にある次のオーディションまでに、どこまで伸びるか見たい」と言われ、二つ返事で受けますと答えて今に至ります。
──3度目のオーディションまでの時間ではどんな努力をされたのですか?
仲村 作品を意識的に見てみたり、僕の先生である声優の岩田光央さんに教わったことを1から実践したりと、とにかく基礎の練習を繰り返していました。
それしか磨けるものがなかったし、小手先の技もなかったので、できることをがむしゃらにやるしかなかったんです。
──岩田さんの著書の中で仲村さんについて「声優としての不可欠なセンスである『貪欲さ』を備えていた」という記述があります。ご自身でも感じる部分はありますか?
仲村 どんなコンテンツでも、関わらせていただく以上中途半端なものにはしたくないし、自然とキャラクターや作品への愛情も深くなっていきます。それを「貪欲さ」と呼ぶならば、やはり強い思いがあると思いますね。
普段から「自分が演じるキャラならこんなときはどうするかな?」って考えるようにしているんです。それが芝居であろうと、キャラクターソングであろうと、キャラクターを通じて表現するという意味で意識の違いはなくて、どんな形であれ演じることに真摯に向き合うようにしています。
経験も挑戦もすべては1つの円で繋がる
──仲村さんがデビューされる頃は、声優がキャラクターの中の人としてライブを行うことも増えていたタイミングだったと思います。従来の声優像とは異なる活動の幅に対して、とまどいや迷いのようなものを感じたことはありましたか?仲村 僕がデビューしたタイミングでは、今ほど男性のアイドル系コンテンツの数も多くなかったと思います。といっても、声優が声だけのお仕事ではなく表に出るようになっていたのも確かですが、僕自身そこを心配することはなく、ただ目の前のことに精一杯でした。
役を演じるにせよ、自ら前に出るにせよ、「楽しい!」や「好き!」が根底にないと気分が乗っていかないので、そういう気持ちを大切にして、自分のできること、挑戦させていただけることには、何事も一生懸命に取り組んでいこうというスタンスですね。
──仲村さん個人としても、声優だけでなくアーティストとしても活動しています。活動の幅が広がることでの苦労はありますか?
仲村 幅が広がることそのものを苦労と感じることはないですね。たとえば今回のような取材や写真撮影など、自分が表に出る場面では、スイッチが入っているような状態になるんです。なので撮影中は恥ずかしくなることもないのですが、後から映像や写真を見ると、別の人を見ているような感覚にもなりますね(笑)。
ただ写真を撮られることや、トーク番組に出演することも表現の1つの形で、やればやるほどに自分の表現の幅を広げてくれるものだと感じています。普段のお芝居とは関係のないように見えても、経験の数だけ引き出しの中身が増えていくと思っているんです。
すべての表現は1つの円で繋がっているような感覚で、全然関係ないように見える経験であっても、すべての表現に還元されると思います。だからこそどんなことであっても、「声の表現に活かせる!活かそう!」と、一生懸命になれるのかもしれません。 ──レギュラー出演されている「声優と夜あそび 2020」では軽快なトークスキルも披露されていますが、一方で、「表に出ている通りの明るい人間だと思われることに戸惑いがある」といった旨のお話をされていたのも印象的でした。
仲村 明るい人間と思われることに戸惑うというよりも、人間にせよ物事にせよ一面だけを見るのは危ないことだと思っているんです。
今はいろんなSNSが流行っていて、匿名だからこその優しさや面白さを感じる一方で、それゆえの怖さもある。真実ではないことが発信されて拡散されていく中で、真逆のものでも真実になってしまうことすらあります。
それは現代を生きる上で誰もが意識しないといけないことだと思っていて、僕自身の発言も、実はそういう思いを込めてのものだったりします……と言いつつも、素直にその場を面白おかしくしたいという気持ちもありますが(笑)。
──活動が広がることで、その人の新しい一面が見れるようになるのはいいことですよね。先ほどからお話にある通り、声優にはますますマルチな才覚が求められていきそうですが、仲村さんとしてはどのように活動していきたいですか?
仲村 いろんな挑戦をさせていただけているのは素直に楽しいですし、すべては演じることにも活きてくると思っているので、できる限りは続けていけたら幸せだと思います。
『アオペラ -aoppella!?-』でのボイパへの挑戦もそうですが、やっている最中はできないことに対する苦しさもあるんです。でも、その苦しさを乗り越えたときに見える景色の美しさは、人生で味わう中でも最高の感覚なので、これからもいろんなことに挑戦していきたいですね。
理想の声優像みたいなものを語れるといいのですが、正直、将来的にこうなりたいってイメージは今のところあまりないんです。やりたいことは目の前にある挑戦ですし、そこからどう広げていけるかは常に模索中の状態。ただ今あることに一生懸命、そういう気持ちで日々取り組んでいます。
仲村 挑戦することで、自分が知らなかった可能性に気づくこともあって、なんとなく霞がかっていた視界が晴れたような感覚になるんです。
『アオペラ -aoppella!?-』での挑戦で、アカペラという自分では選ばなかったであろう道を知ることができましたし、活動を通じてもっと自分自身の可能性を広げていけたらいいなと思います。
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— KAI-YOU (@KAI_YOU_ed) March 5, 2021
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声優・仲村宗悟『アオペラ -aoppella!?-』インタビューhttps://t.co/R4a6gWUKxT pic.twitter.com/ywknZi5B8z
2021年3月12日(金)23時59分まで
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