新生・東京パフォーマンスドールが提示する新しいアイドル像 デビュー公演レポート

新生・東京パフォーマンスドールが提示する新しいアイドル像 デビュー公演レポート
新生・東京パフォーマンスドールが提示する新しいアイドル像 デビュー公演レポート

新生・東京パフォーマンスドールのメンバー

2013年、かつて、それまでにはあまり見られなかったハイクオリティの〝パフォーマンス〟という武器で、90年代のアイドルシーンを席巻したダンスポップ女性グループ・東京パフォーマンスドールが、約17年の時を経て、新生・東京パフォーマンスドールとして再び始動した。

いまや第一線で活躍する女優・篠原涼子さんや、タレントの穴井夕子さんが所属していた先代の東京パフォーマンスドール。再始動した新生・東京パフォーマンスドールは、メンバーも新たに平均年齢15歳の10人の少女たちで結成されている。

左から神宮沙紀さん、橘二葉さん、脇あかりさん、美波沙南さん、高嶋菜七さん

左から上西星来さん、浜崎香帆さん、小林晏夕さん、飯田桜子さん、櫻井紗季さん

彼女たちは現在、東京・渋谷にある劇場「CBGKシブゲキ!! 」にて、演劇とライブを融合させた新たなエンターテインメントショー・PLAY×LIVE『1×0(ワンバイゼロ)』を、8月から連続上演している。そして、8月24日(土)には、PLAY×LIVE『1×0』のエピソード2となる「In the wonderland」の公演が行われた。8月にデビューしたばかりとは思えない、彼女たちの高いパフォーマンス力に加え、最新のビデオCG技術によるプロジェクション・マッピングとコラボレーションしたステージに、多くの観客が釘付けとなった。

様々なジャンルが融合

PLAY×LIVE『1×0』(プレイライブ ワンバイゼロ)EPISODE 2 公式ダイジェスト
PLAY×LIVE『1×0』とは、〝演劇〟〝映像〟〝歌〟〝ダンス〟というあらゆるジャンルが融合した新感覚の公演。「演劇パート」では、〝エピソード1〟から〝エピソード5〟にかけてストーリーがシリーズ展開され、そのすべてを通してみることで、ストーリーの要となる『1×0』の全貌が明らかになる。すでに、8月18日(日)にエピソード1「Lost without you」、そして8月25日(日)に、今回ご紹介するエピソード2「In the wonderland」の公演を終えている。それぞれが独立したストーリーになっているので、途中のエピソードから見ても分かるようになっている。実際、筆者はエピソード2から見たが、前作を見ていなくても十分楽しむことができた。

「演劇パート」では、座席に座りじっくりと演劇を堪能できるようになっている。さらに、本公演では演劇に加え、後半からは、ノンストップでダンスと歌をパフォーマンスする「ダンスサミットパート」が展開される。デビュー間もない彼女たちの成長する姿を、エピソードごとに感じることができるのも、PLAY×LIVE『1×0』の大きな見どころの1つだろう。

胸がときめく新鮮な演技

エピソード2の主演をつとめた2人。左が脇あかりさん、右が上西星来さん。

先代の東京パフォーマンドールのヒット曲「ダイヤモンドは傷つかない」のリアレンジバージョンで幕を開けたエピソード2。本楽曲のパフォーマンス終盤、突如シブヤの地下水路に広がる異世界「アンダーワールド」に迷い込んでしまうところから演劇パートが始まる。今回のエピソード2で主役を務めたのはメンバーの上西星来さんと脇あかりさんの2人だ。仲間を信用できていなかった上西星来さんが、異世界から抜け出すために、脇あかりさんと力を合わせることで、徐々に友情が芽生えていく様子を描いている。演技に関してはまだ経験が浅いためか、2人のとても新鮮で初々しい演技に、思わず胸がときめいてしまった。

撮影:桜井隆幸

また、劇中では、エピソード2のタイトルを冠した主役2人によるデュエット曲「In the wonderland」が披露された。上西さんと脇さんの2人が、クールでダンサンブルなトラックに乗せて、2人の絆を確かめ合うように力強く歌い上げる。今回の新曲を含め、現代風にリアレンジされた先代の曲など、どれもクオリティが高く、早くもその音源化の期待が高まるばかりだ。

最新のプロジェクション・マッピングによる映像

この公演において、誰もが度肝を抜かれるのは、最新のプロジェクション・マッピング技法を使った映像演出だろう。透過スクリーンに投射された映像や、プロジェクション・マッピングと連動した豪華な舞台装置、光に描き出された白い文字が浮かび上がった幻想的な空間、ボックスなどの小物に映し出された映像演出によって、様々な空間に移り変わる模様は、まるで、演劇を見ているというよりは、今までに感じたことのない感覚、まさに別次元の世界を体感しているようだった。

豪華なクリエイターが勢ぞろい!

演出を手がけているのは、世界を股にかけて活躍するパフォーマンス集団・オリジナルテンポを率いるウォーリー木下さん。映像では、音楽ユニット・いきものがかりのライブなどを手がけてきた映像ディレクターの上田大樹さんが担当している。他にも、音楽には舞台音楽を中心に楽曲や映像を提供している和田俊輔さん、ダンスサミットアレンジには、8月30日(金)に開催されるボーカロイドの初音ミクさんのすべてを1日で楽しめるイベント「マジカルミライ2013」のサウンド・プロデュースを手がける江口亮さんが担当する。このように、各分野において、第一線で活躍しているクリエイター陣で固めているのも大きなポイントの1つだ。 先代の東京パフォーマンスドール時代から恒例だった、ノンストップでダンスと歌を繰り広げる「ダンスサミットパート」では、エレクトロギターが鳴り響くサウンドや、今風のテクノサウンドのポップなトラックに合わせて、プロジェクションマッピングによる映像演出とコラボレーションしながら、ノンストップでダンスを繰り広げる。そして、終盤に彼女たちが客席に降りてきて歌と踊りを披露するなど、まるで宝塚を意識したかのような豪華なエンターテイメントショーに感じられた。まだまだメンバー全員がハイレベルのダンスとは言えないかもしれないが、全力で、一生懸命、そして笑顔で踊り続ける、その彼女たちの姿に心を打たれた人も多いだろう。何故だか無性に応援したくなる、そう思えるようなパフォーマンスだった。公演を終えた後に、リピーター向けのチケットや、エピソード3の先行販売チケットが続々と完売していく様子からも、彼女たちの一生懸命なパフォーマンスが、多くの観客の胸に強く響いたことがうかがえる。

撮影:桜井隆幸

もはやアイドルの醍醐味とも言える成長性という部分だけでなく、プロジェクション・マッピングをはじめとした最新の技術や、クリエイターなどの現代アートとコラボレーションすることで、斬新でスタイリッシュな新しい形のアイドル像が感じられる新生・東京パフォーマンスドール。まだまだ、その道のりは始まったばかりで、まずは10月に行われる本公演のエピソード3のチケットが、9月14日(土)より一般発売される。アイドル好きはもちろんのこと、アイドルに苦手意識を持っている方にとっても、きっと楽しめる公演になるはずだ。

イベント情報

PLAY×LIVE『1×0』 エピソード3

公演2013年10月11日(金)~14日(月祝)
時間11日(金)19:00 12日(土)13:00/17:00
13日(日)※13:00/※17:00 14日(月祝)13:00 ※は収録予定日
場所CBGKシブゲキ!!  東京都渋谷区道玄坂2-29-5 ザ・プライム 6F

PLAY×LIVE『1×0』 エピソード4

公演2013年11月21日(木)~24日(日)
時間21日(木)19:00 22日(金)19:00 23日(土)13:00/17:00
24日(日)※13:00/※17:00 ※は収録予定日
場所CBGKシブゲキ!!  東京都渋谷区道玄坂2-29-5 ザ・プライム 6F

9月14日(土)より、エピソード3、4チケット一般発売

チケット料金(全席指定/税込):一般 4,800円(前売・当日共)
小学生・中学生・高校生:3,500円(前売チケットぴあのみ/受付にて要学生証(身分証明証)提示/限定枚数)
日本初のHMDシート:4,800円(前売チケットぴあ・イープラスのみ/限定枚数)
※未就学児童入場不可
※割引・特別チケットは前売のみ取扱い
※車いすでの来場は、観劇日前日までにキューブ 03-5485-2252(平日12〜18時)まで要連絡

【チケット取扱い】
○イープラス
 http://eplus.jp/(PC・携帯)
 ファミリーマート各店舗内Famiポート
○チケットぴあ
 0570-02-9999 Pコード:エピソード3/エピソード4 共通[560-885]
 http://pia.jp/t /(PC・携帯)
 チケットぴあ、セブン-イレブン、サークルK・サンクスの各店舗
○ローソンチケット
 0570-000-407 オペレーター対応10:00~20:00)
 0570-084-003 音声自動応答 Lコード:エピソード3【30095】/エピソード4【30096】
 http://l-tike.com/(PC・携帯)
 ローソン・ミニストップ店内Loppi

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