これまで、多くの若者に刺さるコンテンツを世に送り出してきた「QT by quark tokyo」とはいったいどんな集団なのか?
ライターのツマミ具依が、“若者に刺さるコンテンツの作り方”を知るため、表参道のオシャレなオフィスを突撃取材!!
取材・文:ツマミ具依 写真:山口雄太郎 編集:須賀原みち
若者の気持ちを知りたくて……
こんにちは。ライターのツマミ具依と申します。最近ショックだったことは、若者は「ケータイ」という言葉を使わないと知ったことです(皆、「スマホ」と呼ぶらしい)。
こんな感じで、若者との距離感がどんどん広がっている今日この頃。
少しでも若者の感覚を取り戻したい!
ということで、最近、若者にウケているCMをちょっと調べてみました。
どちらのCMも“学生”をテーマにしていて、親近感もあるし、確かに若者にウケる理由もなんとなくわかります。
こんなふうに、若者向けの広告を作っている人だったら、きっと今の若者の気持ちがわかるに違いない! つまり、若者の感覚を取り戻すためには、このCMを作っている人に話を聞けばいいんじゃない?という寸法です。
そんなわけで調べてみると、これらの広告を制作したのは、ポップなCMやMV、舞台演出などを手がける「QT by quark tokyo」さんということがわかりました。なんでも株式会社Quark tokyoの専門チームで、若者に刺さるコンテンツを数多く生み出しているんだとか。
「QT by quark tokyo」の公式HPによると……
なんかスゴそう(語彙力)。「QT by quark tokyoは、ミレニアルズを中心とした新しいマーケティングコミュニケーションが必要なターゲットに最適化されたマーケティング戦略の立案とクリエイティブディレクション、そして制作プロデュースを行っています」
さらに、公式HPの紹介欄を見てみると…… え、アー写??
これほんとに会社のホームページかよ……。
M!LKの板垣瑞生さん、元アイドリング!!!の佐藤麗奈さんらに聞いてみた
CMのほかにもPrizmaXやSUPER★DRAGON、M!LKなどの舞台演出を手がけていたり、つい先日も誰でも簡単に“VTuberになれる”というBtoB向けのサービス「Virtualoid」を発表して、話題となっていました。 CMだけじゃなくて、アイドルのお仕事やVTuberサービスを展開したりと、まさに若者のほうを向いている会社って感じです。ただ、いきなり直接行ってお話をうかがうのも怖いので、M!LKの板垣瑞生さんやPrizmaXの清水大樹さん、元アイドリング!!!の佐藤麗奈さんといったCMに出演された方々や、一緒にプロジェクトを制作した企業の担当者の方に、「QT by quark tokyoさんってどんな集団?」というのを聞いてみました!
どなたのコメントも「ヤバそうな人たち」ってことなんですが!?
でも、よくよく聞くと「いろんな色がある“色鉛筆”みたいな会社」「スタッフ同士が仲良くて、本当に優しいスタッフさんがたくさんいる」「デジタル領域に特化している」などなど、付き合ってみると、ちゃんとした良い人たちということを、みなさんおっしゃっています。
この動画だけを見ても、「QT by quark tokyo」さんがいろんな一面を持っているのがわかり、ますます気になってきました。
いざ、「QT by quark tokyo」に突撃
そんなわけで、私、ツマミ具依は「QT by quark tokyo」さんに「ずばり、若者の心を掴むコツとはなんなのか?」という質問を直接ぶつけるため、オフィスにお邪魔することに。 表参道にあるオフィスはオシャレなストリートから一歩入ったところにあり、中に入ってみてもやっぱり内観からしてすごくオシャレに決まっています。 動画のみなさんが「第一印象はヤバい」と言っていたこともあって、ビクビクしながら担当の方を待っていたのですが、そんな私の前に現れたのは……。!?
被り物をしている人ということは……。 一番イロモノの人が来ちゃったよ~!!この方は「QT by quark tokyo」さんの代表で、クリエイティブ・ディレクターを務めるオノダタカキさん。
一見フザケているようにしか見えませんが、お話を聞いてみると、もともと広告会社でプロモーション業務をやられていたそうで、その経歴はめちゃくちゃしっかりしてます!
そもそも、なぜ「QT by quark tokyo」を立ち上げたのか? まずは、その理由について話を聞いてみます。
オノダさんによれば、仕事をしている時に「広告業界で言われる“若者”って、なんか嘘くさいな」と感じたことをきっかけに、若者調査でよくあるアンケート形式ではなく、自ら女子高生たちに直接話を聞きに行きまくるというスタイルを実践。
そもそも、広告業界ではアンケート調査に疑問を持つのはタブーのように扱われていたそうですが、「パンケーキをおごるから」と言って集めた女子高生のリアルな声を反映したプロモーション施策が大成功を収めたんだとか。
こうして、しっかりと若者に向き合ってコンテンツを制作するやり方に手応えを感じたことから、「QT by quark tokyo」の立ち上げに至ったそうです。
オフィスが表参道にあるのも若者が集まる場所として、その雰囲気を肌で感じるためとのことでした。
QT by quark tokyoの制作秘話を聞いてみた!
これまで「QT by quark tokyo」さんが手掛けたプロジェクトの制作秘話を聞いてみても、面白い話がバンバンと飛び出してきます。例えば、アイドルの舞台演出といった分野では、オノダさんが漫画オタクということもあって、漫画からインスピレーションを受けたストーリーや演出を通じて、「自分がファンだったら、キャストのここに惚れる」という彼らの魅力的な一面を最大化させているそう。
歌や踊りといった通常のパフォーマンスでは見せられない姿を、ドラマのような舞台演出の中で具現化させているわけですね。
ほかにも、ステージの流れを計算しながら、時間軸に沿って観客側の感情を組み立てていると言います。
始めの1分は「早く彼らを見たい」、1曲目は「もっと近くに来て!」、中盤で「びっくりする」など……。観客の感情に合わせたセットリストや映像演出を組み込んで、舞台を演出しているとのこと。
「Virtualoid」プロジェクトについても、一般の方が匿名で何かを発信するとした場合、以前は「初音ミク」のように歌を介して発信することがメジャーでした。
しかし、「VTuberが一般化されれば、会話や漫談のようにもっとラフなスタイルで、声だけで世界と戦えるフィールドが下りてくるだろう」(オノダさん)という、先を見越した上で立ち上げた事業だと話してくれました。
「Virtualoid」は現在、BtoB向けのサービスとなっていますが、いずれは一般消費者の手にも届くような日がやって来るかもしれません。
オノダさんのお話を聞いていると、「QT by quark tokyo」さんがこうした若者コンテンツを多数手掛けているのも、時代の先を読む力があってのことなんだな、と感じました。
人を楽しませる野球部はいつの時代もいる
そんなオノダさんに、「“若者のリアル”を追求する中での一番の発見は何でしたか?」という質問をぶつけてみました。オノダさん「時代によってアウトプットの形は変わったけど、若者が持っている根元的な欲求やそれを求めている理由は変わっていない、というのはすごく思います。
例えば、野球部の人って、クラスで急にパフォーマンス力を発揮してクラスメイトを笑かしたりするじゃないですか。いきなり『Choo Choo TRAIN』踊ったりとか(笑)。
今、そういう野球部の子がTikTokで踊ってたりするんです。つまり、自分が10代の時に教室で見ていたクラスメイトの姿が、形は変われどTikTokにいた。
結局、いつの時代も「自分の存在をアピールしたい」という気持ち、自己顕示欲は変わらないんです」 な、なるほど〜!!
その上で、今の若者には一体、何が刺さるんでしょうかね?
オノダさん「今の若者っていうのは、その答えがない世代なんです。「答えがない」というのが答えと言いますか……。
もっともっと前の世代だと、有名なCMのキャッチコピーで『そうだ 京都、行こう。』といえば、実際に京都へ行く人がいっぱいいたと思うんです。でも、今はどんどん細分化されて、マスに届くメッセージはないのが当たり前になってきました。
広告会社が仕掛ける『これが良い』というメッセージを受け取っていたのが、人それぞれが考える『これも良いよね』という考え方に変わったんだと思います。ある意味、一貫性がない世代だとも思います。
だからこそ、表面的な若者の流行を追うんじゃなくて、『QT by quark tokyo』ではもっとリアルな若者のマインドに焦点をあてるよう、意識してますね」
こんなふうに若者に刺さるコンテンツを提供し続ける「QT by quark tokyo」さんが、12月11日(火)に若年層向けマーケティングイベントを開催! 若年層に刺さるコンテンツのつくり方と、これから先起こるであろうコンテンツマーケットの変化について、若者コンテンツを手掛ける豪華スピーカーが語ります。もちろん、今回の記事に登場したオノダさんの話も聞けますよ。
さらに、「街にいる普通の若者たちの“リアル”を聞いてみよう」ということで、10代女子に質問できるコーナーも開設予定とのこと!
これは「QT by quark tokyo」のセンスを思い切り浴びる大チャンス。若者の心を掴みたい! と思っている人や広告をはじめとするポップなコンテンツづくりに興味のある方は、ぜひ足を運んでみてください。
匿名ハッコウくん(ID:2462)
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