伊藤計劃『ハーモニー』『虐殺器官』の原画を展示 「Project Itoh展」

SF作家・伊藤計劃さん原作の劇場アニメ『屍者の帝国』『ハーモニー』『虐殺器官』の展示会「Project Itoh展」が、11月10日（火）から23日（月）まで、秋葉原にある東京アニメセンターにて開催される。

本展では、実際に本編に使われている原画や制作資料、キャラクター原案をつとめたイラストレーター・redjuiceさんのイラストパネルなどを展示。入場は無料となっている。

公開延期となった劇場アニメ『虐殺器官』に関する展示も

『屍者の帝国』『ハーモニー』『虐殺器官』は、2009年に34歳という若さで逝去した伊藤計劃さんの作品群をアニメ化する「Project-Itoh」の一環として制作されているアニメ作品。

当初は3カ月連続で公開される予定だったが、11月13日（金）に公開予定だった『虐殺器官』が制作体制見直しのため公開延期となり、それに伴って、12月4日（金）に公開予定だった『ハーモニー』の公開が繰り上がり、11月13日からの公開となった。

延期された『虐殺器官』については、制作を担当していたアニメ制作会社・マングローブが9月29日付けで事業を停止、破産手続きに入っており、いまだ公開時期は明かされていない。第1弾の『屍者の帝国』は10月2日から公開されている。

伊藤計劃が見た風景、遺した物語

「Project Itoh展」では、『虐殺器官』『ハーモニー』『屍者の帝国』の3作品を原作としたアニメに関する資料を展示。特に『屍者の帝国』は、伊藤計劃さんが執筆途中で亡くなったため、冒頭の30枚だけが遺された未完成の作品だったが、伊藤さんの盟友である小説家・円城塔さんが書き継ぎ、完成させた作品として知られている。

伊藤計劃さんが物語に封じ込めてきた人間や世界に対する「絶望」と「希望」。その一部を垣間見ることができるかもしれない。

追記：複製原画パネルの販売なども

「Project Itoh展」では、実物パネルや原画、設定資料等の展示に加え、グッズ販売も行われている。

会場では、展示されているイラストを含めた14点を収録したポストカード型図録が販売されているほか、redjuiceさんによる各3作品の複製原画パネルの受注受付も開始。

キャンパス貼り木枠パネルのP10サイズ（409×530mm）が¥34,000、P20サイズ（530×727mm）は¥48,000。アクリルマウントパネルはB4（257×354mm）が¥13,500となっている。

展示パネルのキャプションに記載されているQRコードから注文できるほか、「Project Itoh展」と連動した「uncron」Webサイトにて申し込みすることができる。