ダズビー『orbit』レビュー 感情を学ぶ少女の星、めぐりめぐる恋の軌道

「歌う楽しさを忘れたくない」 煌めく星の“軌跡”

常々夢見てきた日本を舞台にオリジナル曲のアルバムを出せたことが嬉しいです。

時間が経っても歌う楽しさを忘れたくないですね。

2011年から楽曲の投稿をしてきたダズビーさんの長い活動歴からして、今さら「新人/ルーキー」と名付けるのもおかしい気がする。その分、『orbit』は長らく待ち焦がれてきたオリジナル楽曲のメジャーデビュー作となる。

『orbit』FC限定盤イラスト

本作で語られるメッセージの内容や、パフォーマンスの完成度を踏まえると、ダズビーさんが韓国在住で、インターネット・クリエイター発のアーティストという文脈はそこまで重要ではないのかもしれない。

それでも本作におけるアーティストのそのような背景は、インターネット・カルチャーを通してJ-POPを夢見たアーティストが、その夢をいかにして実現してきたかを辿る軌跡として捉えることもできるだろう。

星の住人が、次はどんな本を持ち出すだろうか。その星の行方はどうなるだろうか。少女が紡ぐ物語の「次」が期待される。

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ダズビー

アーティスト

ハスキーな声質を清らかに通して繊細な感性を備えた女性ボーカリスト。

不思議な星の図書館で過ごし、人間の感情を学ぶ少女の目線で、独自の音楽観を展開する。

その世界観をベースに、時にたおやかに、時に切なく、時につややかに歌うことを通して、情動そのものを描き出す。

韓国で生まれ育つも、幼い頃から日本のアニメやカルチャーに親しむ。2011年からは、インターネットを中心に幅広いジャンルのカバーやオリジナル楽曲を投稿。

2021年より韓国の音楽事務所・レーベルであるAccelers(アクセラーズ)に所属。2022年3月には、1st シングル「声の在り処」で、ユニバーサルミュージックからメジャーデビューを果たす。

同年11月、YouTubeチャンネル100万人の登録者数を達成、現在120万人に届く勢いである。カバーアルバム『Remindful』シリーズを経て、2023年、初のオリジナルアルバム『orbit』を発表。

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