日本「ノベルピア」の代表が登場! 日本作品への熱い思いを語る
──日本版のサービス開始から1周年を迎えましたが、改めて、韓国のサービスである「ノベルピア」が進出先として日本を選ばれた理由や決め手はなんでしたか?日本は文学や漫画、アニメの分野において、世界で躍進を遂げていると思います。
弊社グループの会長(※)も、昔から東野圭吾さんの大ファンで、日本の小説に強い関心を持っていました。
韓国では、小説といえば電子書籍が主流で、紙の書籍はほとんど発行されていません。韓国と比べて、日本は紙の出版に重きを置いているように見えていました。
紙の書籍は海外展開の際に、ライセンス契約や印刷など多くの労力と時間がかかります。もっと言えば、それだけの労力や時間に見合ったリターンが見込める作品でなければ、海外展開のチャンスは巡ってきません。どれだけ面白い作品でも、アニメ化などの展開が行われていない限りは世界に紹介される機会さえ得られない場合もあります。
Web小説やWEBTOON、Webコミックというジャンルにおいては、書籍化(紙出版)への思いが強く、日本の素晴らしいコンテンツが世界に広がりづらくなっている側面があるのではないかと考えています。
手助け……とはニュアンスが違いますね。微力ではありますが、「ノベルピア」としても挑戦したいという思いでした。
とはいえ、本当は世界で評価され得る作品がそのチャンスを得られないというのはとても残念ですし、その橋渡しができればビジネスになると判断して日本進出を決定しました。
利益よりも、作家のために…書籍化という投資
──「ノベルピア」日本版を1年間運営されてみて、当初の想定と実際に運営して驚いたことはありましたか?韓国の「ノベルピア」では、成人向け作品が一番人気です。なので、日本でも同じ傾向になるのではないかという想定でした。蓋を開けてみると、実際にはいわゆる異世界転生などの全年齢向け作品の方が需要が大きかったです。
私個人としては、日本のWeb小説の面白さを信じていたので、全年齢向け作品の方が人気になるというのは予想通りでしたね。
もう一つは、思ったよりも作家さんの紙での出版への思いが強かったです。他のインセンティブより、書籍化することの方が嬉しいという声を多くいただきました。
そうですね。ただ、企業としては、紙の出版はあまり利益にはならないんです。
それでも、日本の作家さんにとって書籍化が大切な目標だと理解しているので、「ノベルピア」としては投稿してくれている作家の皆さんの努力にお応えしたいと思っています。ですので、書籍化については「ノベルピア」の利益というより、作家の皆さんへの投資だと考えています。
とはいえ、書籍化という目標を達成した後も、引き続き「ノベルピア」への投稿をお願いしています(笑)。
韓国のWeb小説全体の傾向とは違いますが、「ノベルピア」では10代後半から30代までの男性がメインユーザーになってます。日本の「ノベルピア」のユーザーとほぼ同じだと思います。
とにかく日本の作品を世界に届けたい
──5月にスタートしたWebコミックサービスは、どういった判断で始まったのでしょうか?漫画の場合も、小説と同じくプロになりたくて研鑽を積んできたアマチュア作家さんがたくさんいます。そうした方たちが経験を積める場を提供したいと考えました。
「ノベルピア」では、WEBTOONに特化したプラットフォームよりも、門戸を広げたい。商業媒体での連載経験がない方、アマチュアの作家さんでも気軽に投稿できる環境をつくることができればと思っています。
世界のWEBTOONプラットフォームの運営は大半が韓国の企業です。
WEBTOONは韓国が発祥ですが、日本で「ノベルピア」を運営するにあたって、ただ韓国の作品を翻訳して日本に持ってくるだけではなく、日本にいる作家さんたちが手掛けた作品を世界に届けたいんです。
だからこそ、なるべく日本のテイストに合わせた広告クリエイティブを作成・使用しています。
今、韓国の「ノベルピア」で流行っている異世界転生などのジャンルは、日本人がつくり出したものです。もちろん、韓国でつくられた作品には韓国の作家たちの個性が宿っていますが、私自身も昔から日本のライトノベルが大好きで、日本のコンテンツのパワーを信じています。
映像化され、世界から注目されるような作品を「ノベルピア」から生み出したいというのが、私個人の希望です。日本のコンテンツのクオリティが高いことは、すでに世界中が知っていますが、改めて、日本には素晴らしい作品があることを世界に発信したい。
日本の作品を今以上に世界市場に広げるために、「ノベルピア」と共に挑戦してくださる作家の皆さんのご投稿をお待ちしています。
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