概要
1975年に、大阪朝日放送がTBS系、毎日放送がテレビ朝日系のネット局になっていた“腸捻転”状態の解消を行った際、毎日放送主導で作られていた仮面ライダーシリーズの放送もTBS系へ移ることになった。
そこで、東映は仮面ライダーの原作者である石ノ森章太郎も交えて、かつて検討されたものの実現しなかった「一度に複数のメンバーが現れてチームで戦うヒーロー」の案を具現化。1975年4月に、シリーズ第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』が放送を開始した。以来、2025年の『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』まで、ほぼ途切れずに放送が続けられた。
ちなみに、「スーパー戦隊シリーズ」という呼称自体は1990年代に確立されたもので、東映の撮影現場では、学園もの、やくざものなどと同列の、ジャンル分けの一種として戦隊ものと呼ばれることも珍しくなかった。
シリーズ全体の特徴として挙げられるのは以下の通り。
- 3人または5人のグループが変身して、基礎デザインは共通しているものの色と目印で差別化を図られた専用の強化服を纏って戦う。後年には、シーズン途中でヒーローが増えるのもお約束となった。
- 悪役が一度倒された後に巨大化して改めて襲いかかり、ヒーロー側も巨大戦力で対抗することが多い。巨大戦力は人型が基本だが、動物型、戦艦などの場合もある。
- 原則として世界観は独立しており、1年で完結する。
2025年末に、ゴジュウジャーで一度テレビシリーズ放送を止めることが公表され、2026年からは、赤色の主人公を基調として幅広いヒーローのあり方を提示する『Project R.E.D.』へ枠が引き継がれることとなった。
実は、1977年に『ジャッカー電撃隊』を放送後、翌78年にはマーベルコミック公認の下で『スパイダーマン』の制作、放送を行い、79年から石ノ森不在の体制でシリーズを再開させた経緯があるため、平成に入るまでゴレンジャーとジャッカーをシリーズの系譜に含めるか見解が分かれていた。
配色の妙
シリーズの特徴として上述した「色と目印で差別化を図られた強化服」だが、各メンバーが纏う色によって人物設定も傾向が顕著になっていった。色と人物設定を結び付ける手法は、その後漫画の登場人物の衣装、髪型などへも波及し定着していく。
以下に、使用頻度の高い順で戦隊での配色傾向を紹介。
初期メンバーの配色
- 赤
全作に存在。
子どもたちの好きな色を調査したところ、男女とも圧倒的な1位を記録したところから、リーダーに置かれることが多い。性格は熱血漢か生真面目になりがち。
平成に入ると、リーダーを別な色へ譲ることでドラマ性の幅を広げる施策がたびたび行われるようになり、特に塚田英明がチーフプロデューサーを務める作品では、レッドを設定年齢、または実戦経験で一番若い位置に置き、若輩ポジションからの成長を見せる手法がパターン化した。 - 青
赤と並んで欠けたことがない色。
ゴレンジャーでは、熱血漢なリーダーのアカレンジャーに対してアオレンジャーはクールな副リーダーと位置付けられたが、シリーズ全体を見ると、クールな人物設定に次いで水にまつわる役目を負う機会が多い。女子がブルーに入る場合は、快活な性格で、つっこみ役を任される。 - 黄
50組中43組で採用。
キレンジャーを引き継いで、力持ちな設定になることが多い。こちらもキレンジャーのイメージで、恰幅のいい体型を想像されがちだが、女子2人制を執り始めた際に2人目の女子の色になると、2000年代以降は女子1人のチームでもイエローを女子に充てる例が増え、男女比23:20とほぼ同数で推移している。 - 桃
50組中37組で採用。
女子の専用色として男子メンバーにいない役割を任される。ゴーカイジャーやトッキュウジャーにて、一時的に男子メンバーが多段変身でピンクの力を使う描写を経て、ドンブラザーズでは史上初の男子ピンクが登場。 - 緑
50組中24組で採用。
ミドレンジャーの若輩ポジションを踏まえることもあれば、一歩引いた視点からチームを支える副リーダーになることもあるし、レッドへの対抗意識を隠さない性格になることもある。
アジア以外の国では瞳孔の色が青い人も珍しくなく、CG編集時の背景でブルーバックを使うと俳優の目も埋もれてしまう危険があるためにグリーンバックの利用が一般的になってから、グリーンの動く箇所だけ別途ブルーバックを用意しなければならないという手間もあって、採用頻度が大きく減った。 - 黒
50組中23組で採用。
悪役のデザインでは多用されてきたが、映像、音響用家電に使われる機会が増え、親近感が増したところでヒーロー側にも採用されるようになった。上述のCG加工の都合からグリーンに代わって採用頻度を増やしているが、どちらかが初期メンバーにいてもう片方が助っ人として追加されるなどの過程を経て、グリーンとブラックが共存するチームもある。
ブルーのクールとも違う飄々とした性格、もしくはレッドに次ぐ熱血漢になりがち。 - 白
50組中7組で採用。ピンクともイエローとも違うイメージを求めて、初期メンバーでは女子が充てられることが多い。 - 橙
バトルフィーバー、キュウレンジャー、ブンブンジャーで採用。配色はイエローの代わりとも見えるが、3人とも人物設定はクール寄り。
このほか、キュウレンジャーでは金と銀、キングオージャーでは紫が初期メンバーに使われている。
助っ人の配色
ここでは、初期メンバーとスーツデザインが近い、いわゆる“6人目”に絞るものとする。
毎年のように担当色が変わるため、採用が早い順で列挙。
- 白
ジャッカーでビッグワンが追加されて以来、計7回採用。助っ人のホワイトは色名を使わない専用の呼称が用意されており、変身するのは全員男子。 - 黒
ライブマンで3人スタートから追加された2人の片方。初期メンバーに採用される機会が増えたことで、助っ人枠のブラックは(今のところ)デカマスターが最後で計5人。ブラックバイソン以外は、年齢または立場が初期メンバーより上。 - 緑
こちらもライブマンの追加メンバーで採用された色。グリーンの助っ人は、前年にもX1マスクがいたが、1回きりの参戦ということでX1マスクを番外扱いされることもある。ゴレンジャーの初期メンバーにグリーンがいた影響もあってか、X1マスクを含めても、助っ人ではグリーンサイ、ドラゴンレンジャー、シュリケンジャーの4人だけ。 - 銀
メガレンジャーから数えて計11回採用。ホワイトよりもスーツの汚れが目立ちにくいという都合に加えて特別感を強調できるのが利点と言われている。 - 赤
タイムファイヤー、ホウオウソルジャーに加えてもう1人いるのだが、ネタバレに関わってしまうため割愛。 - 臙脂
カブトライジャーが該当。 - 紺
クワガライジャーが該当。厳密にはハリケンジャーと別組織、ライバル関係なゴウライジャーだが、途中から共闘するため、公式には助っ人扱いである。 - 金
マジシャイン以降、計10回採用。ルパンエックス/パトレンエックスとドンドラゴクウは、1人でゴールドとシルバーを兼ねている。 - 紫
ゲキレンジャー、キョウリュウジャー、キュウレンジャー、ブンブンジャーと3回採用。色名で呼ぶ場合はバイオレットで統一されている。 - 橙
トッキュウ6号が該当。
作品一覧
- 秘密戦隊ゴレンジャー(1975~77)
- ジャッカー電撃隊(1977)
- バトルフィーバーJ(1979~80)
- 電子戦隊デンジマン(1980~81)
- 太陽戦隊サンバルカン(1981~82)
- 大戦隊ゴーグルファイブ(1982~83)
- 科学戦隊ダイナマン(1983~84)
- 超電子バイオマン(1984~85)
- 電撃戦隊チェンジマン(1985~86)
- 超新星フラッシュマン(1986~87)
- 光戦隊マスクマン(1987~88)
- 超獣戦隊ライブマン(1989~90)
- 高速戦隊ターボレンジャー(1989~90)
- 地球戦隊ファイブマン(1990~91)
- 鳥人戦隊ジェットマン(1991~92)
- 恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992~93)
- 五星戦隊ダイレンジャー(1993~94)
- 忍者戦隊カクレンジャー(1994~95)
- 超力戦隊オーレンジャー(1995~96)
- 激走戦隊カーレンジャー(1996~97)
- 電磁戦隊メガレンジャー(1997~98)
- 星獣戦隊ギンガマン(1998~99)
- 救急戦隊ゴーゴーファイブ(1999~2000)
- 未来戦隊タイムレンジャー(2000~01)
- 百獣戦隊ガオレンジャー(2001~02)
- 忍風戦隊ハリケンジャー(2002~03)
- 爆竜戦隊アバレンジャー(2003~04)
- 特捜戦隊デカレンジャー(2004~05)
- 魔法戦隊マジレンジャー(2005~06)
- 轟轟戦隊ボウケンジャー(2006~07)
- 獣拳戦隊ゲキレンジャー(2007~08)
- 炎神戦隊ゴーオンジャー(2008~09)
- 侍戦隊シンケンジャー(2009~10)
- 天装戦隊ゴセイジャー(2010~11)
- 海賊戦隊ゴーカイジャー(2011~12)
- 特命戦隊ゴーバスターズ(2012~13)
- 獣電戦隊キョウリュウジャー(2013~14)
- 烈車戦隊トッキュウジャー(2014~15)
- 手裏剣戦隊ニンニンジャー(2015~16)
- 動物戦隊ジュウオウジャー(2016~17)
- 宇宙戦隊キュウレンジャー(2017~18)
- 快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー(2018~19)
- 騎士竜戦隊リュウソウジャー(2019~20)
- 魔進戦隊キラメイジャー(2020~21)
- 機界戦隊ゼンカイジャー(2021~22)
- 暴太郎戦隊ドンブラザーズ(2022~23)
- 王様戦隊キングオージャー(2023~24)
- 爆上戦隊ブンブンジャー(2024~25)
- ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー(2025~26)
派生、外伝作品
- パワーレンジャー(1993~不定期)
ジュウレンジャー以降の作品を海外向けに輸出。変身後の戦闘シーンは日本の原典映像を流用し、素面のドラマシーンだけを現地で撮り直していたが、徐々に流用部分は巨大戦のみへと変わっていった。 - 獣電戦隊キョウリュウジャーブレイブ(2017)
韓国で独自に作られたキョウリュウジャーの続編。ただし、撮影は主に日本で行われた。 - 非公認戦隊アキバレンジャー(2012、13)
本家と同じスタッフによるセルフパロディ。 - スーパー戦隊最強バトル(2019)
放送期間調整のため、4放送回限定で作られたスペシャルドラマ。 - 世紀末戦隊ゴレンジャイ(1995、2001)
フジテレビ系『ダウンタウンのごっつええ感じ』の1コーナーとして放送された、ゴレンジャーのパロディコント。ゴレンジャーと同じ配色がなかなか揃わない点を、逆に悪役から指摘、叱責されるのがコントの土台。
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