動画の面白さを120点にするための活動スタイル

──普段と違う環境だったと思いますが、ものすごくリラックスして配信されているように見えました。

ニキ そういう自然体から出る面白さっていうのを最近は意識しているんです。無理してつくったエンタメじゃない空気というか、動画だと出せない配信の良さみたいな。

メインチャンネル以外に「ニキです。」っていうチャンネルも運営してるんですが、こっちではそういう力を抜いた動画づくりを意識してて。そこでの経験も活かせたしすごいやりやすかったです。

肩の力を抜いたトーク動画を投稿している「ニキです。」チャンネル

──普段から意識されているんですね。力を抜いてトークする方が気楽だったりするものなのでしょうか?

ニキ ところがどっこい……。

しろせんせー 難しいんですよね……。

ニキ 他のメンバーにも「ニキです。」の方に出てもらう時は「自然な面白さを目指したいからあまり気合入れないでくれ」って言っててるんですけど、どうしても力が入っちゃうことがあるんです。

しろせんせー 面白い流れになってくるとやっぱり「この流れをもっと活かそう!」と思って肩ひじ張っちゃって。それを求められてるわけじゃないんですよね。

ニキ やっぱりこれまでの経験もあるから、100%の力で頑張ることはできるようになったんですけど、目指してるのはもっと力抜いた面白さなんです。

いかに面白さのギアを入れていくかに取り組んできた分、逆に丁度いいところまで落とすっていうのがすごく難しい

──そうした自然体の面白さを目指すのはなにかきっかけがあったんでしょうか?

ニキ 笑いっていくつもジャンルがあると思うんですけど、メインのチャンネルでやってきたのはいわば厚塗りの化粧みたいなもので。ゴリゴリに気合入ってるんですよ。

それをずっとやってきたから、味変として違うジャンルの笑いもやってみたいっていう感じです。

しろせんせー 僕はどっちかというと「撮影だ」って意識を変えて臨む方が得意なんですよね、普段は無口ですし。

ニキ むくちんちん?

しろせんせー 本当にあんまり喋らなくて。

ニキ むくちんちん?

しろせんせー 二回も重ねる単語じゃないだろ!

ニキ ごめん邪魔したくなっちゃって……。

しろせんせー 後でむくちんちんを2回も読まされる読者の気持ち考えろよ!

しろせんせーさんからの真っ当すぎるツッコミが入る

──しっかり記事にさせていただきます。意識が切り替わるという点では、「IRIAM」の配信でのようにアバターを纏うのと実写の場合ではまた意識も違うのでしょうか?

しろせんせー 僕自身はそこの違いよりは撮影かどうかでスイッチが切り替わる感じです。

ニキ 俺も実写かそうでないかでは意識の違いはないですね。でも動画に関して言えばその二つの撮影環境はかなり違っていて。直接会って喋れるなら実写の方が面白いものが撮りやすいと思ってます。

実写の場合は言葉だけじゃなくて表情やボディランゲージでもやりとりができる。そこを僕らはアバターメインでやってるわけですから、相当すごいことをやってると思うんですよ!

──相当すごいと思います。

ニキ 感情も全部声色だけで表現してるわけですからね! もっとこのスゴさに気づいてほしい!

しろせんせー 謙虚って言葉を知らないのかな。

──それでも現在のようなアバターを活かした形式の動画にこだわってるのはなぜなのでしょう?

ニキ 80点とかまでなら実写の方が簡単に出せます。でも100点、120点の面白さを出せるのは今のやり方だと思ってるんです

俺らの動画を見てもらうとわかるんですが、会話の間を極限まで切り詰めるジェットカットっていう編集を多用してて、それが面白さの肝になってるんです。

同じように間を詰めようとすると、実写だと絵が繋がらないからすごく違和感があるんですよね。自分が思う面白い間に調整したいと思っても、実写だとそれができない、でもアバターならそれができる。だから100点を超えていくには今のやり方があってると思うんです。

ツッコミというカウンターパンチを打つために鍛えた話術

──編集ができない配信の場合はいかがでしょうか? 見ている分にはやはり予定調和でないアクシデントが起きるのが配信の醍醐味のように感じます。

しろせんせー アクシデントが配信の面白さに繋がるのは間違いないですね。僕は特にアクシデントと相性がいい気はします。

たとえばホラゲー配信なんかは特にそうですが、思わぬところですごいビックリしちゃったりして、そのリアクションを視聴者たちにいじられたり。

そこはコントロールしようと思ってもできない部分だったりしますし、そういう状況をどうさばくかが大事だと思うんです。

一般プレイヤーを交流し、配信者としての基礎力を磨いてきたからこその視点を見せてくれたしろせんせーさん9

しろせんせー 深く考えてできることでもないので、一歩間違えば炎上に繋がる場合もありますが、そういうトラブルも面白くするのが配信における大事なスキルと言えるかもしれません。

ニキ だから横にトラブルの権化みたいなやつを置いてんだよな?

しろせんせー 自分がトラブルの権化だって自覚はあるんだ。

ニキ トラブルが面白さに繋がるのは間違いないけど、常に起こるわけじゃないし、いつ起きるかももちろん予測できない。

だから起きたらラッキーだけど、そうじゃない時間もしっかり面白くできるのもスキルだよね。

しろせんせー 僕の場合は配信の中での起承転結みたいな流れを意識することがあります。その流れを意識しつつ、どこかで起きる偶発的なトラブルを楽しく処理するっていう感じですね。

──そうした流れは事前にシミュレートするのでしょうか?

しろせんせー もちろん完璧に思った通りに進むことはないので、あくまで軽く予想する程度ですけど考えたりはします。

ニキ 予想したうえで「こういうコメントが来たら『なんでやねん!』って返すぞ!」みたいなツッコミの素振りを鏡の前でしてるんだよね?

しろせんせー するわけないだろ。

──見てみたい気はします。ニキさんの場合は配信では何を意識されているのでしょう?

ニキ 初期はゲームでマッチした一般の人たちとコミュニケーションしてコンテンツにしてたんですけど。その頃に「このやりとりをどうやって面白くするか」を常に考えながら会話してた経験が、配信にも活きてると思います。

その人の面白い部分とか、会話の中の変なポイントを見つけてツッコめたら理想的ですけど、そんなうまくいくことはそうそうなくて。

こっちはツッコミというカウンターを打つ機会を狙ってるけど、普通にゲームしてるだけの人からしたらそもそもなんでパンチ打たなきゃあかんねんって思うのが当然ですよね。

だからいかにパンチを打ってもらうかを考えて辿り着いたのが、揚げ足をとるっていうやり方で。そうしてあっちにパンチを打ってもらうための筋道をつくって、面白い流れに繋げていく。

配信でコメントにツッコミを入れていくのも、それとほとんど同じことをやっている感覚ですね。

──今回の「IRIAM」での配信のように慣れたフィールドではない場合でもすぐに自らの雰囲気にしていくのは流石でした。

しろせんせー たしかに初見の方もいたのでいつもとは違う環境でしたけど、見に来てくれた人たちの中には普段から俺たちを応援してくれてる人たちもいて。

俺とかニキの配信の空気感をわかってくれている人もいたし、初見の人たちの中にも、波長の合う人はいるはずなんですよね。

そういうコメントを見つけて、いつもの自分の調子でツッコミを入れたりしていくことで、だんだんと雰囲気を侵食していくのは意識しているかもしれません。

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