3MC1DJのヒップホップグループ・TOKYO HEALTH CLUB(THC)が発売したニューアルバム『4』。これまでにキャッチーなサウンドとアイディアの詰まったMVで人気を集めてきたTHCは、新作の発売でチャリティーに挑戦。10周年を飾るに相応しい秀作『4』をぜひ聴いてもらいたい。
そのためにも今回は、これまで発売した3枚のアルバムやMVとともにその足跡をたどりながら、最新作で見せたライブハウスやクラブへの支援といった直近の彼らの姿までを紹介していく。
メンバー全員が多摩美術大学の同級生という変わり種でもある。すでに名前にも遊び心が表れているが、自身のレーベル・OMAKE CLUBを束ねながら、他のアーティストとのコラボや風変りなMVの撮影など、THCは常に新たな挑戦を続けてきた。
まず、1stアルバムにして500円という価格で衝撃を呼んだ『プレイ』。収録された表題曲「プレイ」のMVもこれまでになかったつくりでリスナーの意表を突いた。出演しているメンバーが最初は動かず、口だけ動くという不気味な映像はついつい癖になってしまう。プレイ / TOKYO HEALTH CLUB
2ndアルバム『HEALTY』に収録された「CITYGIRL」のMVも面白い。渋谷のシティーガールをリレー形式で追いかける構成になっており、まるで村上龍の小節『ライン』のように次々と主役が変わっていく。
CITYGIRL / TOKYO HEALTH CLUB official MV
そして3rdアルバム『VIBRATION』では所属アーティストのZOMBIE-CHANG(ゾンビーチャング)との共作で話題を呼んだほか、「ASA」のMVもまた、ファンの心を掴んだ。望遠レンズの強みを活かしたつくりが特徴で、まさに発想の勝利と言える。
ASA / TOKYO HEALTH CLUB official MV
THCは、実験的作品という表現がぴったりなMV、そしてMVに決して負けないキャッチーなサウンドとスキルフルなラップで人々を魅了する。美大出身だからこそ研ぎ澄まされたその制作センスは、ヒップホップを聴かない層にも受け入れられて人気を集めた。
2017年には「supermarket」がテレビ東京「モヤモヤさまぁ~ず2」の主題歌になったこともあり、スマッシュヒットを記録。これまたMVも変わったつくりになっており、好事家から支持を集めている。TOKYO HEALTH CLUB「supermarket」
2018年には「NO NINJA TOKYO」で鋼田テフロンとコラボ、さらに「HなGAL」ではKick a Showとコラボし、ストリート寄りのサウンドに挑戦。新たなファン層の開拓に繋がった。
感染拡大予防のためリリースパーティーは軒並み中止。パーティーの会場となるはずだったライブハウスやクラブも営業自粛を余儀なくされ、今後の運営も危ぶまれている。ここでTHCは英断を下した。 4月15日にリリースするはずだったアルバムをBANDCAMPで先行販売。売り上げた金額で困窮するライブハウス・クラブを支援すると表明した。持ちつ持たれつの関係であったイベント会場とアーティストが、苦境に陥って共に支え合う。現在は通常販売となっているが、その姿もまたTHCの新しい挑戦の1つとなった。
残念ながら時勢もあってMVの制作には至ってはいないとのことだが、新作『4』は間違いなく名作である。羊文学のボーカル・塩塚モエカをゲストに迎えた「リピート」は哀愁溢れるスムースナンバー。今年リリースされた数多の曲の中でもベストを争う出来に仕上がっている。 また、メンバーの盟友でもあるGAMEBOYSのCHAPAHが参加した「△(Delta) 」はユニゾンの厚みが楽しいキャッチーな仕上がり。ダルボーイが綴った「ローリングクソーンズに俺はなりたい。糞転がしに俺はなりたい。」というリリックは、一歩間違えれば全世界を敵に回しかねないが、それもTHCならではの遊び心だ。 メンバー4人でつくり上げた4枚目のアルバム『4』は、ほかにも名曲揃いでTHCの結成10年目を記念するにふさわしい作品となった。今後もTHCが挑戦を続ける姿から目が離せない。
※記事初出時、一部表記に誤りがございました。お詫びして訂正いたします。
そのためにも今回は、これまで発売した3枚のアルバムやMVとともにその足跡をたどりながら、最新作で見せたライブハウスやクラブへの支援といった直近の彼らの姿までを紹介していく。
遊び心のあるMVが魅力 TOKYO HEALTH CLUB
TOKYO HEALTH CLUBの4枚目となるフルアルバム『4』がリリースとなり、4月15日より各種サブスクにて配信開始となった。遊び心のあるキャッチーなヒップホップを体現してきたTHCは、DJ/トラックメイカーのTUBAMEとSIKK-O、JYAJIE、DULLBOYの3MC1DJユニットだ。メンバー全員が多摩美術大学の同級生という変わり種でもある。すでに名前にも遊び心が表れているが、自身のレーベル・OMAKE CLUBを束ねながら、他のアーティストとのコラボや風変りなMVの撮影など、THCは常に新たな挑戦を続けてきた。
まず、1stアルバムにして500円という価格で衝撃を呼んだ『プレイ』。収録された表題曲「プレイ」のMVもこれまでになかったつくりでリスナーの意表を突いた。出演しているメンバーが最初は動かず、口だけ動くという不気味な映像はついつい癖になってしまう。
2017年には「supermarket」がテレビ東京「モヤモヤさまぁ~ず2」の主題歌になったこともあり、スマッシュヒットを記録。これまたMVも変わったつくりになっており、好事家から支持を集めている。
アルバムを前倒しで発売、ライブハウス支援へ
そして遂に先ごろアルバム『4』が発売となったが、残念ながら新型コロナウィルスの脅威がTHCにも襲い掛かってしまった。感染拡大予防のためリリースパーティーは軒並み中止。パーティーの会場となるはずだったライブハウスやクラブも営業自粛を余儀なくされ、今後の運営も危ぶまれている。ここでTHCは英断を下した。 4月15日にリリースするはずだったアルバムをBANDCAMPで先行販売。売り上げた金額で困窮するライブハウス・クラブを支援すると表明した。持ちつ持たれつの関係であったイベント会場とアーティストが、苦境に陥って共に支え合う。現在は通常販売となっているが、その姿もまたTHCの新しい挑戦の1つとなった。
残念ながら時勢もあってMVの制作には至ってはいないとのことだが、新作『4』は間違いなく名作である。羊文学のボーカル・塩塚モエカをゲストに迎えた「リピート」は哀愁溢れるスムースナンバー。今年リリースされた数多の曲の中でもベストを争う出来に仕上がっている。 また、メンバーの盟友でもあるGAMEBOYSのCHAPAHが参加した「△(Delta) 」はユニゾンの厚みが楽しいキャッチーな仕上がり。ダルボーイが綴った「ローリングクソーンズに俺はなりたい。糞転がしに俺はなりたい。」というリリックは、一歩間違えれば全世界を敵に回しかねないが、それもTHCならではの遊び心だ。 メンバー4人でつくり上げた4枚目のアルバム『4』は、ほかにも名曲揃いでTHCの結成10年目を記念するにふさわしい作品となった。今後もTHCが挑戦を続ける姿から目が離せない。
※記事初出時、一部表記に誤りがございました。お詫びして訂正いたします。
この記事どう思う?
関連リンク
鼎
ジャパニーズHIP HOPが好きなゲイライター
これまでの記事はこちら
http://mosthigh.tokyo/2018/04/07/profile/
2件のコメント
恩田雄多
編集部の恩田と申します。ご指摘ありがとうございます!
大変失礼いたしました。先ほど修正いたしました。
匿名ハッコウくん(ID:3336)
鋼田テフロンが鎌田テフロンになってる笑