ソニーグループとバンダイナムコホールディングス(バンナムHD)が5月8日(木)、ブロックチェーン技術を扱うスタートアップ企業・Gaudiy(ガウディ) に対し、総額100億円を出資したことを発表した。
ソニーが70億円、バンナムが30億円を拠出するこの大型投資は、IP(知的財産)を軸に世界と繋がる新たな共創圏の形成を視野に入れている。
拡張するGaudiyの野心と「ファン国家」構想
Gaudiyは2018年設立した株式会社。NFT(非代替性トークン)やDID(分散型ID)などのブロックチェーン技術を活用し、IPごとの独自コミュニティを構築する共創型ファンプラットフォーム「Gaudiy Fanlink」を、大手エンターテインメント企業に提供している。
サンリオやバンナム関連企業との協業を経て、同社は「ファン国家」の実現を目指すという。
今回の資金は、M&Aの加速、海外拠点の整備、エンジニア採用などに充てられる方針で、すでに米国・ニューヨークにGaudiy US Inc.を設立している。
MyAnimeList×Crunchyroll──IPの“世界線”を束ねる布石
Gaudiyは両社との連携し取り組む、5つの重点分野を発表。
・日本発IPのグローバル展開
・次世代クリエイター育成
・データ利用/活用
・ブロックチェーンによる新エコシステム」
・生成AIによる新しい体験創出」
ソニー傘下のアニメストリーミングサービス「Crunchyroll」、Gaudiy傘下のアニメ/漫画のSNS「MyAnimeList」、そしてバンナムのIPを掛け合わせ、国際的なファン基盤の連動を目指すという。
バンナムの桃井信彦さんも「IP軸戦略をグローバルにつなげたい」と語っている。
講談社、集英社、ブシロードも株主に
また、今回の出資とは別に、講談社、集英社、ブシロードなどの7社も株式交換を通じてGaudiyの株主となっている。
GaudiyのCEOである石川裕也さんは「人々の熱狂を起点とした、価値の共創と分配のあり方を探る」とし、“ファン国家”の創造をビジョンに掲げている。
なお、石川裕也さんは5月8日に自身のnoteを更新。こちらでも、Gaudiyがめざす未来像や現状、その実現に向けた戦略について綴っている(外部リンク)。

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