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いよいよ諏訪部順一モデルの「Just ear」が完成!
──ということで、2月末の受注から半年ほど経ちまして……! ようやく諏訪部さんにお渡しできるタイミングがやってきました!菅野 お待たせしました、こちらが完成した「Just ear」になります。 菅野 改めて、まずは耳の形が合ってるかどうか確認させていただきます。
諏訪部 成長期ではないので、多分大丈夫だと思います。
──(笑)
菅野 ……失礼します。 諏訪部 こ、これは……まるであつらえたかのようにしっくりきますね……。
松尾 あつらえたんです(笑)。ひょっとして、今日のために髪を切ってくださったんですか?
諏訪部 はい、調整しやすいように切ってきました……というのは嘘です(笑)。たまたまですが、好都合でしたね。
松尾 特に痛みや緩さはないですかね?
諏訪部 問題なくフィットしています!
松尾 それでは一度音を聴いていただいて、音が左右どちらかに寄ってないか、低音が抜けてないか、イヤホンを耳に押し付けると低音が出てくるとか、その辺を確認いただければと思います。音の漏れ具合を菅野さんが確認します。
菅野 音の漏れ具合を聴いて、フィットしているかどうか確かめさせていただきます。 ──音の漏れ具合なんて分かるんですね。
菅野 はい。大丈夫そうですね。
松尾 もしここでフィッティングが合わなかった場合は、菅野さんが本体を削ったり盛ったりしてフィッティングが合うように調整してくれます!
これができる人って本当にいないんですよ。多分、日本だと菅野さんしかいない。菅野さんがいるから、この場でフィッティングも含めて良い状態でお渡しをすることができます。この後、音質調整モデルの場合は私がバトンタッチしてヒアリングをします。
──そして、受注の時も淹れられていたコーヒーが今回も。いつも音質を確かめている間にコーヒーを淹れられてるんですか? 松尾 そうですね。納品のときも最後の音決めでリラックスしていただくために淹れています。 諏訪部 コーヒーの良い香りと「Just ear」の良い音。最高のマリアージュですね(良い声)。
──良い声……ありがとうございます!
実際に「Just ear」ができ上がっての感想は?
松尾 完成品を付けてみて、試聴の段階と比べていかがですか? 諏訪部 装着感も申し分ないですし、お願いしていた通りの音質にも仕上がっているので、大満足です。松尾 この段階でもし「もうちょっと低音があったほうがいい」とか「高音できついところがある」ということであれば、それもここで調整も可能です。
でも多くの方は完成品を聴いて「ああ! いい音だ!」って納得される方がほとんどで、そのままお渡しすることが多いですね。
諏訪部 こうして改めて聴いてみて、このセッティングで間違いなかったと実感しました。自分の狙い通りの音になっています。高音から低音まで全域に渡ってしっかり鳴っているけれど、聴き疲れしないよう雑味はしっかり取り除かれている。ヴォーカルの存在感もきちんとあります!
松尾 音づくりのなかでテーマだったのが、諏訪部さんの声の良さをより活かすということでしたので私なりに工夫してチューニングさせていただいたところもありますね。
諏訪部 その松尾さんの工夫のお陰で、ヴォーカルの鮮度が上がったような印象さえ受けました。あまり褒めてばかりいると嘘っぽく聞こえてしまいそうなのですが、納得のプロダクトが完成したのは事実です。 松尾 チューニングさせていただいた「Linaria」自体がいろいろな要素を持っている曲だったので、この楽曲でバランスよく聴けるということはいろんなジャンルの曲を聴いてもいいのかなっていうところと、諏訪部さんの声もフォーカスしているので全体的に聴きやすいのではないかと思いますね。
諏訪部 この曲、作っておいて良かった〜(笑)。今回のようなチューニングに使うには持って来いの楽曲でしたね。
AnimeJapan2016でのファンの皆さんの感想は?
松尾 諏訪部さんとの音質チューニングをさせていただいた後に、「AnimeJapan 2016」というイベントのなかで来場者の方に同じ音質にチューニングされた試聴機で聴いていただく場を設けさせていただいたんですけど、まあ反響がすごくてですね。皆さまが最初に試聴機で楽曲を聴いたときの表情がすごく良くて。中には「ギャー!」って叫ぶ方もいらっしゃるぐらいでした(笑)。
諏訪部 良いリアクションですね(笑)。 松尾 良いヘッドホンで聴くと、よりリアルに近くで聴こえるので、普段自分がイメージしてる距離感よりもすごい近いところで囁かれるように感じるんです。「イヤホンやプレイヤーが違うと聴こえ方が全然違うんだ」って驚かれていました。ですが、「Just ear」ってすごく高い商品なので、商品について説明したときに値段的なところでも…。
諏訪部 「ギャー!」ですか?(笑)。
松尾 言う方が多かったんですけど(笑)、なかには「こんなに音がいいなら考えたい」って言ってくださる方もいて。実際に後日こちらの店舗にいらしてじっくり試聴してくださる方も何名かいらっしゃいました。実際に購入してくださった方も。
諏訪部 自分が作るものに興味を持って下さるみなさんが、普段どういった環境で音楽を聴いていらっしゃるのかをリサーチしたことがあるのですが、あまり性能が良くないイヤホンでお聴きの方も少なくないようで。
それ故に、一番聴こえて欲しい部分はどのような機器でも再生されるよう、フェロ☆メンのサウンドは最大公約数的なバランスをいつも意識してミックスしています。以前お話ししたように、トラックダウンやマスタリング作業の際に様々なイヤホン・ヘッドホンで音を確認しているのはそのためです。
ですが、より情報量の多い、より高品質な音でお聴き頂きたいという思いも常にあります。音楽だけでなく、本業である声優やナレーターなども、仕事として生み出しているのは「音」ですから、そこにこだわりを持って頂けるというのは本当にありがたいことで。「AnimeJapan 2016」で行った試聴イベントは、『どれで聴いても同じ』ではないということを多くの方に改めて知って頂く、とても有意義な機会になったのではないでしょうか。 ──「諏訪部さんモデル」を作りたいという方におすすめの調整はあったりしますか?
松尾 「Just ear」ではお好きなアーティストの楽曲を聴くために作られる方も多く、アーティストに対する思い入れは、私以上に強いですよね。ですので、お客様がその方の楽曲や声のどういう部分に惹かれているのかというところを、できるだけ汲み取るようにしています。
やっぱり人によって諏訪部さんの息遣いがお好きな方もいれば、ボディの響く音が好きな方もいらっしゃると思うので、その人の好きな部分を伸ばすにはどうすればいいかというところを考えています。
諏訪部 声って単音ではなく、実は様々な成分の音が入り交じっていますからね。ひと口に「この人の声が好き」とおっしゃられても、その中の高音成分に惹かれている方もいらっしゃれば、低音成分に惹かれている方もいらっしゃると思います。聴く人によって様々。そこをテイラーメイドで調整出来るのが「Just ear」の面白さですね。
フェロ☆メンも「Just ear」も、手に取る方への「ギフト」
──フェロ☆メンはセルフプロデュースでやられているとのことで、企画から特典のデザインまで、諏訪部さんが制作におけるすべての工程で携わっているとお聞きしました。諏訪部 フェロ☆メンの活動は、自分たちの表現したいものにお付き合い頂くエゴイスティックな企画ではなく、本業である声優などとしての活動を応援して下さっている皆様への「ギフト」という思いで行っています。こういう物をお届けしたらきっと喜んでくれるだろうな?という、まずニーズありきのモノ作りです。
そういった、日頃の感謝を込めたものということもありますし、何でも自分でやりたがる性分も加わって、サウンドだけでなくパッケージや販促品などのデザインも含め、プロダクトのほぼ全工程に携わっています。より多くの手をかけることと、より多くの心を込めることは、ある意味同義だと思っているので。
松尾 諏訪部さんの手を抜かない姿勢はそこからきているんですね。
製品設計ってこちらが良いと思うものをつくって「届ける」というよりは「どうでしょう?」と提案する形で出す場合が多かったりするじゃないですか。でも「Just ear」の場合はお客様とやりとりをしながらお客様が一番喜ぶ音にしたいという気持ちでやっているので、通ずるものがあると思いました。
諏訪部 確かに、そうかもしれません。「Just ear」も出来上がるまでに多くの細かな手が加わっていますよね。お客様とのコミュニケーションの中から生み出される製品からは、御満足頂けるより良いものを作ろうというハートが伝わって来ます。
愛着を持って、長く大切に使っていきたいと思えるのは、高品質であること、結構なお値段であることだけなく、そういったアナログ的な人の温かみが感じられるアイテムだからですね、きっと。 ──諏訪部さんはこの半年をどんな気持ちで待たれていたんですか?
諏訪部 実はもっと早くに完成していたのですが、スケジュールが立て込んでいてなかなか受け取りに来ることが出来ず。結構な時間が経ってしまいました。けれどもちろん、忘れたことなどありませんよ! ずっとワクワク感を抱きながら過ごしていました。明日の遠足が楽しみで眠れない子供のような感じです(笑)。
まだかまだかと高揚しながら完成を待つ時間も、テイラーメイドの楽しみのひとつですね。
松尾 お客様のなかには、「出来上がったら最初にこの曲を聴くんだ!」って決めている方もいて。実は、明日いらっしゃるお客様は諏訪部さんの楽曲を聴くことにしているそうですよ。
諏訪部 本当ですか!それはうれしいですね。
──前回、松尾さんがつくられたイヤホンをお仕事で使われているという話だったのですが、「Just ear」はお仕事ではいかがですか?
諏訪部 ナレーションやラジオの収録時にモニター用として使うのは……正直もったいないなって思ってしまいますね(笑)。ステージで歌うような時にイヤモニとして御登場頂くのはアリかと。デザインもクールなので、ステージ映えしそうです。
松尾 特徴的なデザインなので、目立ってかっこいいと思います!
「Just ear」の購入を検討されている方へのアドバイス
──松尾さんから購入をご検討されている方にアドバイスがあればと思うのですが、いかがでしょうか?松尾 「Just ear」は2種類モデルがあります。音がプリセットで決まっているものと、私と一緒にオリジナルでつくっていくものですね。正直どちらのパターンもそれぞれの良さがあると思っています。
あらかじめ音が決まっているタイプは、私がこれまでいろんなヘッドホン・イヤホンを設計してきたなかで「こういうシチュエーションにはこういう音が合う」という経験の元でつくった3パターンを用意しているので、そのなかで選んでいただくのも良いと思います。
自分オリジナルのイヤホンをつくってみたいという方には、音質調整まで挑戦することも含めておすすめできます。値段は上がってしまいますが、自分だけのものをつくるプロセスは、既成品を選ぶこととは違った楽しさがある。いまのところオリジナルでつくってみたけど、出来上がりがイマイチだったなって方はいらっしゃらないですね。
諏訪部 本当に良いものであるのは間違いありません。お値段にはやはり敷居の高さを感じてしまいますが、その分の価値は感じられると自分は思いました。
けれど正直、生活に無理を強いてまで……とは思いません。何しろ嗜好品ですから。可能な範囲でより良いリスニング環境を設けて頂くのがよろしいかと。懐に余裕がある方はゼヒ!
人気アーティストのチューニングモデルも実現できそう……!?
松尾 僕らはオーディオとしての音を聴いてほしいわけではなく、コンテンツを楽しむためのものとしてつくっています。皆さんが好きな作品をより良い状態で試聴するための方法として、オーディオにも着目してもらえたら嬉しいです。例えば型採りまではしなくても同じような音で聴くことができるようにもできれば、とも思います。アーティストと一緒に音の調整をしたものを、もう少し買いやすい価格帯で提供できれば。
諏訪部 ミュージシャン自らが、楽曲と一緒にイヤホンもチューニングして、「このアルバムはこのイヤホンで聴くのがベスト!」みたいな、バンドル販売を行ったら面白いかもしれませんね。アウトプットする部分までサウンドをプロデュースしたい人って、なにげに結構いらっしゃるような気がしますし。ニーズもありそうですね。
松尾 テイラーメイドのイヤホンって耳の形に合わせるという部分に注目されてきた側面もあるんですが、「Just ear」は音を調整できることが初めての取り組みだったんです。そこにはまだ大きな可能性があると思っています。
諏訪部さんのファンの方も耳の形が合うってことよりも、諏訪部さんが「こういう風に聴いてほしい」っていう音を聴ける、というところにすごく価値を見出している。
型採りまでしなくても、通常タイプのイヤホンでそのチューニングを聴けるようになれば、アーティストとそれを聴く人たちを近付けるひとつの道になると思っています。
諏訪部 試聴会みたいなイベントをもっと開催して、身近な存在である音の世界が、実はもっと広く、もっと深いものであることを、より多くのみなさんに知って頂けるといいですね。
松尾 私たちも試聴イベントはやっていきたいと思ってるんですけど、前回の「AnimeJapan 2016」の際の反響の大きさがあって、ちょっとびびってます(笑)。諏訪部さんのイベントでお客様が集まるところでやらせていただくとか、そういうことも含めて考えていければなって思ってます。
諏訪部 ぜひ! より良い音を広めていきましょう!
諏訪部さんが音質調整した「Just ear」を試聴できます!
なんと、この記事で諏訪部さんが音質調整した「Just ear」を、2016年9月08日(木)から9月17日(土)まで、東京ヒアリングケアセンター青山店にて視聴することが出来ます!さらに、2016年9月10日(土)には、女性限定の試聴イベントも開催されます。
ぜひ実際にみなさまのお耳で、諏訪部さんチューニングの「Just ear」をお楽しみ下さい。
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