トランプ大統領がゲーム実況サイト「Twitch」に参加　さっそく演説の様子を配信

アメリカのドナルド・トランプ大統領が「Twitch」のアカウントを開設した。

さっそくミネソタ州・ミネアポリスで行われた演説の様子をライブ配信したようで、その動画がアーカイブされている。また、執筆時点でフォロワーは約23000人となっている。

今後は、演説含め、政治的なメッセージを発する場として活用していくことが予想される。

ゲーム規制に積極的だったトランプ大統領

2018年2月にフロリダ州にあるマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で起こった銃乱射事件を受けて、ゲームメーカー数社の代表と非公開の会談を行ったトランプ大統領。

当時のメディアの報道によると、トランプ大統領はいくつかのゲームで描写される暴力的なシーンを集めて編集した動画を例に、「これは暴力的ではないか？」と参加者に問いかけたという（外部リンク）。 この報道に対しては様々な反応があり、「銃は外国からの侵略を防ぐための予防策である」と主張する者。

対して、「他国でもこれらのゲームはプレイできるが、銃乱射事件は起こっていない。NRA（全米ライフル協会）について話したらどうか」と、ロビー活動の有力団体で、銃規制の壁になっている全米ライフル協会に言及する者などがおり、意見は対立している。

なお、ゲームなどの暴力表現と犯罪行動の因果関係は立証・証明されていない。

メディア戦略の一環か

WOW, THANK YOU Minneapolis, Minnesota — on my way! #KAG2020 pic.twitter.com/Czl6GbCCxN

— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) October 10, 2019

ではなぜ「Twitch」のアカウントを解説したのかといえば、これはメディア戦略の一環だろう。

就任以来蜜月の関係にあったFox Newsに不満を表している昨今は特に、自分の裁量でメッセージを発信できる場をトランプ大統領は求めている。

しかしながら、トランプ大統領は、Twitchを所有するAmazonのCEO ジェフ・ベゾスさんが社主を務めるワシントン・ポストについて、同紙がAmazonの税逃れ、政治的利用のために運営されているとツイートして以降（事実関係は否定されており、証明されていない）、犬猿の仲であることは周知の事実。

もともとやり手のビジネスマンだったトランプ大統領である。ゲームの規制には積極的であることや、そうしたジェフ・ベゾスさんとの対立はさておいて、配信プラットフォームとして多くの人が集まる「Twitch」を使うのはメリットがあると判断したと考えることができる。

頻繁に投稿するTwitterはもとより、Instagram、Facebook、YouTubeなど多くのSNSを駆使するトランプ大統領にとって、ゲーム配信者が多いという他にない属性を持つ「Twitch」は魅力的だったのではないだろうか。

少なくとも、トランプ大統領が『Fortnite』のプレイ配信をする姿は想像できない（めちゃくちゃ観てみたいが）。