直近では、作中における伝説のユニット「Ray」初のシングル「Beautiful World / HYBRID」が11月25日に発売。12月23日には、アニメ楽曲を収録したラピスリライツ・スターズの2ndアルバム『SKY FULL of MAGIC』をリリースした。
楽曲リリースを記念して11月23日に配信された番組には、「Ray」のメンバーからSっ気のある吸血鬼の令嬢・カミラを演じる上坂すみれさんが出演。ティアラ役・安齋由香里さん、メアリーベリー役・赤尾ひかるさんと共に『ラピスリライツ』の魅力を掘り下げていた。
伝説的ユニットへの参加もうなずける経歴と実力を兼ね備える彼女だが、自らへの視線はいたって冷静で謙虚。そんな上坂さんが本作で感じた「煌めき」の正体──『ラピスリライツ』だけが放ちうる魔法的魅力を探る。
取材・文:オグマフミヤ 編集:恩田雄多 撮影:寺内暁
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上坂すみれが語る「すみぺと魔女」
──配信おつかれさまです。改めて『ラピスリライツ』の魅力はどのような部分にあると感じられましたか?上坂すみれ(以下、上坂) 初見の人がこの作品に触れるポイントは曲かアニメだと思うんですが、まず曲は本当に全部かっこよくて、捨て曲みたいなものが1つもないですよね。
それぞれハイクオリティながらユニットごとにガラッと雰囲気も違いますし、アニソンらしくもありながら、ライブチューンでもあるし、それでいて日常の通勤・通学とかで聞いても元気が出るような曲が揃っていてすごいと思います。
アニメは衣装のディティールやキャラクターの表情がとっても綺麗に描かれていて、第1話を見たときは私自身もびっくりしました。
今回の生配信でも感じましたけど、赤尾さんや安齋さんが楽しそうにやっていて、見ているほうもついつい笑顔になってしまう。あの若手女性声優ならではの可愛さとしなやかさ、そして根性が感じられるのも魅力的です。 ──上坂さん自身も若手と呼ばれる場面はあると思いますが、それでも特別に感じるものがあったんでしょうか?
上坂 私も若手なんですけど……「何かが違う!」と感じたんです(笑)。彼女たちのように、経験から来る「こういうときはこうする!」といったヒントがない状態で挑戦することは、つまり全力でぶつかって、時にはダメージも負うということだと思います。
それを承知でいろいろなことに挑むまっすぐな姿勢が、キラキラしているように感じましたし、羨ましくも思えて、とにかく素敵でした。今この瞬間だからこそ感じられる、若手女性声優たちの煌めきを見逃さないでほしいですね。 ──刮目、していきます。『ラピスリライツ』は魔法やアイドルをテーマにしていますが、上坂さん演じるカミラが魔女であるように、「魔女」も重要なモチーフになっています。上坂さんはハロウィンで魔女の仮装をされたこともあり、魔女というモチーフとの関係は深いように感じます。何か特別な思い入れもあるのでしょうか?
上坂 私はロリータファッションが好きなんですが、そういう服はゴシックな世界観で魔女モチーフなものが多いですし、『コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜』という作品では魔女っ娘も演じたので、確かに魔女とは縁が深いような気がします。
でもカミラは吸血鬼要素も強いですよね。私は吸血鬼とも縁があるほうだと思うんですが、『ラピスリライツ』に登場する魔女の定義はとても広いなと思いました。加えてこの作品の魔女は、ダークで怪しいのではなく、ポジティブな存在として描かれているのが面白いです。 ──カミラのように、出番は少ないながらも重要なキャラクターは様々なアニメやゲームに登場します。そういったキャラクターを演じたり、今回のような作品をアピールする場に参加したりする上で、意識していることはありますか?
上坂 キャラクター設定や背景はどんなキャラクターにもきちんとあるので、個人的には、他のキャラクターを演じるときと心持ちはあまり変わらないです。カミラはゲームではかなりたくさんボイスを録っているので、演じていくうちに、より自分の中にイメージがわいてくるようになりました。
そういう作品に自分自身が宣伝などに参加させていただく場合については、ケースバイケースなので一概には言えませんが、やはりメインの方やキャラクターをまずは見てほしいので、自分はそれを引き立てたいという思いが強いですね。
上坂すみれの考える「いいS」ってどんなS?
──「主人公ユニットの中のお姉さんポジション」を演じることはあっても、伝説級の先輩キャラという役柄はキャリアの中でも珍しいように感じました。後輩からの憧れや尊敬を集める役柄にご自身の現在の心境とシンクロする部分もあるのでしょうか?上坂 あまり先輩みたいな気持ちは芽生えていないようです(笑)。年齢が下でもキャリアが上、ということもままある業界なので、どの方にも敬意を持っています。正直、人見知りもあいまって、よっぽどのことがないと敬語がやめられないです! ──ちなみにカミラは「Sキャラ」という設定ですが、配信で上坂さんが、求められるS像に忠実なカミラを見て「SはサービスのS」と仰っていたのが印象的でした。これはご自身の活動においても通じることなのでしょうか?
上坂 私自身の場合は「ファンである同志のみなさんがどうすれば喜んでくれるか」はすごい考えますけど、いざやると少しはみ出ていたりするので…その意味ではあまりいいSとは言えません(笑)。
無理してやりたくないことをやっているのは、見ている人にもわかってしまうので、私のできる範囲を越えて求められるイメージに応えるってことはないですし、どちらかというと私の素にみなさんが合わせてくれてる感覚ですね。
──「Ray」としてリリースされた楽曲「Beautiful World」と「HYBRID」は、両A面という形式の必然性を感じさせる強烈な楽曲に仕上がっていました。
上坂 「Beautiful World」はオケが主役で、それに言葉がのっかってるようなイメージです。アニソン然としているというよりは、より洗練された楽曲という感じですね。
本当にかなり攻めた雰囲気なんですよ。もっとゴリゴリのアニソンで「強いっ!」っていう雰囲気の曲かと思っていたので、天上人のような神聖な雰囲気に驚きました(笑)。でもそれが「Ray」の凄味を感じさせる要因にもなってるんだと思います。
伝説のユニットであるがゆえに、(中の人的に)伝説のスケジューリング(※)をしないと実現が難しそうですが……。
※Rayのユニットメンバーキャスト:花澤香菜さん(エリザ役)、南條愛乃さん(クロエ役)、雨宮夕夏さん(あんじぇ役)、上坂すみれさん(カミラ役)、佐倉綾音さん(ユズリハ役) ──やはりこの豪華なメンバーには上坂さん自身も伝説感のようなものを感じられたんですか?
上坂 自分で「私は伝説!」とは思わないです(笑)。でも、あんまりアイドルアイドルしていないキャストなので、確かに構成としては珍しいかもしれません。
声質が同じ人がいないんですよね。1回聞けば「このパートはこの人が歌ってるな」ってわかる布陣なのは素敵です。
恩田雄多
コメントありがとうございます!編集を担当した恩田です!
このタイミングでお話をうかがえたことで、非常に読み応えのある内容になりました。
匿名ハッコウくん(ID:4226)
上坂さんのフリーになった理由、今の考える仕事へのスタンス、何より演技とキャラクターへの真摯さと愛が感じられる読み応えのある記事でした