FANTASTIC EROTICA

AV女優が見る、AVというコンテンツの変化

紗倉まなさん(左)と戸田真琴さん(右) ──ここまでAV女優のセルフプロデュースや副業に話が及びましたが、あらためてAV女優から見た「AV」という存在の役割や、起きている変化についてもうかがいたいです。

紗倉 役割の一番は、性的な承認欲求のはけ口になることですよね。やはりAVは娯楽でしかないんです。最近は「AVの教科書化」を問題視する向きもありますが、「娯楽が教科書になるのか?」と問われたら、知識のひとつとして使えることがあっても、うまく使えない場合は凶器になり得ますよね。

編注:性行為においてAVで得た知識を偏重したりその行為を模倣してしまう「AVの教科書化」の問題が、たびたび議論されている

戸田 私は娯楽やエンタメって「役割ではないところで仕事をするのが役割」だと思っていて。その点でAVは「過激なセックス」や「ファンタジー化されたセックス」でしか満足できない人のためにあるんだと思います。必要とされるからある、というだけ。

これはまったく敵意などではない事実として聞いてもらいたいのですが、AV女優は「生産しない一方的な消費者」がいてこその職業だという側面もあります。生産しない人は、その分だけ消費が早いからです。次々に「欲しい」と求められるものに、安く、早く、より綺麗な女の子で、より過激で満足できるものをひたすら追求していったら……そのコンテンツは衰退につながるんじゃないかと思います。

一辺倒な消費やユーザーさんの要求に答えるだけではなく、AV業界に関わるひとりひとりがアイデアを惜しまず、それぞれの個性を表しながら新しいものを生み出せるよう、心にゆとりをもって制作していけたらいいな、とは感じています。

紗倉 まこちゃんがコラムやTwitterでも「消費される」という言葉をよく使っているけど、いまの話が重なったなぁ。 戸田真琴さん(左)と紗倉まなさん(右) 紗倉 普通の女の子が、世間からの好意と悪意に晒され、消費されて、絞りかすみたいになったとき、その子がどういったセカンドキャリアを築くのか。今、AV女優のみんなが常々考えるのもそこだと思う。だからこそ、考えている人は現実的だし、冷めてるといえるかもしれないんですけど……ある意味、大人だなって。

まこちゃんの話に頷けることが多くあるし、ユーザーの求めるものが増えて満足してもらえないから、それをやらざるを得ないという部分も少なからずあるのかも。

──「ユーザーの求めるもの」は、AV女優さんたちも肌で感じるんでしょうか。

紗倉 もちろん感じます。ユーザーは飽きが早いですし、AVでしていることはセックスでしかない。結局はそれにどうやって肉付けしていくか、という作業なので。

たとえば、ギャップを生むという意味では、他のメディアですごく強気な発言をして、AVの中では罵られる役を演じることで背徳感を掻き立てるというのも、ひとつのプロデュース方法ですね。ただ、それは人の歪んだ感情につけ込んだものでもあるので……私個人の思いとしては複雑です(笑)。

戸田 歪んだ感情や薄暗い感情をターゲットにしている作品はありますね。「レイプもの」や「寝取られ」といった、背徳感を味わうようなものとか。

紗倉 うん。最近は特にそういったものが多い気がする。 紗倉まなさん 紗倉 そういえば、FANZAさんが最近発表した調査データ(外部サイト)にびっくりしたんですけど、女性のアダルト検索ランキングに「痴漢」が上位で入っていましたよね。されたいわけではないけれど、やっぱり「タブー」とされているものには好奇心が沸くのかな。

戸田 それはあるのかも。痴漢という行為は絶対に良くないけど、別の論理が働いてタブー化されて、その言葉が隠されることで良くない効果が出ることもあると思っていて。

AVのタイトルで、「女子◯生」みたいに◯で隠すじゃないですか。私、それって逆にいやらしく見えて逆効果な気がするんです。

紗倉 うん。私は「おせっせ」(性行為を指す隠語)に対してもそう思う(笑)。

戸田 隠された言葉の奥に対しての欲望を必要以上に煽るし、自分の中にある人に見せてはいけない感情をさらに膨らませてしまうというか……。それに伏せられてる言葉そのものは普通の言葉じゃないですか。隠すことで良くないイメージを付け加えられて、言葉そのものが持つ意味性が変わってしまう。

紗倉 本来タブーではなかったものを、「タブー化」しているんだね。 戸田真琴さん 戸田 そうそう。隠すことで、その価値観を持っている人と、そうでない人との溝が深まってしまうことが一番怖いというか。人には言えない欲望だけが膨らんでいったり。全部を規制してしまうと、取りこぼされる人や価値観が出てきてしまう。

本当は、何がタブーで、何が見せていいものかの判別って、なだらかにグラデーションになっているべきで、その中から自分に合ったレベルを選べた方がいいんじゃないかって。

紗倉 日本の文化は、もともと性に関しておおらかだったと思うんです。春画もすごくオープンな文化だったけれど、文明開化で西洋から「野蛮な国家」として見られないように禁止されてしまいました。だけど、日本にはイチモツの形をしたものが神社に奉られていたりするわけじゃないですか(笑)。

戸田 日本は「むっつりスケベ状態」になっているのかも。性欲や性への興味が減ったわけではないのに、タブー化されて言えないようになったことで、それらは人間の内部でうずまくだけのものになってしまった(笑)。 戸田真琴さん(左)と紗倉まなさん(右) 戸田 規制が強まる一方で、たとえばSNSは、誰かの審査の目を通さずに発信できるツールですよね。今はその内部のうずまきを見せようと思えば、誰でも発信できて、それを「良い」と言える人とつながることもできる。そういった「多様性を受け入れる流れ」は、タブー化で隠し通すこととは真逆の方向で働いていったらいいなと思います。

紗倉 選べる時代であるべきだよね。その方が生きやすい社会だと思う。そういう意味で、FANZAさんはあらゆるものを取り揃えて、気持ちに応えやすくしているんでしょうね。

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