「その華麗なるリリースとモッシュピットを生む方法」 東京アンダーグラウンドの雄 ハバナイ新作

9月8日、東京アンダーグラウンドシーンをアツくたぎらせる注目のディスコパンクバンド・Have a Nice Day！（通称「ハバナイ」）が、前作から約2年ぶりとなる3rdアルバム『Dystopia Romance』をクラウドファンディングサイト・CAMPFIREでの支援金募集プロジェクトへのリターンという形で先行リリースした。

目標額である100万円を達成した場合には、11月18日（水）に東京・恵比寿LIQIDROOMにて行われるリリースパーティーの入場が無料となる。そして、購入者にはアルバム音源が収録されたデータの配布が行われ、5000円以上の支援者にはイベント当日にCDも配布される。

音源配布とイベント無料参加はもちろん、10万円の特別特典としてメンバーの唾を入れてよく振った飲料から、100万円のスマイルといったわるふざけ同様のリターンが用意されている。

今作は、一般流通は一切行われず、プロジェクトへの参加か、リリースパーティ以降のライブ会場での販売となり、「音楽の売り方」への挑戦という意味を含んだ実験的な取り組みとなっている。

自分自身もYouTubeやサウンドクラウド、bandcampでしか音楽を聴かないからCDショップで音楽を買う行為はもはやリアリティを失ってるわけだし、CDショップや紙媒体のようなフィールドはオレたちの音楽やシーンとはまるで無関係だろう。
そして「彼ら」はオレたちのような存在を絶対に認めることはないだろね。 Have a Nice Day! その華麗なるリリースとモッシュピットを生む方法 - CAMPFIRE

「マイシットで掴んだカネでパーティーを買い取る」

ド派手なシンセサウンドと気だるく独特の日本語ラップ、一度体感したら忘れることのできないフィジカルなライブから数々の中毒者を生み出しているハバナイ。

新宿LOFTにて開催され「2015年で最も汚い現場」と言われたライブイベント「SCUM PARTY!」の立役者であり、「東京アンダーグラウンドで最も美しいモッシュピットを生み出すディスコパンクバンド」だ。 今回、ライブハウスとインターネットを媒体として活動してきたハバナイが、試行錯誤しながらも「とにかくパーティーを続ける」ために選んだのが、クラウドファンディングプロジェクトへの出資の見返りという形でのアルバムリリースと、そこで集めた資金でライブハウスを借りる、という手段だったという。

曰く、「マイシットで掴んだカネでパーティーを買い取る」。

「ここ2年くらいの集大成的なショーにしたい」

リリースパーティーは、ハバナイが所属するオモチレコードの盟友にしてともに東京アンダーグラウンドを盛り上げる超カオティックバンド・NATURE DANGER GANGとのツーマンライブとなる。

ライブでは、2人組アイドルユニット・おやすみホログラムとのコラボ曲にして2015年最も東京アンダーグラウンドシーンを賑わした楽曲「エメラルド」を始めとしたこれまでのコラボ楽曲も披露予定。

ゲストには、おやすみホログラムをはじめ、Less Than TVに所属するオルタナパンクバンド・Limited Express(has gone?)、スクラッチしない放課後のおしゃべりガールズHIP-POPユニット・Y.I.M、Jukeレーベル・Booty Tuneに所属するD.J.APRILさんといった、多彩な出演者たちのゲスト参加も決定している。

いま自分は何かとても無意味かつ空虚なことをしているんじゃないかという感覚の中でこの文章を書いているんだよ。いまの自分のような状況の中でこれを成し遂げたヤツをオレは何人も知らないし、それはとても非現実的な感じがする。
同時にわれわれの音楽が生み出すあの美しいモッシュピットが巨大なフロアを埋めることができたら、きっとこの東京の何かが変わるという淡い期待もあるわけだ。
11月18日。Have a Nice Day!の虚しくも巨大なパーティーに君もおいでよ。

なんちゃってね。 Have a Nice Day! その華麗なるリリースとモッシュピットを生む方法 - CAMPFIRE