人気イラストレーターの制作環境、欠かせない「左手ツール」

 
──学生時代はアクリル絵の具でイラストを描かれていたとのことですが、現在はデジタルでイラストを描かれています。いつ頃デジタルへ移行したのでしょうか?
 
lack 大学1年生のとき、友だちが結構良いスペックで安めにPCを組んでくれて、そこからPainterで絵を描きはじめました。
 
アナログでは絵の具代が月1万円くらいかかっていて、それに比べてデジタルはどんなに絵を描いても画材代がかからないと感動したのを覚えています(笑)。そこからずっとデジタルで描いています。
 
──アナログにはないデジタルだからこそできる表現はどういったところに感じますか?
 
lack 写真や映像のような画面のライティング表現はデジタルならではかなと思います。マットペイントと呼ばれる表現もそうですね。
 
2009年にYouTubeに投稿した動画で、骸骨のキャラクターを描いて、その上に別のレイヤーで生きているときの顔を描いて、最後に動画でゆっくり生きているときのレイヤーを透明化していって骸骨姿に戻す──というデジタル画の実験をやってみたんです。

これもデジタルならではの表現かと思います。そもそも描いている工程を完全に録画するのもアナログだと難しい気もしますね。  
──現在はどのような作業環境でイラストを描かれているのでしょうか。
 
lack デスクトップPC1台に板タブと液タブとモニターを繋げています。自分はPCの知識がまったくないので、BTO(Build To Order)で注文してPCを組んでもらっています。

使用ソフトは、ブラシのカスタマイズの幅広さが特徴のCLIPSTUDIOをメインで使いつつ、納品する前は必ずPhotoshopを使って仕上げています。色空間の設定やカラープロファイルが一番正しいのはPhotoshopなんですよ。
 
──デジタルでイラストを描く際にこれだけは欠かせないと感じるツールはありますか?
 
lack GriffinのPowerMateという「左手ツール」は必須ツールです。円柱型で上のボール部分がクルクル回り、それに応じてブラシの先端の拡縮が自在にできます。もう1つメインで使っているロジクールのG13とPowerMateを併用しているんですけど、この2つの組み合わせを上回るものがない。
 
でも残念なことに、もう販売していないんですよ……。似た感じの左手ツールをほかのメーカーさんも出しているんですけど、これを超えるものは出てこないですね。
 
いま販売しているツールで個人的にオススメなのはRazerのTartarusですね。現在の自分の作業環境に限りなく近い状況を再現できます。

lackさんの作業環境。中段右にあるのが「Legion550i」/写真はlackさん撮影

 
──やはりイラストを描かれる上でPCや機材などのスペックは気にされていますか?
 
lack 徐々に気にするようになりました。大学時代に小さいデュアルモニターと線画を描く用の液タブのトリプルモニターにしたら、マシンスペックが低くて「PhotoshopもCLIPSTUDIOも全然動かん!」と憤ってからですね(笑)。

あとは、YouTubeでも配信するようになってからデータの解像度が上がってしまって、放送しながら絵を描くのにスペックが必要になってきたのも大きいです。それ以降は「いま一番トップクラスのスペックのPCを買おう」と考えるようになりました。
 
──最高のスペック以外で、ツールや機材選びのときに意識するポイントがあれば教えてください。
 
lack グラフィックボードの性能ですかね。Photoshopを使うにしてもCLIPSTUDIOを使うにしてもYouTubeライブをするにしても、グラフィックボードの性能が高くないと難しいので。あとは色の再現度の高いモニターを選んでいます。

「正直舐めてました」イラストにも動画編集にも使える「Legion550i」

lackさんに使用してもらった「Legion550i」

 
──今回はLenovoの売れ筋モデルのゲーミングPC「Legion550i」を使用していただきました。まずは実際に触ってみての率直な感想を教えてください。

lack 過去に作成したレイヤー枚数の多いイラストのファイルも問題なく開けて、かつレイヤーを追加して描いても重くなりませんでした

日頃から練習しているPCでのデッサンもできたので、イラストを描くのに不自由な点はなかったですね。CLIPSTUDIOの立ち上がりもスムーズですし、作業そのものも快適でした

個人的には左手ツールが使えない(※編注:すでにドライバのDLができないため)ことが難点でしたが、これは本当に個人的な環境に寄るものなので、必要ない人は問題ないと思います(笑)。

──使用される前はどのような印象をお持ちでしたか?

lack 遠い昔、一瞬だけノートPCを使ったことがあったのですけど、Webブラウザを開くのにも10分かかるような性能にキレ散らかして使うのを止めてしまったんですよ。

それ以来、僕にとってノートPCは地雷だったので、今回も正直舐めていました。でも「Legion550i」はちゃんと使えて「これは僕の知ってるノートPCじゃない!!!」と感心しました。すみません(笑)。

欲を言えば、マウス代わりに使えるパッドの右側にスクロールバーが欲しいですね。あれが付いているノートPCは結構多いと思うので、「Legion550i」にはなかったのでマウスを繋がないと不自由かなと思いました。マウスを繋げば問題ないんですけどね。 ──「Legion550i」は質量約2.3kg、バッテリー駆動時間約11時間となっています。外出時や自宅以外での作業にも問題なく使えそうだと感じますか?

lack 僕の場合は板タブを繋いでいるので持ち歩くのは大変かもしれないです。でも、ビジネス用のバッグに入れて持ち歩いて外で描けるとは思います。

今回はコンセントに繋がない状態のスペックを試さなかったので、コンセントを繋げずともスペックが落ちないかは気になるところですね。少なくとも電源に接続した状態ではまったく問題なく描けました。

仕事絵の容量でも描けたので、動画編集も問題なくできると思います。少なくとも自分がやっているような動画ファイルをAfter Effectsで読み込んで、尺を短くしたり音を合わせたりといった作業をするぶんにはまったく問題ないと思います。

──処理能力を上げる際には「パフォーマンスモード」、アイドル時は「静音モード」にシフトダウンと切り替えが可能ですが、lackさんは作業中に環境音を気にされるタイプですか?

lack 普段はゲームの実況動画を見ながら絵を描くほど音がないと落ち着かないので、環境音はほとんど気にしないです。とはいえ「Legion550i」から作業の妨げになるような音はありませんでしたね。 ──これからデジタルでイラスト制作をはじめようとしている人にとって、スペック的に問題なさそうでしょうか?

lack 解像度も十分ですし、イラストを描きはじめる人が使うならまったく問題ないですね。モニターのレベル的にプロレベルの色管理は難しいですけど、そもそもプロレベルの色の再現度はノートPCを選ぶ上で必ず付きまとう問題なので。ちなみに僕は動画編集用に使いたいですね。めちゃめちゃ便利だと思います。

──先ほどからたびたび動画や動画編集に関するお話がありますが、lackさんがYouTubeなどでイラストの制作過程をライブ配信しようと思ったのはなぜですか?

lack 最初はニコニコ動画のゲーム実況が好きで、自分もやりたいと思ったのがそもそものきっかけです。でもやり方がわからなくて、結局ただの生配信になって、最終的にゲームはやらずにイラストを描く様子を配信してるという状況です(笑)。
[イラストメイキング]褐色メカクレメイドさん制作動画
──2018年からスタートしてすでに3年目ですが、イラストレーターの方々が作業の様子を配信する理由をどのように考えていますか?

lack 人によって違うと思うんですけど、僕の場合は情報収集が一番大きな理由ですね。イラストレーターという仕事は、ともすれば家に閉じこもって、誰とも話さずに作業することが多くなります。でも配信をすると、コメントを介してではあるものの、コミュニケーションをとることができる。

その上で僕の場合は、コメントでトレンドや新しいツールの情報をもらえることが多いんです。僕の配信を見てくれる人の中には、同じように絵を描いている人や3Dをつくっている人、アニメ制作に携わる人がいるので、そういった人たちから、新しい情報を得られるのが大きいですね。

イラストの仕事を目指す人に伝えたい3つのこと

 
──イラストレーターやキャラクターデザイナーの活躍の場が広がっていて、目指す人も増えてきていると感じます。そんな方たちに向けて最後にアドバイスをお願いします。
 
lack 3つあります。第一に冒頭でお話した「自分が設定したスケジュールは守る」ということ。当然ですけど、もし守れないなら早めに連絡をすることですね。
 
第二に「インプット」をしっかりしたほうがいい。フリーだといつ仕事が途切れるかわからないから、案件を取れるだけ取ろうと思ってしまう。頑張れば頑張っただけ稼げますし、有名になれば仕事の質も上がっていくので。でもそうするとインプットを忘れがちになり、アイデアが枯渇してしまうんです。
 
自分もフリーで仕事を受けはじめた頃は、発注内容を見ただけでアイデアが湧き出るように絵を描いていました。僕の場合、背景ありのキャラクターのイラスト1点で14時間かかるんですけど、それが月30枚とかになると、どんどんアイデアが出なくなって……。

出涸らしのような状態で無理やりひねり出していました。だからやっぱり遊ばないとダメだなと。美術館に行ったり、ゲームしたり、アニメ見たり。いろいろな表現に触れて、自分の中に取り込む時間をつくるようにしています。
 
──良い品質の作品を描くためにもインプットが重要ということですね。では、三つ目はいかがでしょうか?
 
lack 第三は「名前の出る仕事を選ぶ」こと。いまは少ないかもしれませんが、フリーになった当時は、自分が描いたと公表できない仕事もあったんです。

お金はもらえるけど次に繋がらない。大量生産の歯車として消費されているだけなので、極端な言い方をするとイラストレーターとして受ける価値がないと思います。
 
自分のイラストレーターとしての価値を大きくするため、存在を宣伝するためにも、関わったことを公にできて人から自分を見てもらえる仕事を優先して選ぶべきだと思います。

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プロフィール

lack

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イラストレーター/キャラクターデザイナー

長野県出身。フリーランスとして活動している。TCGやアプリゲームのイラストや、バーチャルYouTuber「魔界ノりりむ」「不知火フレア」「アルランディス」のキャラクターデザインなどを担当。またYouTubeやニコニコチャンネルなどでイラストレーションの制作講座動画の配信を行うなど、個人チャンネルでも多くのファンを抱える。

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