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映画『スノーホワイト/氷の王国』とは? 前作と全く異なるアクションが凄い続編

『スノーホワイト/氷の王国』/画像はFacebook公式ページより

2012年に公開された映画『スノーホワイト』。

その続編として、日本では2016年5月27日に封切られたのが、今回ご紹介する映画『スノーホワイト/氷の王国』です。

前作『スノーホワイト』は、賛否両論ありながらも、日本では主に女性から支持されていました。続く続編が一体どうなるのか期待されるなか、約4年ぶりに公開された今作は、前作から大きな進化、むしろ前作を観なくてもいいほどの進化を遂げています……!

前作を観なくてもいいとは一体どういうことなのか……? 前作を踏まえつつも、ここにレビューしていきたいと思います。

文/azs

※ここから先は、多少ネタバレを含んでおりますのでご注意ください

スノーホワイト=強い女性、戦う白雪姫

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新作を語る前に、まずは『スノーホワイト』がどんな作品だったのかを簡単に説明いたします。

スノーホワイトは、王国の誰からも愛された子であった。母を亡くし、父王とふたりきりになっても、彼女は気丈に明るく振舞っていた。しかし、戦場で捕虜となっていたラヴェンナを助けた父王は彼女の虜となり、なんと次の妃にしてしまう。父王を殺し、王国を乗っ取ったラヴェンナ。捕らえられたスノーホワイトは、そのまま城に幽閉された。―――数年後、美しい姿に成長した彼女は、わずかな隙をついて城から逃亡。追跡に手配された狩人(ハントマン)のエリックはスノーホワイトを追うも、ラヴェンナに騙されていたことを知り、今度はスノーホワイトを助けるべく行動を共にすることにした……。 映画『スノーホワイト』(2012年)のあらすじ

グリム童話『白雪姫』を原作に、大胆なアレンジで新たな物語として生まれ変わった『スノーホワイト』。

原作にあるようなグロテスクな雰囲気も残しつつ、絵本やアニメでの『白雪姫』にも登場する、魔法の鏡や毒りんごといったキーアイテムもしっかりと出てきます。

“闘う白雪姫”と銘打ったこの作品は、文字通り甲冑を身に纏ったスノーホワイトと呼ばれる白雪姫が剣を手に、悪の魔女・ラヴェンナに挑むという、わたしたちの知る『白雪姫』からイメージを一新した、“守られるだけではない、自ら行動する強い女性たち”を描いたものとなっています。

そこにキャストと映像の美麗さも相まって、特に女性からの評価が高いダークファンタジーとなりました。
映画『スノーホワイト』予告編

続編『スノーホワイト/氷の王国』は前作とは全く別の作品!?

『スノーホワイト/氷の王国』豪華日本語吹替え版トレーラー
1作目の公開から約4年、ついに公開されたのが2作目であるこの『スノーホワイト/氷の王国』です。

たった今前作を振り返ったばかりですが、正直なところ観なくても問題ありません!

というのも、確かにおおまかな設定やキャストの引き継ぎはあるものの、それでもなお「観なくてもいい」と言えるほど、前作と今作が全く別の作品として成り立ってしまっているからなのです。

スノーホワイトに討たれた魔女・ラヴェンナ。その物語のずっと昔々……。ラヴェンナには彼女に似て美しく、そして強大な魔力を持った妹がいた。その名はフレイヤ。かつて狩人(ハントマン)のエリックが仕えていた、氷の女王である。ある日、ラヴェンナの遺した魔法の鏡が行方知れずとなる。それをフレイヤが狙っていると知ったエリックは、ドワーフのニオンたちと共に魔法の鏡を探す旅へと出ることに。道中、立ち寄った酒場で戦闘になるも、その窮地を救ってくれたのは―――なんと、かつてエリックの目の前で死んだはずの妻・サラだった……。 映画『スノーホワイト/氷の王国』(2016年)のあらすじ

スノーホワイト/氷の王国

スノーホワイト/氷の王国

今作の主人公は、なんとハントマンのエリック

前作ではスノーホワイトの仲間として一緒に旅をし、彼女を支えた人物のひとりです。

ラヴェンナと、ある取引をし、はじめはスノーホワイトを追うハンターとして登場。しかし、騙されていたことを知ると、今度は礼金と引き換えにスノーホワイトの護衛として行動を共にします。

やがてはお互いに信頼し合える存在となっていくのですが、そんな彼が今回の主役ということで、続編というよりもスピンオフ作品だったようです。

では、スピンオフなのに前作を観なくてもいい、というのはどういうことでしょう。

それは、十分に単作として理解できるストーリーになっており、今作だけを観ても特にわからない部分や気になるところは出てこないからです。

逆に、予習のつもりで前作を観てしまうと、少しつじつまの合わない部分が出てきたり……。前作の補完は劇中冒頭で簡単に説明が入りますし、それだけで十分必要な情報は手に入れられるので、わざわざ前準備として観なくてもOK。

舞台もスノーホワイトの王国ではなく、エリックの過去に関する物語なので前作のキャラクターもほとんど登場しません。実際、スノーホワイトにおいては、瞬きしたら見逃すくらい一瞬だけのご出演です。

それなのに、邦題ではでかでかと“スノーホワイト”と謳っていることもあり、一部ファンからはタイトル詐欺とも言われていたりするそうです……。(ちなみに原題は「The Huntsman: Winter's War」)

『スノーホワイト/氷の王国』の見所は超豪華キャスト陣!

『スノーホワイト/氷の王国』/画像はFacebook公式ページより

『スノーホワイト/氷の王国』/エリック/画像はFacebook公式ページより

今作において、まず特筆すべき点は、前作に輪をかけて豪華なキャスト陣! よくぞここまで取り揃えたなという感じです。

主人公・エリックを演じるのは前作に引き続き、今や押しも押されぬ人気の俳優のクリス・ヘムズワース。なんとなく見覚えのある人も多いのではないでしょうか。

そう、日本でも大ヒットしたマーベル映画『アベンジャーズ』や単独作品『マイティ・ソー』のソー役で一躍有名になりました。神様譲りの(ソーは神です)マッチョな肉体と、その鍛え抜かれた身体から繰り出されるアクションの数々に血湧き肉躍る!

前作では妻を失った悲しみから酒に溺れ、粗暴な一匹狼キャラとして登場した彼ですが(それもまたよかったです)、今作ではサラが生きていた喜びからなのか、天然とも言える発言を連発したり、高い崖から城の屋根に飛び移ろうとして危うく転落するも「チョーウケルー」(意訳)的なノリをみせるなど、だいぶ丸く(?)なったように見受けられます。

尻尾を振る大型犬のような魅力が滲み出ていて、たまりません!

そして、エリックの妻・サラを演じるのが、ジェシカ・チャステイン
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『スノーホワイト/氷の王国』/サラ/画像はFacebook公式ページより

最近の出演作に『インターステラー』『クリムゾン・ピーク』『オデッセイ』など話題作が多いので、こちらもよくみる顔ではないでしょうか。前作ではスノーホワイトの幼馴染・ウィリアム(今作にもちょこっただけ出てくるよ!)がみせた華麗な弓さばきを引き継いだサラは、それだけじゃなく肉弾戦も得意。

エリックと張るほどの戦闘能力を持っています。いや、むしろエリックを尻に敷く勢いの気の強さも持ち合わせているので、軍配はサラにあり?

強気な女性は見ているこっちも強くなった気がして気持ちがいいですし、かつ実際に強いなんてかっこいい以外のなにものでもないですね!

次に、本作のヴィランであるフレイヤを演じるのは、エミリー・ブラントです。彼女といえば『プラダを着た悪魔』!
『スノーホワイト/氷の王国』/エミリー・ブラント/画像はFacebook公式ページより

『スノーホワイト/氷の王国』/エミリー・ブラント/画像はFacebook公式ページより

ちょっといじわるな先輩アシスタントを演じていましたね。それから、おとぎ話つながりでは『イントゥ・ザ・ウッズ』、日本のライトノベルが原作で話題となった『オール・ユー・ニード・イズ・キル』ではトム・クルーズと共演、心体共に最強女性戦闘員を演じていました。

大きな剣を振り回して戦う姿にはホレボレとしましたが、今回の彼女は氷の魔法を操ります。愛に裏切られたフレイヤは愛を捨て、集めた子供たちからをも愛を奪って最強の軍団をつくり上げます。

今作では、フレイヤとエリック、そしてサラとの深い因縁が、物語を大きく進めていくのです。

最後に、この人を忘れてはいけません。ラヴェンナ役、シャーリーズ・セロン
『スノーホワイト/氷の王国』/シャーリーズ・セロン/画像はFacebook公式ページより

『スノーホワイト/氷の王国』/シャーリーズ・セロン/画像はFacebook公式ページより

最高にイカした大傑作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のフュリオサ大隊長―――!!!

いい者役でも悪い者役でも、芯のぶれない強い女性を演じさせたら、誰も文句は言えません。実際、彼女が出てきただけで息をするのも憚れるくらいの“圧”。

スクリーンの向こうからでもビシビシと伝わってきます。ものすごい迫力です。

キエェエエエエエッ!!!!! ってなるシーンなんかチビりそうになりますよ。

それなのに、お美しいことこの上なし。キレイは凶器、その美貌で国々を乗っ取ってきたわけですからね。また、ラヴェンナは一貫して悪に徹しているのもポイント高し。自分の脅威になるものは一切許しません。

今作でもその凶悪さを見せつけてくれるので、彼女がいるだけで画面が引き締まります。美しいだけじゃなく、強さも兼ね揃える女性は本当に魅力的。これは前作から受け継いだ、最も成功した部分ではないでしょうか。
『スノーホワイト/氷の王国』FreyaConfrontsRavenna
三者三様のキャラクター、この三つ巴の戦いを観るだけでも十分満足できると思います。

また、今作においては衣装もより美しく、きらびやかになっているので、女性からの支持は前作以上に期待できることでしょう。

『スノーホワイト/氷の王国』は、より抜群なアクションに!

『スノーホワイト/氷の王国』 15秒WEB限定スポット<Action>
先ほど紹介した3人の主要人物が繰り広げるアクションシーンは、前作よりもパワーアップしていてかなり見ものです。

前作では確かに、戦う白雪姫という設定はとてもよかったのですが、正直、そのウリであるアクションシーンが少なかったことが不満点でした。

少ないというと語弊がありますが、壮大に描きたかったのであろうはずの、大群の兵士たちの戦いがそれほどあまりにフィーチャーされずに景色になっていたり、エリックたち仲間もそれぞれが活躍するわけでもなく、一方的に殴られている印象。

クライマックスのスノーホワイトとラヴェンナの対決に至っては、あっという間に決着がついてしまいます。

しかし、今回は氷の女王フレイヤが育てた、“ハントマン”という戦いのプロフェッショナルたちが複数登場するので、彼らとエリックたちの激突は激しく、そして華麗な立ち回りをみることができます。

エリックがくるくると斧を回しながら複数の敵とやり合うシーンは目が離せないどころか、息も詰まる白熱バトル! サラも明らかに周りよりも高い戦闘力をみせてくれますし、ふたりがハントマンのなかでも最強、という描写が分かりやすいので、対複数でも勝つのか負けるのかハラハラさせられます。

こういった感情が生まれる余地ができた、ということが前作との比べるべき部分です。前作では何を思うよりも前に戦いが終わってしまっていたわけですから。

また、子供の頃にハントマンとして育てられた経験が、皮肉にも今の自分をつくり上げているものの、その力をもって過去と対峙し、未来を切り開いていこうとするエリックやサラに感情移入できたことも、良かったと思います。

ただのアクションシーンに深読みできる色がついたということが、物語に奥行きをつけることに繋がりました。

さらにエンタテインメント性を高めた観やすい作品に

前作でVFX(映像演出や合成技術の1つ)スーパーバイザーを務めたセドリック・ニコラス=トロイアンが、今作の監督を務めています。そのせいか、前作とは作風が変わり、おどろおどろしい雰囲気から、かなりの方向転換をしています。

『スノーホワイト』がダーク・ファンタジーとしたら、『スノーホワイト/氷の王国』はアクション・ファンタジー。画面も雰囲気も演出の明るさも、違いが分かりやすく見て取れ、また、VFXもよりパワーアップしています。

フレイヤが繰り出す氷の魔法は、美しくもあり刺々しくもあり、スクリーンを覆う迫力に息を呑まされます。姉妹の魔法対決はどちらに軍配が上がるか、悩ましいほどにスタイリッシュでかっこいい! ラヴェンナVSフレイヤ…!? (1) 前作は女性の評価が高かったところを、今作ではアクション性の高さや画面の派手さによって、男性の支持も集められるのではないかと思うくらい万人向きに仕上がっています。友人や家族、恋人と一緒に、ポップコーン映画として観るにはちょうどいい仕上がり。

前作と今作は比べるのもおかしなくらいにテイストが違うので、それぞれで違う楽しみ方ができる、面白いシリーズになったのではないでしょうか。日本での公開もまだまだ始まったばかり。

美しくも最凶の姉妹、そしてエリックとハントマンたちの物語をぜひ、新たなおとぎ話の1ページに加えてみてください。

(C) Universal Pictures

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作品情報

『スノーホワイト/氷の王国』

公開日 2016年5月27日(金)〜
監督 セドリック・ニコラス=トロイヤン
脚本 エヴァン・スピリオトポウロス、クレイグ・メイジン
製作 ジョー・ロス 「マレフィセント」「アリス・イン・ワンダーランド」
製作総指揮 サラ・ブラッドショウ、パラク・パテル
配給 東宝東和

■出演者
クリス・ヘムズワース(“ハンター”エリック)
シャーリーズ・セロン(“邪悪な女王”ラヴェンナ)
エミリー・ブラント(“氷の女王”フレイヤ)
ジェシカ・チャステイン(“戦士”サラ) 
ニック・フロスト

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