現代のTRPG※ブームを牽引するシナリオの一つである『カタシロ』。
実況者グループ・驚天動地倶楽部のメンバーであるディズムさんによって制作されたこのシナリオは、TRPG好きだけでなく、VTuber、ストリーマー、俳優、作家、精神科医など幅広い層にプレイされている。
物語には思考実験などが組み込まれ、ゲームマスター(GM)との問答によってプレイヤーの価値観を掘り下げながら、十人十色の物語を紡ぎだしてきた。
これまで『カタシロRebuild』『カタシロRebuild 侵蝕』と2度の舞台化を経てきた同作が、ついに実写映画化。
『カタシロReplica』として、テアトル新宿にて、6月21日(金)から27日(木)にかけて、キャストを毎日変えながら上映される。
事前のクラウドファンディングでは支援金が2250万円を超え、期待値の高さをうかがわせていた。
今回は映画化に際して、シナリオ作者であり、映画でも企画・脚本と「医者」役のキャストをつとめるディズムさんに話をうかがった。
※TRPG(テーブルトークRPG)とは、GMの用意したシナリオに沿い、物語を体験する遊び。ルールブックを参考に、プレイヤーのロールプレイやダイスによる判定によってGMが自由に物語を改変することができる。そのため同じシナリオでも遊ぶ人によって全く異なる展開になることもある。
目次
舞台の縁からはじまった『カタシロ』の映画化
──『カタシロReplica』のプロジェクトが始まったきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
ディズム 一番最初のきっかけは『カタシロ Rebuild 侵蝕』の制作でもお世話になった プロダクション魁さんから、テアトル新宿で上映する作品をつくらないかというお話をいただいたことでした。
テアトル新宿さん経由で、俳優さんもキャスティングできるということだったので色々と考えまして。
僕の別シナリオ『ロールシャッハシンドローム』を映像化する話も持ち上がったんですが、あのシナリオはGMとプレイヤーの間に関係値があった方が面白い展開になるので。
せっかくこれまでに関わりのなかった人をお呼びできるのであれば、やっぱり『カタシロ』で行こうと決めました。
映画『カタシロReplica』にむけて見出した方程式
──今作では舞台『カタシロRebuild』と同じく「患者」役には台本が渡されず、キャスト毎に一発撮りで撮影が行われています。オーソドックスに1本の作品を撮影する選択肢もあったかと思いますが、なぜこの形式を取ったのでしょうか?
ディズム せっかくやるのであれば、自分らしさが出ればいいなとは思っていました。
それに加えて、僕は当然、映像については素人です。普通に映画を撮ったらその道の専門家には敵わないというのがわかりきっていました。
それを鑑みて、どういう撮り方なら面白い作品をつくれるかと考えた時、台本も渡さず一発撮りで撮影し、それを編集で繋いでいってみようと。
そうして生まれる作品は、人によっては「こんなの映画じゃない」と感じるかもしれない。それでも、何か新しいものになるんじゃないかと思い、挑戦しました。
この記事どう思う?
関連リンク
4件のコメント
小林優介
コメントありがとうございます。KAI-YOU編集部の小林です。
ご指摘いただきありがとうございます。
大変失礼いたしました。該当箇所の記述は先ほど訂正いたしました。
どうぞよろしくお願いいたします。
匿名ハッコウくん(ID:10409)
記事楽しく拝読させていただきました。
「惹きつけられる物語を即興で生み出す力」の章の中で声優「相馬愛奈さん」と記載がありますが、上演スケジュールでは「相羽あいなさん」になっています。
個人のお名前なので、お手数ですがご確認いただけますでしょうか。
小林優介
コメントありがとうございます。KAI-YOU編集部の小林です。
ご指摘いただきました件、大変失礼いたしました。
先ほど訂正いたしました。
どうぞよろしくお願いいたします。