総合芸術への意欲 「NIGHT HIKE」はイラストレーターが見たことのない景色
──さきほど、イラスト以外のさまざまなものが、表現の引き出しになっているというお話がありました。音楽や映像など、異なる表現が交わる「NIGHT HIKE」への出演は、お二人にとってどんな意味があるのでしょうか?
LAM はじめて参加したとき、「イラストレーターがこれまで見ることのなかった景色だな」と感じました。
僕が参加した「SYNK」は、DJの音楽を起点に、イラストや映像、VJがリアルタイムで一つの表現をつくっていく。まさにパフォーマンスであり、アーティストのライブに近いものだと思いました。
僕は音楽やアイドルが好きで、人前でキラキラ輝く人たちをリスペクトしています。自分がイラストレーターとして絵を描くことも、こういう感動やエンターテインメントにつながるんだと思えた。人生の中でも、すごく鮮烈な経験でした。

LAMさんが過去に出演した「SYNK」の様子
イリヤ 私はずっと、絵を描くのは孤独な仕事だと思っていました。でもライブペイントでは、リアルタイムで観客席の反応を感じられる。
「どう描けば、みんなが楽しんでくれるだろう」と、エンターテイナーとして考えるようになったんです。みんなと一緒にこの絵を描いているような感覚が生まれるんですよね。
LAM サイン会やトークショーはあっても、ステージに上がって歓声をもらうような機会は、イラストレーターにはあまりありません。自分がリスペクトしている音楽の人たちのように、ステージの上で輝く体験ができたことも、すごく貴重だったと思います。
──今回の幕張での「NIGHT HIKE」では、どんなパフォーマンスを見せたいと考えていますか?
LAM 以前「SYNK」に出演した経験を生かして、もっとよく、もっとかっこよくできることを模索しています。また進化した姿を見せられたらいいですね。
イリヤ 私はあえて台本をつくらず、その場の雰囲気やお客さんを見ながら描こうと思っています。その場でしか生まれない特別なものをつくりたいです。
──今後、新たに挑戦してみたい領域や表現はありますか?
イリヤ 私は子どもの頃、小説家になりたかったんです。これからはもっと物語に携わる仕事がしたいですね。
キャラクターデザインを担当したゲーム『Villion:Code』でも、監督にお願いして、しゃべる猫が登場するサブクエストの脚本を書かせてもらいました。
それから、アニメ制作には私の好きなものが全部集まっていると感じます。脚本を読んで、カメラの位置やキャラクターの演技を想像しながら絵コンテを描く。そこに音楽、アニメーション、声優の演技、背景美術が加わって、一つの作品になっていく。
最近では『Guns Undarkness』のアニメーションパートや『サイバーパンク: エッジランナーズ』のED曲のMVで監督をつとめましたが、そうしたアニメーションの仕事には、これからもっと挑戦していきたいですね。
LAM 僕自身、様々なコンテンツに喜びを貰ってきたので、今度は自分が誰かを喜ばせる側になれたらと思っています。先日スタートしたショートアニメプロジェクト「DemVAMPS」もそうですし、ジャン=ポール・ゴルチエの影響もあって、舞台のような総合芸術にも興味があります。
自分の持っているものを使って、まだ試したことのない方法で人を喜ばせられるなら、ぜひやってみたいですね。

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